二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.3 )
日時: 2010/01/15 18:51
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・壱



「お願いしますッ!! 俺、昔から攘夷志士に憧れてて!! 皆さんと一緒に、この国を立て直したいんですッ!!」

彼の名前は山崎退。
真選組の密偵であり、只今隠密任務を遂行中だ。

過激派攘夷浪士達の中心組織、鬼兵隊に潜入し、次のテロ内容を炙り出すというもの。

「いきなりンな事言われてもよォ…、高杉様や武市様に聞いてみねェと・・・」

「その前に攘夷志士なんててめーみてェな甘っちょろい若造になれるわきゃァねんだよ! 帰れ帰れ!」

しかし、任務遂行といっても潜入できなきゃ意味が無い。

鬼兵隊宙船(そらふね)の門番2人は、なかなか山崎を通してくれないのだ。

桂の時と違ってさすが過激派攘夷衆というところか、簡単には潜入できいのである。

必死で頭を下げても、そう簡単に入れない事は山崎も承知の上で望んだつもりだったが、予想以上に疲れるものだ。

「頼みます、俺、雑用でもなんでもしますから…」

何分かが経過し、山崎がブンッと大きく頭を下げた、その時だった。


『ねぇ、何してんのお前等』

甲板の柵から身を乗り出した、1人の少年らしき人物が、ニヤニヤとした顔つきで山崎達を見下ろしていた。

「りょっ、稜弥様ァア!!」

「危ないですゥゥ! またそんな事してェェ!! 降りてきてくださいィィイ!!」

すると、門番の志士達は今までと血相を変えて、その青年に大声で言った。

『えー、降りるのー?』と不満げな口調の青年は、グッと足に力を入れ。

次の瞬間。

掴んでいた柵の柱を放し。

ピョンッと甲板から、なんと飛び降りたのだ。



「あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛!!! 稜弥様ァァァア!!」

「何してんすかアンタはァアアア!!」

志士達はあんぐりと口を開け、もう海に落ちる寸前の青年に向かって叫んだ。

山崎もただポカンとしているだけであった。


しかしだ。


ザバアアア!! と大きな音を立てて上がった水飛沫と波が、門番達と山崎にかかったせいか。

なかなかその稜弥と呼ばれた青年の姿が見えず、ついには見失ってしまったのである。

海を見やっても、稜弥はなかなかあがってこず、ついには5分が経過した。

「ちょ、ちょっと、これあの人沈んじゃったんじゃ…」

山崎は不安そうに門番の1人に話しかける。

「お、俺ァ知らねェ、稜弥様が勝手に…」

門番のうちの1人は冷や汗をダラダラと流し、動揺を隠し切れずにいる。
その目はもう泳いでいるどころかクロールを始めそうな勢いだ。

「おいテメェ!! 一人だけ逃げようってんのか!? これが高杉様にバレたら、俺ら打ち首どころか惨殺刑に…」

もう1人の志士が言い終わらないうちに。

『えー? いくら兄貴でも惨殺刑にはしねーと思うよ? だって、俺の兄貴だもん』

またあの稜弥の声が、どこからともなく聞こえてきた。


2人の門番は、

「「うわァァァァア!! 稜弥様が化けてでたァァァアア!!!」」

と涙をザァザァと滝のように流しながら、船内へと全速力で逃げていった。


『んー? 行っちゃったなーオイ』

稜弥の声はその呟くと、

『おい、そこの、お前は何しに来たの? ま、聞いてたけどね』

と小憎らしく山崎に言い放った。


山崎はどこから声が聞こえてくるのか分からず、ただキョロキョロと周りを見渡していた。

「(何だアイツ、海に沈んだんじゃないのか!?)」

山崎の頭はただそれだけで、少し混乱していた。

下や上、左右もよくよく見回したが、さっきの青年の姿は見られない。

