二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.125 )
- 日時: 2010/04/12 19:17
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で /3月9日
■━━…参四
高く真上に飛び上がり、指に挟んだ大量のメスや注射器を思いっきり泉菟に投げつける有城。
泉菟はそれを風を巻き起こし回避するが、四方八方から飛んでくる全ての器具を、避けきる事はできなかった。
背中や腕に突き刺さるメス。
鋭い痛みが泉菟の体を蝕んでいく。
泉菟の動きが鈍った時、有城は構えていた注射器やメスを下ろす。
泉菟が不思議そうな表情をすると、有城はふうとため息をついて言った。
「…何度も言っているが、お前が何もしなければ俺は何もしない。逃げようとしなければ俺も追わない。なのに何故抵抗を止めないか」
暫くの間沈黙が流れる。
泉菟はただ荒い呼吸を繰り返しているだけで、何も答えようとはしなかった。
激しい戦闘のせいで廊下や天上、医務室の中はボロボロだ。
床や壁にも亀裂が入り、所々大きな穴もボッカリと開いている。
有城は泉菟を見つめた。
そして、やっと泉菟は口を開く。
「銀時が…仲間が殺されると聞かされて…、動かぬ方が狂っているのだ………。ゲホッ、我は貴様を倒し…銀時を助けてから、晋助を殴りに行こうと思っている…」
その眼は、有城を見据えてはいなかった。
ハァとため息をつく有城は、嫌そうに白衣の内ポケットから大型なナイフを取り出す。
そして、勢い良くブンッとナイフを指先から発射させた。
思いっきり泉菟の腹部に刺さるナイフ。
口から血を吐き、倒れようとする泉菟を、床に伏す直前に有城が抱きとめる。
意識は微かにだがある。
有城は泉菟を抱きかかえ、荒れ果てた医務室にへと連れて行く。
他から見たらお姫様だっこ状態。
乱暴に泉菟をベッドに寝かせ、服を剥ぐ有城。
そして、白衣の裏から消毒液やらを取り出す。
泉菟の意識は朦朧としていた。
そんな泉菟に、有城は言う。
「仲間の危機に動かぬ奴は狂ってる、とお前は言ったな。だが、仲間を信じてやれない奴もどうかと俺は思うぞ」
消毒液が入ったビンにガーゼを浸し、泉菟の傷口に当てた。
『…っつ』
沁みる痛さに顔を歪ませる泉菟。
そして、そこで泉菟の意識はぷつんと切れた。
■━━…