二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 23話更新 ( No.105 )
- 日時: 2010/07/27 23:37
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
31話〜氷華雨凛〜
「だーー!!くそっ!!!いつの間にか外に出ちまった。
早くこの巨人を動かす動力を止めねえといけねえってのによ!」
グレイが一人屋外に出てしまって、巨人の描く魔法陣を見ながら自分に愚痴る。
その時、グレイはああ?、と目を細めて魔法陣を見る。
「・・・・?魔法陣を書くスピードが遅くなってるような気がするんだが気のせいか?
つうか、雨?・・・なんて振ってたか?」
「しんしんと・・」
不意に自分の横から人影が見える。グレイは直ぐに戦闘態勢に入った。
「ジュビアはエレメント4の一人にして雨女。しんしんと・・」
「エレメント4・・・。へっ、ちょうどいいぜ。エレメント4ならこの巨人の動力の場所知ってるだろう。
いくぜ!・・・アイスメイク・ランス!!」
グレイが速攻をかける。氷の矢がジュビアに飛んでいくが、ジュビアは全く避けようともしない。
「こんな攻撃無駄よ。だってジュビアは・・・・」
—ザバアァ!!!—
「何!!?」
「水でできてるもの。しんしんと・・・」
ジュビアの言うとおり、グレイの放った攻撃はジュビアに当たりはしたが、
その部分が水に変わり攻撃はそのまま後ろに流されてしまった。
「あなたはジュビアには勝てない」
「それがどうした。生憎だが、仲間を傷つけた奴が例え女だろうが子供だろうが、
容赦しねえつもりだからよぉ。
水になれるからって何だってんだ。うなもん、全部凍らせてやる」
「・・・・・」
ジュビアがグレイの言葉に睨む。若干の睨みあいの末、
—ポッ—
「わ・・分かったわ、私の負けだわ。御機嫌よう」
「オイオイオイ!!ちょっと待てぇぇ!!」
ジュビアは体を反転させ、グレイから遠ざかる。あまりの奇想天外な行動に、思わず叫ぶグレイ。
ジュビアは自分の高鳴る胸に手を当てる。
(はあ、どうしてしまったのジュビアは?この胸の高鳴りは?
・・・あの人を私のものにしたい!)
グレイがジュビアに近寄る。ジュビアは突然振り返ると
「ウォーターロック!!」
「ごぼっ!!」
グレイに周りに水が包み、グレイを水の中に閉じ込めてしまった。
身動きが出来ないグレイ。ジュビアはすでに勝利を確信していた。だが・・・
「らああああぁぁぁぁ!!!」
グレイは中からジュビアの水を凍らし、水の檻を壊した。
ジュビアはそんな状況に悔しさを感じていると思いきや
(ジュビアのウォーターロックを破った。決して破られないと思っていたのに。
これはもう・・・運命・・・)
何かすごい誤解を生んでいた。
「やってくれたな、このヤロウ!アイスメイク・バトルアックス!!!」
—ザバァァ!—
「ちっ!」
グレイの攻撃は先ほどと同じく、ジュビアの体を水に変えるだけで、ダメージは与えられなかった。
だが、ジュビアの精神的ダメージは与えられたようだった。
(これは攻撃。そう、あの方は我がギルドの敵。いくら愛焦がれても決して叶わない恋。これが戦争)
「さようなら小さな恋の花!!ウォータースライサー!!!」
「何言ってんだこいつ!!・・・ぐお!!」
刃状の水がグレイを襲う。グレイはそれらをよけながら、ジュビアに近づく。
「物理攻撃が効かねえなら、直接その体を凍らせてやる!!」
向かってくるグレイにジュビアの胸の高鳴りが一層激しくなる。
(あの方が私の胸の中に飛び込んでこようとしてくる!でも、それでもジュビアは・・・・!)
「ウォーターウェイブ!!」
ジュビアのの足もとから大量の水が噴き出てグレイに襲う。グレイはそれを凍らせて止めるが、
僅かに遅れて、飲み込まれて押し戻される。
「これでわかったでしょう。あなたはジュビアには勝てない。
・・・・今ならまだ助けてあげられる」
「はぁ?何言ってんだおめえ?」
ジュビアの言葉に理解が出来ずグレイが言う。ジュビアはさらに続ける。
「ルーシィを連れてきて。そうすれば私がマスターに頼んで退いてもらうわ」
「おい・・・ふざけたこと言ってんじゃねえぞ。もうお互いに引けないところまで来てんだろうが。
ルーシィを連れてこいだぁ?ふざけんな。ルーシィは仲間だ。命にかえても渡さねえ」
ジュビアがグレイの言葉に傘を落とし、手で顔を覆う。
(命にかえても=恋人=恋敵・・・)
「ぐすっ・・・」
「!!!」
ジュビアが急に泣きだして、グレイが動揺する。グレイは何だかんだでこういうのには弱いのだ。
ジュビアが体をぷるぷるさせ顔を伏せてしまう。グレイは何か声を掛けようとした時
「キイイイイィィィィィ!!!!!」
ジュビアが発狂した。それと共にジュビアの色が僅かに変わる。
それとともに周りにも変化があった。振っていた雨が突然熱湯のように熱くなったのだ。
「ジュビアは許さない!!!ルーシィを決して許さないいい!!!」
「あっち!!なんだ!?つうかなんでこいつルーシィにキレてんだよ・・・」
自分の言葉が全ての原因ということに全く気付かないグレイであった。