ヤバイ、どうしよう、山崎の頭はただただ混乱するだけだった。


『おまっ、こんだけ近づいても気付かねーなんて志士としては致命的よ? すぐ殺されちゃうよ? ほら、首元見てみろよ』

その声にハッと我に返った山崎は、首元をそっと見てみた。

山崎の背筋は凍るようにゾッとした。

山崎程の手練(てだれ)は、自分の後ろに相手がいれば即気付き、武器を当てられよう物なら即座に反撃するのだが。


山崎の首元には、紫色に妖しく光る弓矢の刃が突きつけられていた。

「お、お前は…」

『あー大丈夫だから、殺さないって。それよりさー』

稜弥は山崎の首元とから弓矢を放した。

そして、山崎の前に出て来た。


『さっきの聞いてたよっと。ここに入りたいんだってね。別にいいぜ? あー因みに俺の部下だけどね』

その容姿は、体が華奢で、美しい紫の髪をした、青年じゃなく、女だった。

山崎は目を丸くして稜弥を見つめる。

『山崎っていったっけ? これから宜しくな。俺の名前は高杉稜弥。高杉晋助兄貴の妹だよ。一応、運動神経には自信あるからさ、お前が着いてこれるか心配だけどさ』

稜弥はニコッと微笑んだ。
山崎は無事に潜入捜査を遂行出来ることができるのか。

山崎は、これから不安でいっぱいである。


■━━━・・・・・・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.4 )
日時: 2010/01/15 18:52
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・技術説明

ここではこの小説内の稜弥や泉菟が使う技術の事を説明します。
実際に言えば絶対ありえない事です(^q^)

少し説明致しますが、断固有り得ない事なので、絶対に真似しないで下さい( ´・ω・)


第壱話━━
稜弥の運動神経は、攘夷一と謳われています。
剣の腕も随一で、下手すれば沖田より強いかも、という設定です。
稜弥が船から飛び降りた瞬間、稜弥は背か35~50本ぐらいの弓矢を取り出し、一気に海へ打ちました。
そのせいで水飛沫というか、大きな波が起こります。
それで出来た水の穴を利用し、今度は先ほど打った弓を足場代わりにして、山崎達が立っている所に飛び移ります。気合と根性で。
稜弥私用の弓矢はとことん長いです。
海に突き刺さります。


■━━・・・用語説明

ここでは俺が作った用語を説明致します

鬼兵隊宙船…
鬼兵隊の軍艦です。
ただググったりしても名前が出てこなかったので、俺が命名しました( ´・ω・)

意味は、宙も飛べるから、という理由です( ´・ω・)
水陸両用ですね!!



まだとことん増えていくかも

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.5 )
日時: 2010/01/15 18:53
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・弐


『で、ここが会議室で、あっちが甲板な。船の中は大体これくらいだからよ、今日は俺が呼ぶまで部屋帰ってろ。さっき教えただろ?』

大体船の中を山崎に案内してやった俺は、そう言って休むように促した。
部下が出来たのが始めてで、凄く今嬉しいんだ。

俺に任せると滅茶苦茶にされていけないって、武市とか俺に部隊任せてくんなかったからさ。
まぁ現に山崎を部下にしたっての内緒だからな。

山崎は元気よく「はいっ」って言って、俺がさっき教えた自分の部屋に行った。

上司になったからには、とりあえず部下に好かれて尊敬されるようになりてーな!

あー嬉しい!
ここでリンボーダンス踊れるくれェ嬉しいよ!
踊ろうか? もうここで踊っちまうか?
アハハー・・・テンション上がりすぎて怖いわ俺・・・
こんな昼間からこんな気持ち悪いテンションでいいのか?

