二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.842 )
- 日時: 2010/07/06 18:50
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
- 参照: http://yaplog.jp/000331/
「あれが・・・武田信玄の・・」
葵は馬に乗って見えてきた館を見た。
門番もいてかなり警戒が強そうだ。
だが、それだけでひるむ訳にはいかない。
馬をゆっくりと歩かせて一歩一歩近づいていく。
「——お、おい貴様!何者だ、止まれ!」
予想通り門番は葵を止める。
葵は馬を止めさせて自分は降りる。
「私は「奥州筆頭」並びに「独眼竜」と言われている伊達政宗の武将の下、「奥州の白虎」神楽葵と申す。ここの館にいる「甲斐の虎」武田信玄公に連合軍の話の為、ここに参上した。武田信玄公とお会いしたい」
門番は呆気を取られた。
奥州からわざわざ来ている武将が、「甲斐の若虎」真田幸村よりも強い「奥州の白虎」本人が目の前にいるのだ。
ハッと我に返りギリッと槍を持つ。
「信玄様からはそのようなお話は聞いてはいない!よって貴様はこの場から辞退していただきたい!」
「・・・・そうでございますか。——ですが」
槍を向けられた葵は槍の柄を持ち、バキッと折った。
門番に動揺が走る。
葵は少し睨むような顔をした。
「ですが、主君の言う事を伝えるこそ部下の務め。開けないのでしたら・・・——全力で壊します」
「——き、貴様・・・!」
少し門番はブルッと震える。
開ける気配がない為、葵は門を無理やり開けさせようとしたその時・・・・・・・・・・・・・・・———。
「——ちょっとちょっと、俺たちの兵を無理やり使うのは伊達の流儀に反するんじゃない?「奥州の白虎」さん」
「——忍か・・・!」
門の屋根の上に迷彩柄の服を着ている——もとい佐助は、葵を見て少し苦笑した。
「アハハ、俺様一発で忍ってバレちゃったね。よっと」
屋根からフッと飛び、音もなく降りて来た。
兵は少し動揺していて口をパクパクしている。
佐助はその兵の姿を見て苦笑して言った。
「大将から「奥州の白虎」を迎えるように言われているんだよね。だから、開けてくれる?」
ハッと我に帰った兵は焦る。
「は、はいぃっ!猿飛様!」
「・・・猿飛?」
葵はその名前を聞いて少し呻る。
聞いた事があるような名前だったのだ。
しかも幼馴染の名前。
あれ・・・佐助って・・どこに行ったんだっけ・・・———。
本人がいるなど気づかない葵は門が開くのを待った。
ゴゴゴゴと門が開く音がなった後、佐助は葵を見て言った。
「俺、旦那に言われているんだよね。あんたを迎えろってさ。だから、この館に入ったら・・・——大人しくしといて、ね?」
少し顔は笑っているが、やはり警戒しているのか目は笑っていない。
葵は少し間を開けて頷き、佐助の後に付いて行った・・・・・・・・・・・・・・・———。
其の壱百参拾八突 開門