二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 21話更新 ( No.51 )
日時: 2010/03/06 13:29
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

22話〜信じる心〜




「カムイ!」

「カナ!無事だったか」

暗い道を進んでいくと逸れたカムイと出くわした。カムイはレナの見ると

「おいレナ。大丈夫か!?」

「安心しなよ。魔力使い切って気絶してるだけだよ」

カナがそういうと安堵のため息を放ち奥に続く道を見る。

「そっちに鍵らしき物はあったか?」

「いいや。そっちもなかったみだいだね」

「ああ。ま、進んでいけば見つかるだろう」

カムイたちが奥に進んでいくと次第に明るくなっていくのがわかった。

「大分明るくなってきたな」

カムイがそういうとカナは言葉の変わりにレナを渡してきた。

「交代。ずっと持ってて疲れたよ」

「おいおい」

カムイは困ったような顔でレナの顔を見る。あどけない寝顔で眠っている。

「なに見惚れてるんだい」

カナがにやにやしながらちゃかす

「誰も見惚れてねえよ。ただ良いのかなって思ってな。いくら魔力があるからって
こんな危険な目に会って。今まで散々辛い目に会ってきたんだから家族と楽しく
過ごしていた方が幸せだったんじゃねえかって」

少し暗い表情でいうカムイ。カナはそれを聞いた後

「レナが言ってたよ『カムイと一緒にいるだけでとても安心する。
ずっと独りで寂しいことすら感じられなかった私の心が、カムイといるだけでどんどん温かくなっていって、
温かい太陽に包まれているような感覚に似ている』って。

あんたはどうか知らないけどレナにとってはあんたは家族当然の存在になってんのよ。
レナにとっていなくちゃならない存在になってんのよ」

「レナがそんなことを・・・」

するとそこで火の明かりで満たされた部屋に出た。

「お話は終わりみたいだな」

「そうだね。ここは・・・」

『天下の封を解きし者よ』

何処からともなく声が響く。

「だれだ!?」

カナが叫ぶ。

『我は天上の封を守りし者。さぁ天下の封を解きし者よ、前へ』

「一体何のことだ」

カナがカムイに耳打ちする。

「俺は知らない。だが・・・」

『何をしている。早く前にでよ』

「俺が出る」

カムイが前に出る。するとカムイを足元から光が出る。

『汝はどんな事があっても我々を手に入れるといった。その覚悟、今も変わらぬな』

「我々?・・・そうかお前たちが天上と天下の鍵その物ってわけか。
・・・ああ変わらねえ」

『よろしい』

そると光の中から数多の鍵がカムイを囲むように浮かび上がってきた。

『その中に一つだけ本物の天上の鍵がある。一度だけチャンスをやろう。
但し外した場合は・・・・』

声が言葉を切ると今度はカナの周りに光が出る。

『汝の仲間が死ぬことになる』

「な、聞いてねえぞそんなこと!二人を離しやがれ!!」

『汝が我をとることが出来れば問題なかろう。さぁ選べ』

鍵は今もカムイの周りに浮かんでいる。この中から一つだけ本物の鍵。
チャンスは一度。外したらレナ達が死ぬ。
全てを見渡してもどれもまったく同じ形をした鍵だ。違いなんて無い。

『さぁ、どうした。安心しろ。もし外しても仲間が死んだ後渡してやる』

声が意地悪そうに笑う。

「ふざけんな。仲間の命を犠牲にして鍵を手に入れろっていうのかよ」

『どんなことがあっても鍵を手に入れると言ったのは汝だ。その言葉が本当なら
仲間などどうなってもいいのではないか?』

「カムイ!!相手の言葉に呑まれてんじゃないよ!!」

カナが叫ぶ。

「私はあんたを信じてるよ。適当にどれでも取りな。悩んでたって分かるもんじゃないでしょ」

「だが外したらお前らが・・・」

「言っただろ、あんたを信じてるって。私もきっとレナも、あんたが失敗するなんて微塵も思っちゃいないよ」

カナが笑顔で言う。自分の命を人の手に委ねられているのにあの余裕。
これがフェアリーテイルか。カムイは改めてこのギルドの絆を思い知らせれた。
カムイは決心を決めると鍵の一つに手を伸ばす。

『それで本当によいのか?』

その言葉にカムイはにぃって笑うと。

「俺の仲間が俺のことを信じてくれてるんだ。それにカナの言うとおり考えてても始まらねえ。
俺はてめえをとって仲間を殺させねえ。覚悟しとけよ」

そして大きく深呼吸をすると鍵を一つ握り締めた。