二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 53話更新 ( No.191 )
- 日時: 2011/05/05 13:47
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
54話〜悪魔の暴走〜
「・・・・・カムイ!!!」
「うわっ!」
フェアリーテイルの医務室。そこに寝ていたレナが起き上がり叫んだ。
それを傍にいたレビィが驚いた表情で見ている。
「び・・びっくりしたーーー」
レビィは胸を撫で下ろし、落ち着くようにする。
レナは暫くぼうっとしていた。自分がどうしてここで眠っているのか分からなかったからだ。
記憶を辿っていると、突然頭に先ほどのまでの戦闘の記憶が鮮明に蘇ってきた。
自分がカムイを串刺しにする記憶。辺りが急に真っ暗になって更にカムイを・・・・
「・・・・・う!!」
「レナちん!!大丈夫!!?」
レナが頭を抱え込んで苦しそうにしているのを見て、レビィが心配そうに顔を覗き込む。
「う・・・うん。もう大丈夫。・・・・それよりカムイは??」
「え、カムイ?」
レナの問いかけにレビィは考え込んでしまった。
レナの表情から今カムイが酷い怪我を追ったままラクサスを追いかけているなんていったら、
今以上に慌てだすに違いない。
「カムイなら、今街で一般人の避難にあたってるよ」
「避難?」
そこでレビィは今の状況にレナに説明する。状況を理解したレナは頷いてこう言った。
「じゃあ、今カムイはそのラクサスて人を討つために街に出てるんだね」
「え!?・・・・違うよ。カムイは・・・・」
「ううん。嘘つかなくていいよレビィ。カムイなら絶対その神鳴殿を止める為に
ラクサスを追いかけてる筈。・・・・・ありがとうレビィ。気遣ってくれて」
レナはベットから出て、出口に向かおうとした。と、首筋に鋭い痛みが走る。
「駄目だよレナちん!まだ安静にしてなきゃ!その首の怪我、軽くないんだから」
レビィの言葉にレナはようやく自分の首に包帯が巻かれていることに気がつく。
それでもレナは出口に向かって歩き続けた。
「レナちん!!」
「ごめんね。でも、カムイだって私以上に酷い怪我を負ったままラクサスを追ってるんだよね。
だったら私も少しくらい無理したって皆の役に立たなきゃ」
レナは笑顔でそう言うとそのままギルドを出て行った。
————————————————————
—ズキン!ズキンッ!—
走るたびに首が痛む。それでもレナはギルドのために走り続けた。
すると遠くの方から轟音が響いてきた。見ると空に不思議な噴煙が立っている。
誰か戦っているのだろうか?そう思ったレナはその場所に行くことにした。
実際にその場所に行ってみると、ミラと倒れている緑髪の男が何か話していた。
レナは近くにいたカナとエルフマンに事情を聞いた。
緑髪の男の名はフリード。雷神衆のリーダーだ。初めはカナと戦っていたらしいが敗北。
その後エルフマンが参戦したが、フリードの残虐な猛攻にミラの中の魔人が目覚めた。
ミラが引退するまでの通り名は『魔人』。あのエルザと同等の力を持っていたらしい。
そのミラが使う魔法は接収・サタンソウル。その力でフリードを圧倒し、見事勝利。
そして今、『今』のミラが持つ優しい力がフリードを悟らせたのだ。
「ところで、レナ。あんたその怪我大丈夫なのかい?」
カナの言葉にレナは少し辛そうに笑みを浮かべながら頷いた。すると、
「姉ちゃん!!!」
突然エルフマンが叫んだ。見ると、ミラが苦しそうに胸を抑えていた。
それにカナが駆け寄る。
「ミラ!!どうしたんだい!?」
「カナ・・・。皆を連れて・・・・逃げて!!」
声を絞り出すようにミラが言う。と、ミラから強烈な魔力が放たれる。
それに吹き飛ばされるカナとフリード。ミラは立ったまま体を大きく仰け反りさせ、
体の一部が変わり始めていた。
「まずい!!魔力が衰弱した状態で急に魔法を使ったから、
ミラの中の悪魔が暴走を始めてるんだ!!」
カナはそう言うとカードを取り出し、それをミラに向かって投げた。
そえがミラを囲うように配置される。
「封魔の鳥籠」
カードから発せられる力がミラから放出される悪魔の力を抑え始めた。だが、
「ああああああああ!!」
更に強くなりカードが吹き飛ばされる。そしてミラも風貌も完全に変わってしまった。
まるで本当の悪魔のように変化してしまったミラ。
その目は完全に仲間と敵の区別が出来ていないようだった。
「くっ!まずいよ。私もエルフマンも戦える状態じゃあ・・・・」
「私が止める」
そう言い出したのはレナだった。それにカナが反対した。
「無理だよ!あんたは知らないだろうけど、ミラは元S級魔導士で・・・・」
「それでもやらなくちゃ!このまま放っておいたら、もしかしたら街に行っちゃうかもでしょ!!?」
「俺も手を貸そう」
そう言ってレナの隣に並ぶフリード。
「フリードさん」
「前を向け。来るぞ」
ミラは完全に二人を抹消の対象と認識したのか、二人に突っ込んでくる。
そのスピードは桁違い。二人は成す術なく、吹き飛ばされ壁に激突する。
そして今度の相手をカナたちと決めたミラがそちらに突っ込む。
「後ろへ飛べ!」
フリードは起き上がると二人にそう言う。それに従い後ろに飛ぶ。
もうすでに目の前にはミラが拳を突き出していた。
だが、それはカナの手前で阻まれる。と、カナたちの目の前に術式が現れた。
この街中に施されている術式はフリードによるもの。
どこに仕掛けてあるのかはフリードには全て分かっていた。
「闇の文字(エクリテュール)・加速」
フリードは自らの足に術式を施す。闇の文字は書いた文字が現実となる魔法。
それによりフリードは高速でミラに近づくとその体に術式を刻む。
「闇の文字・重み」
ミラの足元の地面が僅かに沈没する。だが、ミラはそれが効いていないかのようにフリードに攻撃をしかける。
(やはり一度書いた程度では効かないか。それに魔力も・・・・)
「シャインランス!!」
ミラの横から聖なる槍が飛んでくる。ミラはフリードを吹き飛ばすと、その槍を素手で受け止める。
少し手間取ったようだが、それをすぐにへし折った。
そしてミラは手に大量の集め始めた。それをレナへとぶつけるつもりなのだ。
レナはすぐに回避しようとするが、首の痛みが襲い足が鈍る。その瞬間をねらっていたのか、
その隙にミラ手に集めた魔力をレナに向けて放ったのであった。