『これでやっと兄貴に馬鹿にされずにすむぞー!!』

俺は大きく手を広げて、万歳の格好になった。
しかし。

「ククク…、随分と妙に騒がしいじゃねェか、稜」
後ろから、俺が随分と聞きなれてる腹立たしい声が聞こえてきた。

俺は思わず『げっ!!』と阿呆みてーな声を出す。

俺が振り返ると、そこには。
女物の着物着て、煙管を吹かして、妙にエロスオーラが出てる。

『兄貴・・・』
俺の兄貴、
高杉晋助が、ニヤニヤとしながら俺を見てた。

『い、いつから見てた?』

「見かけねェ顔の奴が返事した所から」

『ほとんど全部じゃねーか!!』

ビシッと突っ込む俺に、兄貴は冷ややかな目をした。
うわ、傷つくよ、俺。

ククク、と笑った後、兄貴は煙管を吹かした。

「テメェに部下なんて必要ねェだろ? 何故俺の了解も得ずに勝手な事してやがる」

紫色の煙をフーッと吐いて、俺に低い声で言った。

『必要ない事はねェよ! また子や似蔵はたくさん部下持って、その上部隊だって任されてるじゃんか!』

「お前は鬼兵隊の副首領だ。腐るほど部下持ってんじゃねェか」

『それは兄貴もだろ! 俺は、俺だけの部下が欲しいんだ! それに、他の奴等は・・・』

はっ、と我に返った俺。
今、ここで兄貴にいろいろぶつけても、何もなんねェし。
俺は一旦心を落ち着かせた。

『・・・いや、別にいいよ。でもアイツは、山崎は俺が一番に見つけたんだ。俺がアイツの上になる』

兄貴にそう言うと、俺は兄貴の横を通って、奥の扉を開けて甲板に入ってった。

■━━・・・

兄貴が俺の事、信用してくれてるのは分かってる。
俺に部下なんて持たせなくても、一人でなんでもやってのけるって、信用してくれてるとは思ってるよ。

でも。俺は。
兄貴みたいに、人に頼られたことが一度もない。
兄貴は皆に頼られるけど、俺は「鬼兵隊の副首領」とか「高杉晋助の妹」って、名前だけで飾られる。
それで皆、俺の実力も知らないくせに、余所余所しく敬語使ったりするんだ。
俺はそれが嫌だ。確かに学なんて俺には無いよ。
兄貴みたいに作戦なんて立てられないし、武市やまた子みたいに大勢の人間を纏められる能力も無い。
けどさ。俺だって強いよ。
皆に頼られるような、凄い人間になる素質はあるはずなんだ。きっと。

人を、部隊を、任せられないのは何故なんだろう。
何回も思ったけど、答えは見つからないし。

でもさ。1人の人間ぐらいに、頼られたい。
尊敬されたい。歓心されたい。






俺は憎いほどの青空を仰ぎ見て、深すぎるため息を吐いた。






■━━・・・・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.6 )
日時: 2010/01/15 18:54
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・参



『…武市さ、もーちょい分かりやすいように説明してくれたら俺嬉しいんだけど』

「それもう5回目ですよ。これでも私頑張って分かりやすくしてます」

鬼兵隊幹部会議中、稜弥はぐむむと不満げな声を上げた。

『だって何喋ってるか分からないんだもんー!! 何!? 拡散!? カクサンって何!? 薬!?』

「兵を拡散させる」の意味がもはや分かっていない稜弥。
今度行うテロの事で、鬼兵隊内の重要義務を任されている幹部達が集まって会議しているのだが。
稜弥のせいで一向に進まないのである。

夜な夜な繰り返される会議に対してストレスが溜まっているであろう幹部達にとって、使えない副首領はストレスの権化である。

「稜弥様、あとで俺達が分かりやすくうさちゃんとかでお教えしますから、今日のところは部屋帰ってください」

隊士の一人が稜弥に優しく言うと、稜弥は

『うさちゃんって何だアアア!! 何さ! 俺だって頑張って理解しようとしてるのに! 皆俺の事邪魔者扱いしやがって! いーもん! あとでまた子にねこちゃんで教えてもらうもんンン!!』

と言いながら会議室を飛び出してった。

「稜弥様ァァア!?」と来島また子は稜弥を追おうとするが、武市に止められた。

「・・・結局、ねこちゃんじゃないスか・・・」

先の隊士の一言のあと、辺りはシンと静まり返ったが。

「……で、続きは」

という高杉の一声で、また会議は開始されたのである。




「(…なんだこの会議、むちゃくちゃじゃないか)」

そう思うのは屋根裏で捜査をしていた山崎だった。
黒い忍服に身を包んだ姿は、さながらどこかの痔忍者を彷彿とさせる。

天上に1,2㎝ぐらいの穴を開け、そっと見ていた。

「(攘夷一と謳われているなんて聞かされてたから、凄い奴に着けたと思ったのに何一つ出来ていないじゃん、あの人)」

あの人とは言わずもがな稜弥の事である。

嗚呼、こんな過激派攘夷集団にも平和ボケしてたのが居たんだ。

山崎は少し馬鹿馬鹿しくなってくる。

ため息を吐いたあと、山崎は捜査に戻った。

そして、驚くべきことを耳にしたのである。

「では来週、真選組屯所爆破テロ、実行に移すことにしましょう」



■━━・・・・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.7 )
日時: 2010/01/15 18:56
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・四

