二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  50話更新 ( No.184 )
日時: 2011/03/27 18:16
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

51話〜悲しき決闘〜




「地から生えし薔薇の棘 敵を刺し 地に飾れ

グレイブニードル!」

地面が盛り上がり、そこから槍状の岩を出現させる。
それを空中にかわし、体を捻ると剣を振るった。

「虎降雷!」

雷の大砲がレナに向かう。レナは高鳴る胸を落ち着かせながら唱えた。

「メタルウォール!」

目の前に金属の壁を出現させるレナ。それに虎降雷が当たると、地面に電気が走った。

「金属で上手く地面に流したか」

カムイが少し感心していると、武器になっているチーが少し悲しそうに鳴いた。
それにカムイが安心させるように言った。

「・・・・・そう言うなよ。俺だって、レナだって。
こんなやりかたでの戦いは本望じゃねぇよ」

—バキンッ!—

何かが砕ける音がしたかと思いレナの方を見ると、金属の壁が砕け散り、
辺りに刃状の金属が浮かんでいた。

「舞え 鉄扇の蝶

メタルスライス!!」

刃がカムイ向かって飛んでくる。カムイは目の前に手をかざす。

「雷光灼火!!」

電熱により刃が溶けて消えていく。カムイは全ての刃を防いだ瞬間に突っ込もうと剣を構える。と、

—ズパン!—

「なっ!」

カムイの肩が切れる。見ると刃がカムイの肩に突き刺さっていた。刃の向きからしてこれは、

「後ろからか!!」

そう言ってカムイは自分に舌打ちをする。
レナの魔法は心のイメージを現実に表す思想魔法。カムイの後ろに攻撃を仕向けることなど簡単なことのはずだ。
だがカムイは、目の前からの攻撃だけにのみ限定してしまい、視野を狭めてしまった。

「くそっ!」

カムイは無造作に刃を抜くとそれを投げ捨てた。カランッ!と高い音を立ててそれが地面に落ちる。
勿論刃にはカムイの血がべっとりくっ付いている。

「・・・・・!!」

それを見てレナは一瞬顔色を変えたが、すぐに頭を振り目の前にカムイに集中する。

「虎降雷!」

カムイが放ったそれをレナは先ほどと同じように金属の壁を出現させる。
だが、それは罠だった。壁を出現させた瞬間、既にカムイは真上にいた。

「一つのことを思っている内はもう一つはできねーよね!雷断!」

カムイが太刀を振り下ろし雷の刃を降らせる。レナは油断していた。
電気ならすぐそばにある金属の壁が避雷針となってくれるからである。
事実、雷断は軌道を変え金属の壁に落ちた。だが、カムイはにやりと笑った。

「雷鳴(かんなり)!!」

—ゴロゴロ—

雷?レナの耳に雷鳴が響いたと思った瞬間、金属の壁が放電し足元の地面が砕けた。

「きゃあ!!」

その衝撃で吹き飛ばされ、地面に叩きつけられるレナ。カムイが着地すると、僅かに笑った。

「油断は禁物だぞレナ。金属は電気は吸収してくれるけど、『音』は吸収しねぇぞ」

そう。カムイはレナを放電するときに発する音の衝撃波で吹き飛ばしたのだ。

「・・・・・カムイも・・・油断大敵だよ」

「??」

「時は遡り 再生する

リバース!」

—ゴロゴロ—

「ぐあああああ!!」

先ほどと同じように壁が放電し地面が砕ける。直撃を受けたカムイは倒れてしまう。

「・・・・・カムイ」

倒れているカムイにレナは目をやった。そして俯くと歯を食いしばった。

「・・・・やっぱやだよ。こんな・・・・こんな・・・・!」

強く拳を握りながら言うレナ。

「それが、お前の選んだ道だろ?」

「!!」

カムイはのろのろと起き上がる。体はぼろぼろでも目は強い光を発している。

「ギルドに入ったのも、俺と戦うことを選んだのも、お前が選んだ道だろ!
俺だって、チーだって!やるならもっとちゃんとした場でやりたかった。
だが、俺もお前も選んだんだ!!お互いに戦うことを!!!
悪いが俺は止まらないぜ、レナ!!」

カムイは剣を振るうとレナに向かって走った。

「いや、もう来ないで!!これ以上、カムイを傷つけたくない!!来ないでよ!!!」

—ズシュゥ!!—

「・・・・・え?」

「な・・・・・」

カムイの腹部を貫通する地面から突き出た岩の槍。周りに魔導士はいない。やったのはレナしかいない。
だが、レナは自分の顔を手で覆いながら顔を振るう。

「違う・・・・私はこんなの想像してない。どうして・・・・・何で・・・・」

「がはぁっ!!レ・・・・ナ・・・・!!」

—ズシャシャッ!—

「・・・・げほっ!!」

更に岩の槍から新たに岩の針が突き出て、カムイを襲った。

「・・・・・・」

カムイは声にならない呻き声を上げ、そのままがくっ、と首が垂れてしまった。

「いや・・・・・いやああぁぁぁあああぁぁあああぁぁ!!!!!!」

—ヴゥ・・・・ズズズズズズズ!—