二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 28話更新 ( No.103 )
日時: 2010/06/18 22:18
名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

29話
   激戦・漢・トラウマ?




ジュピターにもう一度魔力が注ぎ込まれていく。
すると、ファントムのギルドから次々と兵が向かってくる。

『地獄を見ろ、フェアリーテイル。貴様らに用意された選択は二つ。
我が兵に殺されるか、ジュピターで死ぬかだ』

「まさか仲間ごとジュピターで殺す気か?」

「そ・・そんなはずはねえ。ただの脅しさ、撃つはずねえ」

「いや、撃つよ」

皆の希望を崩すように言って前に出たのはカナだった。

「あれはジョゼの魔法、幽兵(シェイド)。ジョゼが作りだした魂のない操り人形さ」

「幽兵って・・つまりお化けかよ・・・」

周りからお化け嫌いな人が声をあげる。

「あれはともかくジュピターをなんとかしないとね」

「俺がぶっ壊してくる。15分だろ?やってやる!」

ナツがジュピターの破壊に名乗り出た。カナもナツならやれると思い頷く。
ナツはハッピーに乗ってジュピターを破壊するためにファントムのギルドに殴りこんでいった。

「エルフマン!!ナツだけじゃあ心もとねえ、俺たちも乗り込むぞ!」

「ぅうおっしゃあーーーーーー!!!」

グレイとエルフマンもナツの後を追い走り出す。
その頃にはすでに辺りは幽兵とギルドのメンバーによる激戦が繰り広げられていた。

ルーシィはというと、ミラに眠らされリーダスという胴体だけが巨大なパレットのように
真ん丸な男と一緒に馬車で隠れ家に連れていかれようとしていた。
因みにこの馬車はリーダスの魔法、絵画魔法(ピクトマジック)で描かれたものが実体になったもの。

リーダスが走り出そうとしたとき前から幽兵が現れた。
リーダスはすぐに絵画魔法で応戦しようとするが、突然現れた何者かによって助けられた。
そして乗り込んできたのはカムイだった。

「用心棒は任せな!」

カムイはそういうと後ろからやってくる幽兵に手を差し出すと

「雷写・剣士隊(ソルジャーズ)」

カムイから生み出されたのは人間の形をした魔法体。それぞれが剣を持っていて、幽兵に立ち向かう。

「さすがカムイだな。よし行くぞ!」

——————————

カムイたちが隠れ家に向かっていく頃、ギルドのほうでは進展があった。
ナツがジュピター発射直前に破壊に成功し、フェアリーテイルの魔導士の士気が一気に上がった。
だがその喜びも束の間。ファントムのギルドが変形し、巨人となって攻めてきたのだ。

そしてその巨人が空に描き始めた魔法陣は禁忌魔法の一つ、煉獄粉砕(アビスブレイク)だった。
巨人が描くその大きさは尋常ではなく、マグノリアの町の半分を消し飛ばす威力を秘めているものだった。

いまファントムのギルドに潜入しているのはナツとハッピー、そしてグレイとエルフマン。
4人はこの動くギルドの動力源を探し出そうと、東西奔走を始めた。

「ぬおおおお!漢エルフマン!!命を賭してもフェアリーテイルを守ってみせるぅ!!!」

エルフマンが聖堂のような所を走っていると後ろから妙な気配を感じる。
振り向くと地面がモコモコと盛り上がり現れたのは片眼鏡をした男性だった。

「サリュ(やあ)、私の名はソル、ムッシュ・ソルとお呼びください」

紳士ぶった口調でソルは言った。

「エレメント4の一人か、ちょうどいい。このギルドの止め方を吐いてもらうぞ」

エルフマンはそう言って上着を脱ぐと、片腕を真黒に変えた。

「ビーストアーム・黒牛!」

その姿を見たソルは怪訝な顔をすると言った。

「おや?片腕だけでよろしいので?ということはあの噂は本当ということですね。
あなたの事はよく知っていますよ。もっともフェアリーテイルの皆さんの情報は全て把握していますがね」

「ごちゃごちゃうるさいんじゃい!!!」

エルフマンの突きだした拳をひらりとよけソルはさらに続けた。

「あなたには妹様がおられたでしょう?二年前までは・・・ね」

「!!!!」

ソルの言葉に動揺したエルフマン。それを逃すエレメント4の一人ではなかった。

「砂の舞(サーブルダンス)」

砂を宙に舞わせエルフマンの目を奪った。

「くそ!どこだ!?」

「岩の協奏曲(ロッシュコンセルト)!!!」

拳大の大きさの石をエルフマン目掛けて飛ばすソル。それに耐えかね倒れるエルフマンに
ソルはさらに追い打ちをかける。

「岩石の狂想曲(ローゼルカプリチオ)!!」

大きな岩が倒れたエルフマンに降り注ぐ。

「ぐああああ!!」

「あなたは昔、全身テイクオーバーに失敗し暴走を起した。
それを止めようとした妹様が命を落としてしまった。
あなたはその時の事がトラウマで全身テイクオーバーが使えなくなってしまった」

「ビーストアーム・鉄牛!!!」

右手を鉄のように変え攻撃を仕掛けるもそんな単純な攻撃は効かなかった。
ソルは体をタコの足のようににゅるにゅるとさせ、エルフマンに絡みつく。

「ノンノンノン。3つのノンでお話になりませんね」

「離れんか、ムッチュ・ソル!!」

「ムッシュでございます」

「ビーストアーム・刺牛!」

腕をバラの棘のようにさせるが、その棘の間を縫うように体をくねらせると
エルフマンの顔に蹴りを入れる。

「もう終り(フィナーレ)ですかね?」

余裕の表情で言うソル。それとは逆にエルフマンには余裕がなかった。
今のままじゃ勝てないのは本人が一番分かっていた。

勝つには全身テイクオーバしかないが、ソルの言うように全身テイクオーバーを
使おうとすると妹の顔がよぎり、どうしても出来なかった。

「そうれ(ヴォワラ)!」

戸惑っている隙に攻撃を入れるソル。たまらず膝を着く。

「爆岩の追複曲(ガッチャカノン)」

エルフマンに放たれた石が爆発を起こす。

「ぐああああ!!!」

「ん〜〜〜〜〜。紳士たるものとどめは最高の魔法で仕留めてあげましょう」

ソルは様々な構えを出した後、拳を前に突き出した。

「石膏の奏鳴曲(プラトールソナート)!!!!」

巨大な岩石の拳がエルフマンを捉える。エルフマンは外壁を突き破り、体の一部が外へと出される。

「これがエレメント4でございます」