二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.14 )
- 日時: 2010/01/15 19:04
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━・・・九
夜。
外は大雪。大荒れ。大風。
ゴウゴウと鳴ってて、今にも俺の部屋の窓は外れそうだった。
俺は体の熱が異常なくらい熱いのと、頭の中がグラグラしてる違和感で眠れずに、起きた。
『あ……? ンだこりゃ…』
頭痛ェ。
ガンガンする。ダルい。
時計を見ると、針は1時半を指していた。
そういや、医務室の先生は昨日から新しい薬買ってくるために江戸から出てたな。
やべェ。誰にも見てもらえないじゃん。
もう、誰も起きてないと思うし。
あーもう、体火照ってる。本当にヤバい。
そんな事考えながら、俺はとりあえず水欲しさに力が入らない体を鞭打って、部屋から出た。
廊下に出ると、そこが本当に廊下なのかっていうぐらい壁や床が歪んで見えて、さらに気持ち悪くなる。
『ッあ…、ちくしょッ…』
ズリズリと床を鳴らして、俺は食堂に向かう。
少ししか歩いてないのに、ハァハァと息も切れてきた。
熱い。死にそうなくらい、熱い。
どうしよう。水飲む前に、倒れちまうかも。
誰かに助けてもらおうか。いや、皆寝てるかな。
そんな事言ってる場合じゃないか。
また子、は部屋遠いし…
武市と万斉は医務の先生と一緒に出かけてるし?
似蔵なんかには絶対頼りたくない。
隊士達なんかに頼るのは副首領の面目丸つぶれもいいとこだ。
そんな事考えてるうちに、霞んでくる意識と視界。
これはヤバい。死んじまう。
俺はもう半分意識を飛ばしながら、ズルズルとその場に倒れこんだ。
そこは、偶然だったら凄い奇跡だと想うんだけど、兄貴の部屋の前だった。
■━━・・・
高杉は、深夜、廊下からする妙な音で目が覚めた。
ズルズルと何か引きずる音に加え、ガタガタッと何かがなる音も聞こえる。
なんだァ・・・? と眉間に皺を寄せる高杉。
ふつふつと殺気が沸いてくる。というか、もう目に見えるくらい高杉の周りを濃い殺気が取り巻いていた。
大体こういうタイプは寝てるとこ邪魔されると怒るよね。
高杉は枕元に置いてあった刀を持つと、音がする廊下へ続く自分の部屋のドアを、ゆっくりと開けた。
そこで、高杉は予想していなかった物を目の当たりにしたのだ。
そこに居たのは。
『……ッあ、兄貴…?』
顔がとても赤く、目も潤んで、辛そうに荒く息をする、稜弥だった。
高杉は驚きで目を丸くする。
稜弥は高杉を2秒間見つめた後、糸が切れるようにその場に倒れこんだ。
「・・・! オイ、稜、しっかりしやがれ」
そう投げかけてみても、返事は無い。
高杉はとりあえず稜弥を自分の部屋まで運ぶと、静かにドアを閉めた。
■━━・・・