『やーまーざーきー!! 聞いてよー!! 俺会議室追い出されてー………、って、あれ?』

山崎の部屋の扉を、ノックもせずガラァッと開けた半ば涙目の稜弥。

しかし、そこはもぬけのから。
辺りは山崎の影も形も見えず、ただシンとしていた。

『なんだアイツ、どっかに行ったのか……?』

今日は俺が呼ぶまで部屋にいろ、と言ったのに。
稜弥は少しイラッとくるが、頭を振ってその思考を掻っ消した。
稜弥は戸を閉め、ボウッとしたまま歩き出した。
そうだ、俺一人で真選組を潰しに行こうかな。
そんな馬鹿げた事考えて。


『(いや、マジで潰そうかな)』


■━━・・・・・・

「!!?」

山崎は思わず目を見開く。

そんな計画を練っていたのか。
今までの会話から、そんな事は一切感じ取れなかった。
真選組屯所爆破テロ。
大胆すぎる強行、いや、狂行。

こんなのがあの町中にある屯所なんかにされてしまったら、江戸一帯はパニックになる。

「(これは大変な事だ、これは早く、局長に知らせないと・・・)」

山崎は屋根裏からそっと出ようとした。
しかし。
運が悪かったのだろう。
ガタタッと山崎の肘が、ある柱に強めに当たってしまい。
大きく目立つ音が、会議室に鳴り響いた。


「でけェ鼠がいるようだなァ…、ククク」

高杉がそう笑う声が聞こえた。

「……ヤバい」

山崎はそう言うしかなかった。

「曲者だァ!!」

「捕まえろォ!!」
会議室に居た者の大半は、天上に向かって攻撃を繰り出した。
来島は1発、また1発と銃弾をガンガン天上に撃ち続けていた。
山崎は屋根裏の片隅に寄り、何とか事なきを得て居た。
さて、その銃の音や刀が出す音が一気に鳴り止むのは、この一言の2秒後である。

ダダダッと廊下を1人の隊士が走ってきた。


「た、高杉様ァ! 皆さん! 大変です!!」

その顔は青く、冷や汗と思える水滴を額いっぱいに滴らせ、とても重大な事が伺える。


「どうしたんですか、そんなに騒ぎ立てて」

武市が力ある目でその隊士を見つめると、隊士は切れ切れとした息を整えながら言った。


「稜弥様がッ! 稜弥様が、今から真選組を1人で壊滅させに行くって、俺らの言う事なんて気にも留めずに、ついさっき一人で出て行ってしまったんです!!」

さて、先に言ったように、先ほどまで鳴り響いていた騒音は、この一言の2秒後、ピタリと鳴り止んだ。


■━━・・・・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.8 )
日時: 2010/01/15 18:57
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・伍


ザッ、とアスファルトを鳴らした。
今宵は肌寒く、稜弥は白いマフラーを巻いていたが、それでもまだ寒かった。

『・・・夜に出てくるんじゃなかったなァ、すげェ寒い』

稜弥はボソッと呟いてみるが、もう夜もとっぷりと更け(ふけ)、灯り一つ着いていない状態のこの町。
皆寝静まってるんだろう。

『昼間に出てくるべきだったわコレ、いやでも明日は・・・、あー帰りたい』


〝俺ちょっと真選組に殴りこみ行ってくるわ"

〝ちょ、何言ってんですか稜弥様、駄目に決まってるでしょ!!"

〝何だよテメェ、俺が信用できねェってのか!!"

〝そうじゃなくて、どのみち俺らと行くんですから・・・"

〝お前等と一緒じゃ意味ねーの! 安心しろ、ちゃんと戻ってくるから!"

なんてやり取りがあった為、今から戻るのは何かこう…恥ずかしい?

