二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 24話更新 ( No.90 )
- 日時: 2010/05/10 19:17
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
25話〜幽鬼の支配者〜
「・・・・」
カムイがベットから起床する。今カムイは自分の部屋にいる。
あの後ミラに起されてチーはそのまま置いてきて家に帰ったのだった。
朝食を済ましギルドに行くために外に出る。すると、何やら外の様子が騒がしい。
一体どうしたのかと思い、町人に聞いてみることにした。
「なあ、何を皆どたばたしてるんだ?」
「ああ、あんた。フェアリーテイルの魔導士さんだね。大変な事になってるよ!」
刺青をみて判断したのかそう言ってくる。
しかし大変な事になっているとはどういったことだろう。あのギルドはいつも大変なことになっているが。
そう思ったカムイだが、次の町人の言葉で思考が停止させられる。
「ギルドが何者かによって滅茶苦茶になってんだよ。あんたも直ぐにいったほうがいいぞ」
〜ギルド前〜
「な・・なんだよこりゃあ・・・」
想像を絶する状況に言葉を失う。今まで建てられていた自分たちのギルドには
巨大な鉄棍が幾つも突き刺さっていて、見るも無残な姿に変えられていた。
フェアリーテイルの地下がまだ生きているということなので、行ってみると皆がいた。
「あ、カムイ」
そう言って寄ってきたレナの目は僅かに潤んでいた。カムイはマスターの元に向かう。
「じっちゃん、あれは誰の仕業なんだ」
「・・・幽鬼の支配者(ファントムロード)よ」
マスターの代りにミラが答える。やはりその顔は沈んでいた。
「ファントムって確かフェアリーテイルと同じくらいに戦力を持っていて、
こことは仲が悪いって有名なところだよな」
「ええ、そうよ」
カムイの拳で怒りで震える。いくらまだこのギルドに入って間もないとはいえ、
すでにカムイにとっては家族当然の場所だった。
「まあまあ落ち着きなさんよ。そんな騒ぐほどのことでもなかろう」
「な・・・」
話によれば、襲撃に遭ったのは昨晩。誰もいない時にギルドは狙われたので
怪我人は一人もいなかったらしいが・・・
「建物なぞいくらでも立て直せる。ワシらのギルドは形ではなく、皆がいるというとこにあるんじゃ。
この言葉の意味、分からんお前さんじゃなかろうて」
そう言ったマスターの顔は子供を励ます親そのものの顔だった。
その言葉にカムイも大人しくなった。
その日の晩、ファントムの件もあってしばらく皆と一緒に過ごすことになった。
ということで、カムイは今レナとミラの部屋に泊まりに来ている。
カムイの部屋じゃ、さすがに3人は寝泊まれない。
カムイはあの場では収まったが、まだ襲撃の件の対処については納得はしていなかった。
初めてみるカムイの苛立ちの表情に、自然とレナも暗くなる。
「ファントムがフェアリーテイル(俺ら)と同じくらいの戦力ってことはあっちにも
相当な魔導士がいるのか?」
今まで黙っていたカムイが独り言のように話した。
「ええ、マスターと同じ大陸最高の10人の魔導士『聖十大魔道』の一人、マスター・ジョゼ。
S級クラスの魔導士にあたるエレメント4。そして今回の主犯とされている
鉄の滅竜魔導士、鉄竜(くろがね)のガジル。ここら辺が主力メンバーね」
滅竜魔導士と言う言葉に反応するレナとカムイ。
「ナツと同じ魔法・・じゃあやっぱり鉄とか食べちゃうのかな?」
「さぁ、実際に見たことないから分からないわね」
「そっか。ところで、カ〜ムイ♪」
レナが突然カムイに突撃する。シリアスになっていたカムイだが、一気に苦悶の表情に変わる。
「さっきからず〜と怖い顔して」
「〜〜〜〜〜。お前・・・」
ミラがさっきまでレナが飲んでいたコップの眺めた後、困った表情で
「お酒・・・入ってるわね」
「・・・・・・」
もう返す言葉もないといった感じで肩を落とす。だが、レナのテンションはマックスだった。
「そんな顔しててもいいことないよ♪一緒に遊ぼ♪」
「もう、寝ろ!!」
その言葉は命令よりもほとんど懇願だった。
「はぁ、はぁ、ったく。酔っ払ってるのに何でこんなすばしっこいんだ」
あれから1時間レナは暴れるだけ暴れて最後は疲れて眠ってしまった。
「ご苦労さま」
「今後一切、レナには酒を飲ますなよ」
カムイはそういうと、フラフラと自分の布団の元に向かった。
「もう寝るの?」
ミラの言葉にカムイは
「もう疲れた。それにレナにすっかり毒気抜かれちまったからな、お休み」
と、言葉だけで反応して、眠りに就いた。
次の日の朝、起きたカムイはもうミラがいないことに気づく。もう出勤しているのだろうか。
そんな事を思いつつ窓から外を眺めるとまたも町がざわついている。
いやな予感がしてレナを起し、騒ぎの原因の場所に向かった。
〜マグノリア 南口公園〜
ここには中心に大きな木が一本植えてあるのだが、そこに人々が集まっている。
そこにいたのは、体中がぼろぼろと張り付けにされたレビィ、ジェット、ドロイ。
3人ともフェアリーテイルの仲間だ。
レビィのお腹にはファントムの紋章が記されていた。
そこには、エルザやナツ、グレイ、ルーシィを他仲間達が集まってきた。
そんな中、マスター・マカロフが現れる。マスターは何も言わずとも
おのずと人が左右に分かれ、道を作った。マスターは3人を見た後
「ボロ酒場までなら我慢できたんじゃがな・・
ガキの血をみて黙ってる親はいねんだよ・・・」
杖を強く握りしめ、砕く。
「戦争じゃ!!」