二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  49話更新 ( No.181 )
日時: 2011/03/10 22:54
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

50話〜カムイVSレナ〜




「まずはエルザたちを石に変えた雷神衆の奴を倒さなきゃな」

エルザたちを石に変えたのは雷神衆のエバーグリーンという女らしい。
そいつを倒せば取りあえず、エルザたちが砂になることはない。
カムイが辺りを捜索しながら走っていると眼の端にある光景を捉えた。

その場に駆け付けると多くの仲間が倒れていた。やられかたが皆同じだ。
おそらく同士討ちというわけではないだろう。ということは・・・・

「やりな!!ベイビーたち!!」

と、突然カムイの周りに不思議な五体の人形が現れて、カムイに光線を撃ってきた。

「雷太刀・旋渦」

雷の渦が光線を弾く。カムイが上をみると、一人の男がロープにぶら下がってこっちを見ていた。

「みかけねぇ顔だな。ひょっとして新人かい?」

「お前も雷神衆の一人か?」

「そうだよ。雷神衆の一人、ビックスローってんだ。だから俺と一緒に、っとおぉ!!」

ビックスローの言葉を言い終わらないうちにカムイはビックスローに傍まで近づき太刀を振るう。
ビックスローはロープから落ちることでなんとかかわす。

「エバーグリーンって奴はどこにいる?」

(うっひょーー!はえーな。ラクサスと同じ雷系統の魔法だが、スピードならラクサスよりあんじゃねーか。
こういうと時は・・・・)

「逃げるが勝ちってなーー!!」

ビックスローは人形に無差別に攻撃させ、辺りに砂煙を巻き上げさせ自分は逃亡した。

「ごほっ!ごほっ!・・・・待て!!」

砂煙から抜け出してビックスローを追おうとするカムイ。だが、ビックスローの姿はすでのない。
だが、近くにはいるはずだと思い。走り出した。

「カムイ!!」

暫く探していると、聞き覚えのある声がした。そちらを振り向くとレナがこちらに走り寄ってきていた。
術式の事もあるので、レナにこちらに来るなと言おうとした時、後ろから不穏な影が舞い降りた。

「レナ!!後ろだ!!」

「え?」

レナが後ろに振り返る。そこにはビックスローの人形がいた。そしてレナに向かって光弾を発射した。
直撃を受けるレナ。だが、人形は手を休めなかった。

「ベイビーたち!!ラインフォーメーション!!」

ビックスローが現れてそう人形に告げる。と、五体の人形が一列に重なり、刃状のエネルギーを発射した。
勿論、先の攻撃の直撃を受けているレナに防ぐ術はなかった。

—バチン!—

「ひゅ〜〜!!格好いいね〜〜〜。新人」

「・・・・カムイ」

「後ろから不意打ちなんて、格好いいじゃねーか。なぁ、ビックスロー?」

カムイはそう言うと太刀を構えて、ビックスローに向かっていく。
だが、ビックスローはにやにやしたままその場から動かない。
それを不思議の思ったカムイははっとなり、立ち止まる。

—ビビッ!ビビビ!!—

「術式!!?」

「うひゃひゃひゃひゃ!!じゃあ、お前らはそこで共に潰しあってな!!」

ビックスローは高笑いしながらそのまま去って行ってしまった。

「くそっ!!」

カムイはむやみやたらと術式の壁を切りつける。だが、術式は壊れる様子はない。
カムイは諦めてレナの様子を見る。

「怪我は平気か?レナ」

レナは撃たれた場所を押さえながらも立ち上がった。

「う・・うん。見た目ほど大きな威力はなかった」

「・・・・っち!じゃああの攻撃は、俺をレナに近づけさせる罠だったのか」

「・・・・ごめん」

「レナが謝ることじゃない」

カムイはレナにそう言いつつ、ここの術式のルールを見た。

—どちらか戦闘不能となるまでこの中から出られない—

「やっぱこういうルールか」

「どうしよう?」

「・・・・お前の魔法でどうにかならないのか?」

カムイの質問にレナは首を横に振った。

「ううん、無理。『術式を解除出来る存在』なんてイメージし辛いものじゃ、
上手く具現化できないし、それに本当にこの術式を解除できるほどの力は出ないと思う」

「・・・・・じゃあ、やっぱり・・・・・」

カムイが太刀を持つ手に力を込めて、レナと向き合う。レナもカムイと向き合う。

「うん。そうだね。お互い、譲れないところがありそうだもんね」

「そういえば、こんな風に本気でやり合うことなんてなかったよな」

カムイが少し嬉しそうに笑うと、レナも嬉しそうに笑った。

「うん。初めてやった訓練の時は私には全然力がなかったから。あの頃と今の私。
どれくらい違うかしる良い機会かも」

「悪いけど、時間はそんな残ってねぇんだ。最初っから飛ばしてくぜ」

「勿論私も。手を抜かせるつもりはないけどね」

「そんじゃあ・・・・」

カムイは足に力を込めると、真っすぐレナに向かって走った。
レナの魔法の発動に必要な言霊を言わす前に潰す気なのだ。だがレナは・・・・

「フレアドライブ!!」

「なっ!」

レナが放ったのは詠唱なしの魔法。出来なくはないが、その力は勿論詠唱ありよりは落ちる。

「そんなんじゃ、時間稼ぎにもならないぜ」

「放たれた火花は空気を支配し業火と化す」

「!!」

レナが放った炎の勢いが増した。レナは言霊を放った後に唱えることで、
より安定して魔法を放つことが出来るようにしたのだ。

「後述詠唱か。・・・・それでも」

カムイは立ち止まると、向かってくる炎を振り払った。

「前述詠唱に比べれば威力はまだまだだな」

だが、レナの攻撃はさらに続いた。

「火種は大気を取り込み爆炎と化す」

辺りにまだ残っている小さな炎がノッキングをし始め、次の瞬間爆発を起こした。

「ぐおっ!」

爆炎から逃れるカムイ。だが流れは完全にレナの方にあった。
レナからしてみれば、この流れに乗らない理由はない。爆炎が晴れた頃、更なる追撃を開始する。