二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 29話更新 ( No.104 )
- 日時: 2010/07/02 18:26
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
30話〜姉ちゃんを放せ!!漢エルフマン、悲しき過去を討つために〜
「う・・くそ・・・」
壁に激突した衝撃で一瞬意識を飛ばしていたエルフマンが目を開ける。
すると目の前には信じられない光景が写っていた。
「う・・く・・・。エ・・エルフ・・・マン・・」
「姉ちゃん!!!」
エルフマンの目の前でミラが巨人の手によって握りつぶされそうとしていた。
上の通り、エルフマンとミラは姉弟である。
「ほう、姉上。というと、あれがかつて『魔人』と恐れられていたミラジェーン様ですかな?
可哀想に。すっかり魔力が衰えてしまって・・・・。
彼女はルーシィ様に化けてマスターを欺こうとした愚か者です。
そのため、あのような罰を受けてもらっています。じきに潰れてしまうでしょう」
ソルが説明するがエルフマンの耳には聞えない。聞えるのは自分の姉の苦しそうな喘ぎ声だけ。
「姉ちゃん・・何だよこれ!!?今助けるからな、姉ちゃん!!!」
エルフマンは敵がまだそばにいることも忘れ、ミラの元に向かおうとする。
だが、それを許すソルではなかった。
「岩鉄の処刑台(ロック・エクスキューション)」
ソルが唱えると地面がエルフマンの五体を拘束し、地面にへばり付かせる。
そして、首の真上にはギロチンがセットされており、いつでも落とせる準備が出来ていた。
「ぐっ!この・・!離せ!!」
エルフマンはもがくが、がっちりとホールドされており動けない。
「可哀想に。妹様の次に姉上まで目の前で失おうとは。
あなたには姉上が潰れたらすぐに同じ所に送ってあげますよ。このギロチンでね」
ソルが不敵な笑みを浮かべる。
「止めて!!!私はどうなってもいいからエルフマンだけは!!」
「・・・何でだよ」
大人しくなったエルフマンが小さく呟く。その時エルフマンを拘束している地面にひびが入る。
「俺はあの時誓ったんだ。もう姉ちゃんの涙は見ねえって。・・・なのになんで泣いてんだよ」
ひびがどんどん広がっていく。その光景に流石にソルも驚きの表情を見せる。
「俺が弱かったばかりにリサーナは死んじまった」
「それは違うわ!!!リサーナは・・・!!」
「あんな想いは二度としたくねえ!」
ミラの言葉も聞えずに一人で語る。
「俺は姉ちゃんを守れる強い漢になりたいんだ!!!」
その時エルフマンから魔法陣が出る。その魔法陣にミラは見覚えがあって驚愕する。
「だめよエルフマン!!あなた片腕しか使えないじゃない!!!」
ミラが叫ぶがエルフマンの耳に届かない。地面の拘束具がボゴン!と壊れる。
「何(クワ)!?」
立ち上がったエルフマンの全身はすでに変わり始めていた。
「姉ちゃんを放せぇぇぇっ!!!!!」
「こ・・これは・・・」
ソルが冷や汗をだらだらと流しながら言う。目の前に立つ怪物に恐怖する。
二周り近くでかくなった身体に、魔獣のように生えた二本の角。
全身は本当に獣になった様に毛が生え、爪は鋭くとがっている。
「これが・・・!!全身テイクオーバー・獣王の魂(ビーストソウル)!!!?」
獣となったエルフマンがソルを睨む。その迫力に負けてソルが後退る。
「ノンノンノンノンノンノン・・ノォォォォォォォン!!」
エルフマンがソルを一気にぼこ殴るにする。相手が気絶してようとも構わずに殴り続ける。
しばらくたって、ようやく殴り終えたエルフマンがミラの元に向かう。
「エルフマン・・ねえ・・・私の声、聞えてる?」
ミラが震えながら言った。それでもエルフマンはどんどんミラに近づいていく。
「あなた、まさかまた理性をなくして・・・」
エルフマンは一瞬動きを止めたがすぐにミラに向かって手を伸ばす。
ミラはびくっ、としてしまったが、エルフマンはミラではなくミラを押さえつけている
巨人の手を広げさせ、ミラを助ける。
「エルフマン・・・」
ミラがその行為を見て、エルフマンの顔を見る。だが、それよりも先に
エルフマンがミラを抱き寄せた。
「ごめんな姉ちゃん。こんな姿二度と見たくなかっただろう?
こいつをうまく操れなかったせいでリサーナは・・・」
「あなた・・理性が・・・」
「でも、これしかなかったんだ。姉ちゃんやフェアリーテイルを守るには俺が強くなるしか」
そこでミラは初めてエルフマンに恐怖や驚きではなく、笑顔を向けることが出来た。
「リサーナはあなたのせいで死んだんじゃないのよ。あなたはあの時もあたしたちを守ろうとしてくれた」
「でも・・守れなかった。リサーナは死んじまった」
「私は生きてるわ。・・・二人で決めたじゃない。あの子の分まで笑って、楽しんで、生きようって・・・」
「・・・う・・うう。姉ちゃぁあん!!無事で良かったああぁぁぁああ!!!」
「もう、あなたがないてどうするの!!・・・ありがとうね、エルフマン」