俺は悪くないのに、俺が恥ずかしくなるのは嫌だ。
と、意味の分からない考えが頭にボンッと浮かぶ。

気温がどんどんと下っていく中、稜弥は難しい事で頭をいっぱいにしながら、真選組屯所へと歩んでいった。


■━━…

「まったく、おてんばにも程がありますねェ稜弥さんは。まァそこがどこかの猪女と違って可愛いんですけど」

「何言ってんスかロリ先輩、稜弥様はロリっていう程小さくありませんッスよ」

「ロリじゃありませんフェミです、貴女と違って明るく優しいと私は言いたいのですよ。私は蕾だけでなく、開いた花も愛でるのです」

「ていうか、今はそういう問題じゃ無いッス!」

稜弥様どこ行ったんですかー!! とか叫びながら、ドタドタを走り回る隊士達。

とりあえず稜弥様を探せ、と命が出たので、必死になって探している最中である。

埃を立て、床が抜ける程に大きな音を立て、会議室からドンドン出て行く隊士達を見つめながら、上官2人は呟いていた。


「稜弥様、最近悩んでた様で、ずっとイライラしてたッス」

来島は心配そうにうつむきながら呟く。

「そうですねェ、私も何度か甲板に一人で居るのを見ました」

武市は力ある眼を高杉にむけ、言った。

「……」

心配そうな素振りも見せず、ただぷかりと煙管を吹かしている高杉。
しかし。

「晋助様、煙管、逆ッスよ! 逆!」

来島が言ったとおり、煙管が上下反対であった。

口の所から灰が落ち、机が焦げていたのはそっとしておいてあげればいいんじゃないかな。

慌てる素振りもなくそっと煙管の向きをもとに戻した高杉に、来島は少しキュンとしてしまう。

「彼も心配なんですね、稜弥さんの事が」

武市が言う。
来島もそっと高杉に視線を向けるが、ただ高杉はぼうっと窓から外を見ていた。


数分が経ち。

高杉はいきなりすくっと立ち上がり、来島と武市の視線を浴びながら、会議室の入り口へ赴いた。

「ちょっ、晋助様、どこ行くッスか!?」

来島がそう聞くと、数秒間をおいて、高杉は


「………散歩だ」

と冷たく返して、会議室から出て行った。


「皆さん結局稜弥様が大好きなんですねェ。愛されてる花、いいですねェ」

「気持ち悪いッス武市変態」

「変態じゃないです先輩です。私達はどうしますか?」

武市がそう聞くと、来島は0,3秒で返事をした。

「もちろん、稜弥様を探しに行くッス。あ、武市先輩は着いて来なくていいッスから」

「即答ですか。いやはや私も稜弥さんはほっとけないというもの・・・」

来島は怪訝そうな顔をした。
武市はその顔に傷つく。

「駄目ッスよ、先輩はそこの侵入者を見張ってて下さいッス」

来島はビシッと指を指した。
その方向には、縄でぐるぐる巻きにされた山崎の姿が。

「侵入者なんてすっかり忘れてましたよ私」

大きく見開かれた眼は、山崎をジッと見つめた。

「私は行ってくるッスから、先輩宜しくお願いしますッスー」

そう言いながらピューッと風を切るようにサッサと出て行った来島を、武市は恨めしそうに見ていた。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.9 )
日時: 2010/01/15 18:59
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・六


