二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 33話更新 ( No.113 )
日時: 2010/12/08 22:17
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

34話〜現実遊戯〜




「はぁ、はぁ・・・」

ファントムのギルドの中に入ったカムイだが、足を止め肩で息を整える。
その様子を見たチーが心配そうにカムイの顔を覗き込む。

「心配すんなよ。絶対俺がジョゼを止めてみせる」

「そっれはっ無理〜〜♪だって君はここで僕と遊ぶのだから♪」

「・・・誰だ?」

通路の奥からカランカランと、下駄の音を鳴らしながらやってきたのは
ゆったりとした着物を着た少年だった。

「へへっ。最近このギルドに入った遊神のヒュートとは僕のことさ!!」

ヒュートと名乗る少年は得意気な表情でそう言った。

「・・・知らねえ」

「ええ!!うっそ〜〜ん!!ショック!!」

ヒュートは手で頬を押さえ、暗い表情をする。どうやら喜怒哀楽が激しい奴のようだ。

「・・・とりあえずそこどけよ。お前に構ってる程、俺は暇じゃないんだ」

カムイがそう言うとヒュートはこちらに怪しげな笑みを浮かべる。

「そう冷たい事言うなよ〜〜。さっき言ったじゃん?僕と遊ぼうって」

「!!!」

ヒュートの言葉が言い終わるのと同時にカムイとヒュートは結界の中に閉じ込められた。
カムイはその結界を断ち切ろうとするが、弾かれてとてもじゃないが無理そうだった。

「無理無理♪この中、プレイングゲームの中じゃルールの中でしか動けないよ♪」

「プレイングゲーム?」

「そ♪この中に入った者は強制的にルールの中でしか行動を行う事が出来ない。
そしてルールを決めるのはこれさ」

そう言うとヒュートの横に突然スロットマシーンが現れると、ルーレットが回りだした。
ルーレットが止まった時、カムイの前に『全身』と書かれたカードが現れた。

「最初のゲームは場所当てか。まあまあかな。・・・今、君の目の前に現れたカードに
体の部分が現れているだろう。今からはそこに書かれた部分じゃないと攻撃が通らないよ。
あ、因みに攻撃は通るけどダメージは一切受けないよ。

カードに書かれている部分に攻撃が当たると、カードに新しい文字が浮かぶ。
そしてまたその部分に攻撃を当てる。合計で3回、それを繰り返すのさ」

「・・・それがお前の言っていた従わなければならないルールって奴か?」

「そ♪それじゃあ、始めるよ!!」

ヒュートは真っ直ぐカムイに向かってきた。カムイもそれに対し太刀を構えて迎え撃つ。

「雷波!!」

空間を埋め尽くすほどの電撃をお見舞いする。するとカードに書かれた文字が
『全身』から『上半身』と移り変わった。

「なるほどな。カードが更新される度に攻撃対象の場所が狭まるのか」

「その通り!!」

—ガキン!!—

ヒュートは電撃の中から飛び出し、剣をカムイに振う。金属音と共に離れたヒュートの剣先から紐が
出ていて、それがカムイの太刀でと繋がっている。どうやら今の攻撃の間に付けたらしい

「独楽(つむくり)・綱渡り」

複数のコマが紐を渡りカムイの元に向かってくる。
その紐を切ろうとするが、どうやら特別な魔法糸で出来ているらしく通り抜けてしまう。
コマが太刀に当たるとコマが爆発を起こした。

「へっへ〜〜♪まずは一撃目・・・!!」

喜んでいる隙をついてカムイはヒュートに一撃を入れる。もちろん上半身に。
カードの文字が『右胸』と変わる。

「ずるい〜〜!!!人の喜んでいる隙をついて攻撃するなんて!!」

「はぁ!?」

普通戦闘中に油断している方が悪いのだが、それを感じさせない勢いで
ヒュートが批判した。見た目もそうだが、これじゃあ完全にお子様だ。

「もう怒ったもんね」

ヒュートが腰巾着に手を突っ込むとそこから取り出したのはバルーンだった。
そしてそれを膨らませると、熊の形に変えた。

「バルーンアート・ホワイトベア—!!」

小さな熊の風船が一変して大きくなってカムイを襲いだした。
カムイがそれを切ると熊は割れたのだが、中から粉末のようなものが出てきた。

「うっ!!目が・・・!!」

目に粉が入り、一瞬視界が消える。その隙にヒュートは近づくと攻撃をした。
カムイもそれに反応してガードするが、右肩に浅く斬撃が入る。

「これでお互い2回ずつだね。後一回だね」

「どっちの方がずりーんだよ。こんな粉使いやがって」

目を擦りながら今度はカムイが批判する。

「ふーーんだ。先にそっちがやってきた事だもんね。
もし君が卑怯なことしなければ僕だって使う気なかったもんね」

ヒュートは拗ねたように口を尖らせると、また腰巾着に手を突っ込んだ。
そして次に取り出したのはブロックだった。それを高速で組み立てていく。

「ブロック劇場・ファイターマン!!」

先ほどと同じような感じで大きくなると、カムイに向かってくる。そのブロックの攻撃は素早く、
本当のファイターのようだった。攻撃を避けながら斬撃を入れるが、今後のは固かった。

「どうだ驚いたか。これが僕の魔法、大型模型(ビッグチュア)の力さ。いけーー!!ファイターマン!!!」

ファイターマンの拳がカムイを捉える。カムイはそれを太刀でガードしたことにより、動けなくなった。
その一瞬をついてヒュートはカムイの背後に周り、最後の部分『右腿』を狙う。ヒュートは勝ちを確信した。
だが、カムイは落ち着いていた。

「雷太刀・旋渦!!」

太刀を裏手に持ち帰るとそのまま太刀を滑らせて、体を回転させた。
カムイを中心に電撃の渦が立ち昇る。

「うわああああ!!」

ヒュートはその攻撃に弾き飛ばされて地面に倒れこむ。その上にカムイが馬乗りになる。

「形勢逆転だな」

カムイはヒュートの右胸にそっと太刀を突き刺した。
辺りから試合終了の合図のようなものブザーが響く。

「くっそーーー!!負けたーー!!悔しい!!」

ヒュートが地団駄をふんで悔しがる。すると今度はカムイの傍にスロットマシーンが現れる。

「スロットを回しなよ。出た項目によって相手に与えられる効果が変わるから」

カムイがスロットを回す。しばらくすると回転スピードが遅くなり止まった。

『ダメージ効果  両腕  85』

「つっ・・・・!!!!」

項目が出た途端、ヒュートは苦痛の表情を浮かべ座り込んだ。

「なかなか良い運してるじゃん、君。因みに右の数字は相手に与える力を現すよ。
100が最高で最低は0。じゃ、次のゲームだ」

いてて、と言いながら立ち上がるとヒュートはまたスロットを回し始めた。
・・・今度出たゲームは

「『影討ち』・・・か。次のゲームは命を懸けるゲームになりそうだ」