二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  48話更新 ( No.178 )
日時: 2011/02/27 23:07
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

49話〜明かされるラクサスの野望〜




〜ギルド〜

「よせ!!!やめんかガキども!!!」

ギルドではマスターが叫んでいた。原因はギルドの皆が仲間同士で潰しあっているため。
ギルドの門の所では術式でB・O・FT(バトル・オブ・フェアリーテイル)の途中経過速報が挙げられていた。

「マックスVSウォーレン・・・勝者ウォーレン。ワカバVSマカオ戦闘開始。
カムイ5人抜き・・・・。町中に術式は張ってあるんだ。
それでみんな、戦いを強制されて・・・。これがラクサスの言ってたB・O・FT」

ハッピーもそれを眺めながら呟いた。なぜ、ハッピーがここにいるのかというと、

「ぐっそ〜〜〜〜〜!!俺も混ざりてぇ!!!何なんだよこの見えない壁はよぉ!!」

ナツがここにいるからである。ギルドの周りにはフリードが施した術式が張っており、ここのルールは
『80歳を超える者と石像の出入りを禁止する』というもの。
これのせいでマスターはギルドから出る事が出来ずにいた。

そして何故かナツもこの術式に阻まれて外に出れないでいた。
分かっていると思うが、ナツは80歳の老人ではないはずだし、石像でもないはずだ。

「混ざってどうする気じゃ!バカタレ!!」

マスターは今にも飛び出して行ってしまうそうなナツを押さえる。
だが、ナツの目は生き生きしたまんまだ。

「最強決定トーナメントだろ!これ!!」

「どこがトーナメントじゃ!!・・・仲間同士で潰し合うなど・・・・。
それにこのままではあやつらが傷つくだけでなく、石されたものたちが砂になってしまう。
砂になってしまったら、もう二度と元には戻らん・・・」

マスターが悲痛そうに石像にされた者たちと、経過の報告を眺めた。
それにナツは、なにも心配ない、とでも言いた気な笑顔を向ける。

「いくらラクサスでもそんなことしねーよ。ムカツク奴だけど同じギルドの仲間だ。
ハッタリに決まってんだろう?」

「ナツ・・・・」

マスターはナツの言葉に目を丸くする。ここまでのことを仕出かしているラクサスを、まだ仲間と信じている。
これ以上のことはしないと、信じ切っている。はたして自分に、そこまでラクサスを信じ切れることが出来るのか。

「じっちゃん!!」

と、そこにカムイがギルドに現れた。少し体に傷や、服がぼろぼろになっている。

「カムイ!」

「事情は大体理解出来てる。じっちゃんがここから動けねえ理由も。
・・・・・けど、どうしてナツもここにいんだよ!?」

「俺が知るか〜〜!!でれねぇんだよ!!俺は80歳以上なのか!!?
それとも石像なのか〜〜〜〜!!??ああ!!?」

「俺がそんなこと知るかよ!!・・・ところでじっちゃん。ラクサスは今どこにいんだ?
早く探し出して倒さねえと、不味いんだろ?」

「ああ。そうなんじゃが・・・・」

—ビビビ!—

と、また門に新たな報告が届いた。

—リーダスVSフリード・・・・勝者フリード—

「リーダスがやられた!!これじゃあ石化を解く薬が手に入らないよ〜〜〜」

ハッピーが情けない声を出す。と、ナツが言った。

「治すことねぇよ。どうせハッタリだから」

「ハッタリだと思ってんのか?ナツ」

突然ギルドに響く声。後ろを振り向くと、そこには一人の男性が立っていた。

「ラクサス!!」

「こいつが・・・ラクサス・・・・」

カムイは初めてラクサスの顔を見た。目の前のラクサスは思念体だが、
その強さはなんとなくだが、伝わってきた。

「つーか何でおめーがここにいんだよナツ」

「うっせぇ!!出れねぇんだ!!!」

どうやら、ラクサスもナツが出れないのは予定外の事だったらしい。
だが、ラクサスはすぐにナツから目線を外し、マスターを見る。

「どうだジジィ。自分のギルドの仲間・・いや、あんたはガキって言い方してたよな。
ガキ同士の潰し合いは見るに堪えられんだろ?
くくっ。ナツもエルザも参加出来ねえんじゃ、雷神衆に勝てる兵はいねえよなぁ〜〜」

「・・・・グレイがいるよ!!ナツと同じくらい強いんだから、雷神衆にも負けないよ!!」

ハッピーの言葉にナツちょっと待てと叫んだ。

「俺と同じだぁ!!?あいつが!?」

「だってそうじゃん」

ハッピーはあっさりと言う。それにラクサスはくくっ、と笑みを溢した。

「グレイだぁ?てめーら報告見てなかったのかぁ?どうやって勝つんだ??
すでにビックスローにぶちのめされてるあいつがよ〜〜」

「なに!?」

「そんな〜〜〜〜」

「ほら見ろ!!あいつが俺よりつえ〜〜なんてねぇんだよ!」

ラクサスの言葉にマスターとハッピーはマイナスの反応をしたのに対し、
ナツだけはプラスの反応をした。

「どうだジジィ?」

「・・・・わかった。もうよい。降参じゃ。もうやめてくれ、ラクサス」

「じっちゃん!!!」

マスターが降参を宣言した。ナツは納得がいかないようだが、ラクサスはさらに笑みを広げた。

「だめだなぁ・・・。天下のフェアリーテイルのマスターともあろう者が、
こんな事で負けを認めちゃあ。どうしても投了したければ、
マスターの座を俺に渡してからにしてもらおう」

「・・・・!!!貴様、初めからそれが狙いか・・・」

「さぁ、女の石像が崩れるまであと1時間30分。よーく考えな。
自分の地位が大切か。仲間の身が大切か」

ラクサスはそう言うと体がぶれ始めた。

「てめーー!!ラクサス!!汚ねーーぞ!!・・・・って、んがーーー!!」

ナツはラクサスに跳びかかったが思念体の上、更にもうすでに姿を消していたため、
ナツはそのまま壁に激突してしまう。

「思念体だって・・・・」

ナツのそんな姿を見て、ハッピーがそう呟いた。

「くっそーーーー!!ラクサスの奴!!俺と勝負もしねぇで何が最強だ!!
何がマスターの座だ!!」

ナツがそう叫んでるのを聞きながら、カムイはマスターに言った。

「・・・・・じっちゃん。取りあえず俺はもう行くぜ。早くしないと本当にやばそうだしな」

「ああ・・・・。任せたぞ」

マスターの言葉を受け止め、そのままカムイはギルドを後にした。

—B・O・FT 残り1:30 残り人数43人—