「はーいちょっとちょっとー、ちょっと止まってーお兄さーん」

ピピーッと小さく吹いたその白いホイッスルは、とあるドS少年に口に咥えられていた。

両手を広げて〝STOP"という様なポーズで、歩いてきた稜弥を止めた。

『(……めんどくせェ奴に会っちまったなァ…)』

怪訝そうに顔を顰める稜弥は、笠を目深に被り、沖田の言う事も聞かず、肩にぶつかりながら進もうとした。

今、コイツに用はない。
俺は〝真選組"潰したい。

稜弥の頭の中は、それだけしかなかったから。

粉雪がちらついて来た午後11時。

人っ子一人居ない、車の通りが少ない道路。

真選組が攘夷取締法に基づき、夜間取締りをしていたルートに、稜弥が通ってきたので。

その職務を全うする為に稜弥を止めたのだが。

「…オイオイ、警察の言う事無視たァいい度胸してんじゃねーかィお兄さんよォ」

少々喧嘩腰になるのは頂けないが、沖田は稜弥の肩をガシッと掴んでそう言った。

『黙れ。俺ァ急いでんの。それとも何、もう俺の正体バレてたりして?』

笠を目深に被っているため表情は良く分からないが、密かに笑みを浮かべているのは沖田に分かるはずがなく。
次の瞬間には、稜弥の首元に刀が当たりかけていた。


「その通りだぜィ高杉…、攘夷取締法違反及び武器密輸容疑、ああそれと公務執行妨害、ついでに俺をイライラさせた罪で現行犯逮捕でさァ」

カチャッと沖田の刀が鳴る。

ズラズラと罪名を言っていった後、沖田は刀にグッと力を込めた。

『いやー…、本当ならテメーぶっ倒してさっさと行くとこ行こっかなーと思ってたんだけど…、気が変わったわ』

笠を取り、ブンッとどこかへ投げる稜弥。

『腹立つ顔見んのも今日でしめーにしてやる。お前を倒しても少しは手柄になるよな?』

透き通った紫の眼は、スッと沖田を見据えた。

そして稜弥は、背中の弓入れに入ってる弓を一本取り出した。

「それはあれかい? 俺を殺すって言いてェのかィ?」

笑えねェな、と沖田は真剣な顔つきになる。


次の瞬間。
目にも留まらぬ早すぎる攻防が始まったのである。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.10 )
日時: 2010/01/15 19:00
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・七


≪ガガガガガッッ!!≫

俺が連射した弓は、相手に当たらず虚しくもコンクリートに突き刺さった。

さっきは6発ぐらい当たったんだけど、それでも気にせずに攻めてくるから、相変わらず面倒なモンだよなァ。

そんな悠長な事言える身じゃないんだけどさ、俺も。

アイツ、ていうかまァ沖田がよ。

前と戦った時より、確実に強くなってやがる。

俺になんて手も足も出なかったくせにさ。

『何、少しは修行でもしたかよ!? 大分強くなってんじゃね? 褒めてやってもいーぜ!』

俺は弓を打つ手を止めて、沖田に吹っかけた。

「テメーに褒められても嬉しくねェや!!」

沖田はそう言いながら、凄い速さで俺に斬りかかってきた。

間一髪で避けた俺は、『チッ』と舌打ちをすると、また弓矢を連射し始めた。


守っては攻め、守っては攻めの繰り返しで、なかなか決着がつかねェ。

だんだん弱っていく沖田と、俺。

傷口から噴射した血が、少しずつ積もりつつある雪を赤く染めた。


言い訳に聞こえるかもしれねェが、俺だって人間だ。

しかも、これでも女なんだよ?

攘夷一の戦闘能力だなんだって言われてるけど、そんなの周りの奴等が勝手につけた肩書きだしさ。

体力にも【限界】っつーもんがある。

それはヤツ(沖田)も同じだろうよ。


時間がどんどん過ぎていく中、それと同時に削られていく体力。

2時間半が過ぎた頃には、もう両者共に呼吸が荒くなっていた。

そんでだよ。

グジュッ!! なんて鈍い音がした。
俺の、足から。


『っぐ……、ァ…』

激痛が電流みたいに、俺の中で流れ出した。

左足に刺さった沖田の刀。

まさかのまさかで、俺が始めて負ける様な形になっちまった。

疲れからか瞬発力が衰えたのかな。
後ろに回りこまれてるのに気がつかなかったよ。

寂しく光る電灯。

飛び散る血飛沫。

痛みが俺の脳を蝕んでって、だんだん意識も朦朧としてきた。

がくん、と膝が曲がって、俺は冷たいコンクリートにしゃがみ込む。

ああもう。
何だよ、ちくしょう。
俺かっこ悪いじゃんか。


「しめーだぜィ、高杉…。あばよ」

沖田がニヤりと笑った。
そしてゆっくりと、刀を高く上げた。
ああ、なんか、バチあたった気ィすんだけど。

多分、何かこう、最近自分勝手だったからかな。
逃げたい、けど、足動かねェし?
考えてても仕方が無い。
俺は覚悟を決めて、ギュッと目を瞑った。





……しかし、なかなか衝撃が来ない。
奥でドサッなんて音がしただけだった。


俺はそっと目を開けた。

そこには。





倒れてる沖田が居て




何故かそこにいる兄貴が




ジッと俺を見ていた。







■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.11 )
日時: 2010/01/15 19:01
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・八


