二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 42話更新 ( No.151 )
- 日時: 2011/11/01 22:59
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
- 参照: http:/
42話〜最高のプレゼントを求めて〜
「はぁ〜〜〜〜」
カムイがカウンターの席で項垂れている。
「どうしたのカムイ。そんなため息なんか吐いちゃって」
それを見かねたミラが言った。
「レナの奴、まだ実家から戻ってきてないんだろう?」
「そうね。暫く休むって言ってたわ。なぁに、まだ喧嘩してるの?」
ミラは手を口に当ててクスクスと笑った。
ミラは以前のレビィとの依頼の内容を知っていて、二人の仲が乱れてるのを知っていた。
この休みもカムイから見れば、自分から離れるためのものとしか思えてない。
それでもミラが笑っていられるのは、ちゃんとした理由がある。
「原因はあなたの態度がだめだったからじゃないかしら?」
「だめって・・・別に俺は変な態度何か取ったつもりはない。
なのに勝手にレナが切れて・・・」
「・・・このままでいいの?」
ミラが腰に手を置いて言う。カムイはミラから顔を逸らすと
「いいわけないだろ」
カムイがそう言うと、ミラは満足げに笑う。
「じゃあ、ちゃんと仲直りしましょ。仲直りの切っ掛けを作るのはやっぱプレゼントよね。
女の子は異性からのプレゼント何かには弱いから」
「プレゼントって・・・何を渡しゃいいんだよ?」
「あら、あなたならレナの好きなものぐらいは知ってるでしょ?」
ミラの言葉通り、カムイはレナの好きな物を知っている。
「アップルパイか。だったらどっかで買って・・・」
「あら、こういうときは普通手料理でしょ?」
「・・・・・」
確かにプレゼントなら買うよりも作った方がいいのかもしれない。だが、それには問題があった。
「俺、料理なんてした事ないんだが・・・」
「大丈夫よ。そういう時は愛情があれば上手くいくものよ」
ミラがウィンクをしながら言う。こう見えてミラは結構大雑把なところがある。
「仕様がない。味は食材で誤魔化すか」
「だったらいいクエストがあるわよ」
ミラがそう言って渡してきたのは一枚の紙だった。
「・・・幻のリンゴ『ティア・アップル』を探せ。・・・・ミラ、狙ってただろう?」
カムイはミラを見るが、ミラは鼻歌を歌いながら別の仕事をしている。
カムイがため息をついてその紙をカウンターに置く。そしてクエストを受けるためフェアリーテイルを
後にしようとした。と、ある席で足が止まる。
「ナツ。一人で何してんだ?」
「んぁ?カムイか」
ナツが一人でぶすっとしながら座っていた。
「お前のチームは?」
「クエストだよ」
ふんっ、と鼻を鳴らして答える。
「お前はなんで行ってねぇんだ?」
「あんなちまちました仕事してられるか。俺はもっとこう、ドラゴンを倒すクエストとかをよ〜〜!!」
そう言うとナツの身体に溜まったいた何かが噴き出るように暴れ始める。
周りにいたメンバーが巻き添えを食ってしまう。
「それにしたってハッピーもいないのは珍しいな」
「ああ!?ハッピーはルーシィに魚の約束を受けて一緒に行ったよ」
「なるほど。じゃあ、一緒に行くか?」
暴れるナツにそう言うと、ナツが立ちどまった。
「どんな仕事だ?」
「幻のリンゴ探し」
「パス!!」
ナツが両手でばってんを作る。それを見てカムイは顎を摘まんで
「そう言うなよナツ。幻のリンゴって言うくらいだからすげー旨いんだろうーぜ」
そこでナツの耳がピクッて動く。それを見てカムイがさらに言う。
「依頼主の話しでもかなり絶品らしいから、依頼主の分とは別に食ってみようぜ、そのリンゴ」
ナツは舌舐めずりをすると、頷いた。
「そいつは楽しみだな。よ〜〜し、リンゴ食いに行くぞ!!」
——————————魔吸の森——————————
「ここにあんのか、その・・・幻のリンゴってのが?」
「ティア・アップル。美食家がこれを求めては命を落とした食べ物・・・。
結構深い場所にあって、近づく者は皆生気を吸われちまうんだと。
それでもなんとかそれに辿り着いて、口に出来た者は天国に昇る様な気持ちになる。
どっちにしても死んだような気分になるんじゃ、願い下げだな」
そんな話しをしていると、目の前に木の姿をした魔物が現れた。
そしてそれが現れたと同時に、二人は自分の身体に起きている異変に気が付く。
「魔力が・・・!!」
「生気って・・・魔力のことかよ。目の前のこいつが吸ってんのか?」
カムイが目の前の魔物を見る。すると足の部分が地面に埋もれていた。
「こんな奴ら俺のブレスで一発だ。火竜の咆・・・」
咆哮と言いかけたところでカムイがそれを制止した。
「あの木の魔物。足が地面に張り付いてる。たぶんあれは俺らの魔力を吸い取るために
置かれた分身のようなもんだ。一々相手にしてたら魔力あっという間になくなるぞ」
「じゃあ、どうすんだよ?素手でやろうってか」
「こいつらは無視だ。突っ走るぞ!!」
カムイとツナが駆け出す。すぐに木の魔物の脇をぬける。魔物は二人を追いかけようとするが、全く追いつけない。
その後も何度か同じ魔物が現れたが、二人は最小限の攻撃で仕留め奥へと進んでいった。
——————————フェアリーテイル——————————
ミラが何時も通りウェイターの仕事をしていると、そこに一通の手紙が来た。
手紙はレナからの物だった。それをざっと読むミラ。
『カムイの様子はどうだった?やっぱりまだ怒ってそう?
ってやっぱ怒ってるよね。私あの時一人で勝手に拗ねて先に帰っちゃったんだから。
カムイにその事について言われたくないと思って休み取ってもらったけど、
正直早く帰りたいな。早くみんなに会いたいし、カムイにも謝りたいし。
でもやっぱ何言われるか分からないから怖いな。
ごめんねミラ。こっそりカムイから何か聞いといて。それじゃあまた手紙送るね』
「まったく、二人とも変な勘違いしてるんだから。ふふっ、可愛いわね」
ミラはそう言うと自分も何か紙に文を書くとそれをレナへと送った。