二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  オリキャラ募集中 ( No.222 )
日時: 2011/09/19 22:42
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

58話〜戦いの意味〜




「それから俺は無い魔力の変わりに工夫と努力を重ね、ここまでの力を手に入れた。
魔力の才を持つお前らにも負けず劣らない力をな。
俺を変えてくれたのがラクサスだ。この恩は一生をかけて返す」

「ふ〜〜〜ん」

斬撃が飛び交う中、スザクラの言葉にヒュートは興味無さ気の返事をする。

「君さ〜〜〜。話から察するにまだ自分の力信じてないでしょ?」

「何?」

「変わるきっかけ作ったのはラクサスかもしれないけどさ、
実際に変われたのは君自身の意思じゃん?だから、君を変えたのは君自身ってわけ!」

ヒュートはスザクラから距離を取ると、更に続けた。

「結局君は自分の今の力を自分の力で手に入れたって思ってないんだよ。
どこかでまだ君は自分の力を信じ切れてないんだ。だから、何か事あるごとに
ラクサス、ラクサス言ってるんじゃないの?」

「・・・・・・・。もしそうだとしても、お前には関係のないことだ」

「あるよ!」

ヒュートの強い言葉にスザクラは一瞬気押される。
そしてヒュートは剣を構えると嬉しそうに笑みを浮かべた。

「やるからには全力で来てほしいからね。僕も全力。君も全力でぶつかった方が楽しいでしょ」

「・・・・・・・」

スザクラはヒュートの言葉を受け止めた後、僅かに笑みを溢し刀をしまった。

—キン・・・—

そして次に取り出したのは矛だった。長さでいったらスザクラとほぼ同じ大きさ。
だがヒュートが気になったのは刃の峰の部分に空いている3つの穴。
何かを填められそうな形状をしている。

「俺はお前になんと言われても自分のやることを変える気はない。
・・・・・・だがお前が全力で来るのなら、俺も全力でやるとしよう」

スザクラはそう言い言葉を切ると、ヒュートに向かって矛を突き出した。
余りの速さにヒュートは反応できず、その頬に血が流れる。

「竜槍・アルゲイナ。俺の持つ武器の中で一番の武器であり、俺の一番得意な武器だ。
俺がブリューナクの言われる由縁だ。次は当てるぞ」

そう言いスザクラは小さめの魔水晶を取り出すと、矛に空いている穴の内の一つにはめ込んだ。
すると矛が電気を帯び始めた。

「これは変わった魔法剣でな。魔水晶に込められた魔力を剣に帯びさせることが出来るんだ」

更にもう一つはめ込む。矛から迸る電撃にヒュートは唾を飲み込んだ。

「それが君の本気ってことだね。上等ーーーー!!」

ヒュートはそう意気込むと、スザクラに突っ込んだ。
それに合わせ、スザクラは矛を横薙ぎに振るう。先ほどよりも早い一撃。
それでもヒュートはそれを下に潜り込み交わすと、スザクラの懐に潜り込んだ。

「ブロック劇場・ジャイアントクラッシュ!!」

—ドゴォォォォン!!!!—

「!!!」

ヒュートが作ったのは拳の形。それが巨大化し、スザクラに攻撃した。
強烈な一撃にスザクラは一発で足がふらつき始める。だが、ヒュートは攻撃の手を止めない。
スザクラの上空にジャンプすると、またブロックを組み上げた。

「ブロック劇場・ジャイアントスタンプ!!」

スザクラの上空に巨大な足が出現し、踏みつけようと落ちてくる。
それにスザクラは冷静な趣で矛を構える。

「同じ手は喰らわん」

矛を上空に突き立てブロックを破壊する。そして上空にいるヒュートに目を向ける。

「雷牙空断!!」

空間を切り裂くような連続の突きを繰り出すスザクラ。

「ブロック劇場・ガードゲート」

「無駄だ!」

ヒュートの出した技は先ほど破って見せた技だ。その時よりも遥かに力のある今の攻撃を
防ぎ切れるはずがない。スザクラはそう思っていた。・・・・・・だが、

—ギギギィギギン!!—

ブロックは衝撃で吹っ飛んだものの、スザクラの突きはブロックを破壊することは出来なかった。
中から現れたヒュートが楽しそうに笑みを浮かべている。
それを見てスザクラは、怪訝そうに考え始めた。

(初めは反応さえ出来なかった俺の攻撃を二度目では見切り、ブロックの強度も先ほどまでとは
比べられないほど強固なものになった。初めを手を抜いていたとは思えない。この男は一体・・・・?)

そこでスザクラは先ほどヒュートが言っていた言葉を思い出した。

『やるからには全力で来てほしいからね。僕も全力。君も全力でぶつかった方が楽しいでしょ』

(・・・・・楽しい・・・・・か)

「・・・・・ヒュートと言ったな」

「何?」

「お前は戦っていて楽しいか?」

「勿論!!」

「そうか・・・・・」

スザクラはその言葉で納得した。この者は本当に単純に戦いを楽しんでいると。
相手が強くなればなるほど、自分も燃え、力が増していくということに。

「・・・・・・??」

ヒュートは動かないスザクラに攻撃していいのかどうか悩んでいた。
ようやくスザクラが動いた時、三つ目の穴に魔水晶をはめ込んだ。

「俺はなんと言われようとこれからもラクサスのために戦い続ける。
・・・・・・だがこの一戦、この一撃だけは俺のためだけに捧げよう」

矛に帯びていた電気が矛の切っ先一点に集まる。
さすがにあれを喰らえばヒュートもただじゃ済まない。
それでもヒュートは笑みを浮かべると右手を横に構え魔力を込めた。

「大独楽」

現れたのはヒュートの二倍はある巨大コマ。それがヒュートを中心に高速で軸回転し始めた。
それを見てスザクラが前に出る。と、同時にヒュートも前に出た。

「雷爪牙突!!」
「大車輪!!」

二つの魔法がぶつかると、その場を焼き尽くしそうな激しい火花が散った。