『な、なんッ、あ、兄貴、何で…』

俺はガタガタと震える人差し指で兄貴を指しながら、開いた口が塞がらなくなっていた。

「……チッ、馬鹿げた事しやがって…」

兄貴の舌打ちが大きく響いて聞こえて、俺はちょっと傷ついた。

そんで、兄貴は俺に歩み寄ってきた。

や、やべェ。
殺されるかも、俺。
若しくは、大きく頭叩かれるかも。

でも、俺の予想は大きく外れて、兄貴は何にも言わずに手を差し伸べてくれた。



「おら、けーるぞ」


振り続ける雪とは反比例して、兄貴の手は、不思議とあったかかった。

■━━



「稜弥ざばァァァァァアア!!」

「俺らじんぱい(心配)じだんでずよォォ、グズッ、どご行っでだんでずがァァァ!!」

船に足を引きずりながらも、頑張って帰ってきた稜弥を待っていたのは、涙と鼻水で顔をグシャグシャにした鬼兵隊隊士10人程だった。

医務室で足の治療を受けている最中、ダダダンッと波のように隊士達が流れ込んできたのである。医務室に。

『ちょ、お前等、なんちゅー顔してんだよ!』

稜弥は隊士達の顔を見るなり、とても驚いた様子で言った。

ときどき、足の治療の際に起きる痛みに顔を歪めているが。

『お前等、いつも俺に手ぇ焼いてるみてェだからよ。俺、頑張って功績上げてさ、お前等に見直してもらおーとさー……』

『ま、ちょっと俺が強い事知ってもらいたいのもあるんだけど』と稜弥は後付た。

だんだん小さくなる声。

今回、稜弥は新しく出来た部下にカッコいいとこ見せたいのと、
鬼兵隊隊士達に自分が活躍できる、とても強い、という事を知ってもらいたいのとで、こんな騒動を起こしたのだが。

その稜弥の言葉を聴いた瞬間、隊士達はまたブワッと涙を流す。


「何言ってんすか馬鹿稜弥様ァァ!」

『馬鹿ってなんだよ!』


「稜弥様が強いのは、俺らが一番良く知ってるんですよ!!」

「それに、見直すどころか、鬼兵隊隊士全員、稜弥様の事尊敬してますって!!」

隊士達は口々にそう言った。

それを聞いた稜弥も、少し目に涙が溜まる。

『そ、そうだったのかお前等…、おお、そうだな、もう心配かけさせねェからな! 安心しろよ!』

お前達ー! 稜弥様ー! とそんな掛け合いをし始める。
はたから見てみれば阿呆の集団であるが、稜弥は以前には見せなかった最高の笑顔を、皆に振りまいていた。
とても過激派攘夷集団とは思えない、平和的な図であったのである。






治療受け終わったあと、俺は武市とまた子に説教された。

「おてんばで可愛いのは良いですが、少々副首領としての自覚を持って…」

「そうッスよ稜弥様、もう心配したんスから」

俺はさすがに反省した。

この2人に言われたら、もう頭上がんなくなっちゃうよ、もう。

あの後から兄貴に会ってないけど、2人が言ってた。

兄貴も凄い心配してたって。

あとで、兄貴ん所に酒でも持って飲もうかな。




関係ないけど、俺の部下だった山崎? だったか。
アイツは真選組だったらしい。

でも、そんなに哀しくない。
武市が逃がしたって言ってたから、死んでないと思うし。

何より、あんなのよりもっといい部下が俺に居たんだよ。


つかもう名前も忘れそうだし。


いい部下に恵まれて、俺ァ幸せだな!

さて、仕事でもすっかな。


■━━・・・


━━オマケ


「山崎ィ…、任務失敗たァ何事じゃゴルァァァア!!!」

「うぎゃァァァ!! ちょっ、ふくちょっ、刀はっ、刀は止めてェェエエ!!!」

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.12 )
日時: 2010/01/15 19:02
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━・・・想曲

(敬称略)
歌手:RADWIMPS
作詞:野田洋次郎
作曲:野田洋次郎

紫弓イメージソング
/トレモロ

満天の空に君の声が 響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わらぬよう せめて地球は周ってみせた

本当に伝えたい想いだけはうまく伝わらないようにできてた
そのもどかしさに抱かれぬよう せめて僕は笑ってみせた

「何もないんだってここには」って笑ってる君も望んでる
そんな声もかき消すほどに 膨れるこの万象を

「意味はないんだって僕には」って叫んでる僕も望んでる
無味を悟る その先に浮かぶ光の粒を


最近は映画の見すぎで 奇跡も珍しくなくなったね
心にもないことでもすらすら言えるようになったよ

ほら 僕が僕から離れてく そんな事さえも忘れたくなる
「真実とはねそれだけで美しいんだ」と 言って

満天の空に君の声が 響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わると疑わぬように 神様は僕に夢を見させた

今開いていたページの上に描いてみようかな
「離さないよ 繋いでたいの 僕は僕の手を」

今止まっていた景色が動き出した気がしたんだよ
ほら 僕の鼓動も確かに 刻み始めた4拍子

不器用な僕も描き出してみるよ 終わりに向かってゆく明日の

笑って迎える意味を


歌詞:http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=37111
MAD:http://www.youtube.com/watch?v=kpuJWVfwa6Q



紫弓のイメージソングを選んでみました
RADWIMPSは好きです。いい歌過ぎません?( ´・ω・)

多分これから明らかになるはずの、稜弥の過去。
俺が想像しているのと結構リンクしていたので、これにしてみました。

( ´・ω・)さて、そごたんの無事をしらせる番外編でも書こうかな!


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.13 )
日時: 2010/01/15 19:02
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・番外




辺り一面真っ白な世界
黒も無ければ蒼も無く、ただただ真っ白な世界に

一人佇む紫頭

そいつァ、凄くにこやかな顔で、俺の前に居た

揺れる鮮やかな紫を、ただ見つめている俺

夢だと分かってた
その気になれば起きれると分かってた

けど

まだ目覚めたくねェ
もう少し見ていてェ
あの紫ヤローを、なんて

馬鹿げた事考えて、起きようともしない俺はそのうち、どんどんとその世界から離れていった。



パチ、と目覚めた沖田が居たのは、冷たいアスファルトの上でも、雪積もるコンクリートの上でも無かった。

暖かく、ふかふかとした布団。

見慣れた部屋。

どうやら、ここは道路では無く、真選組屯所内の様だ。

ムクリと起き上がる沖田。
ピリッと痛む切り傷には、包帯が巻かれていた。

布団の横には、盆には水が入ったコップが置いてあった。

あの道路からここまで、誰かが運んできてくれたのだろうか。

だとしても、感謝はしないが。

「なんでィ…」

沖田はそうボソリと呟くと、掛け布団を被り、ボスッともう1回布団に寝転んだ。

二度寝を決め込む事にしたのだ。

ゆっくり休めるんだったら、休んどこう。
そんな意思のもとである。

暖かい布団の中、昨日の事を思い出す沖田。

(『何、少しは修行でもしたかよ!? 大分強くなってんじゃね? 褒めてやってもいーぜ!』)

あの腹が立つ、沖田曰く紫ヤローの言葉が頭にふと浮かんだ。

決着が結局つかなかった気がする。
もう1回戦いたい。

もう1回会いたい。

……何言ってんだ俺ァ。

布団の中で自己嫌悪になる沖田。

しかし、その顔からは笑みが見て取れた。

「今度見つけた時ァ、俺がぜってェ粛清してやりまさァ…」

そう言うと沖田は、また夢の世界へとゆっくり落ちていった。




「近藤さん、アイツもう起きてんぞ? 仕事させなくていいのか?」

土方が煙草を吹かしながら近藤に聞くと、近藤は天気予報を見ながら答えた。

「ああ、見たところ総悟にしちゃあ珍しくボロボロだったし、休ませてやる事にしよう。それに」

天気予報が放送されているテレビを指差し、近藤は続ける。

「今日の江戸の天気は豪雪暴風。しかも外出禁止令が江戸全域に出てる。俺達も活動できないしなァ!」

ガハハと豪快に笑った近藤。

土方は「へェそうかい」と煙草を灰皿に置いた。

「だけどトシ」

今度は近藤が外に目をやりながら、土方に尋ねた。

「あの木に吊るしてあったザキは…、ほったらかしにしておいていいのか・・・?」

土方は少し間をおいて答える。

「別にいいだろ。アイツ任務失敗した上にボコボコにされて帰ってきたからな。士道不覚悟で吊るし上げの刑だ」

もう外はビュウビュウと吹雪が吹き荒れていた。

山崎がもう半分凍死しかけていたのが2人に見つかるのは、後1時間後ぐらいしてからだった。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.14 )
日時: 2010/01/15 19:04
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・九


夜。

外は大雪。大荒れ。大風。

ゴウゴウと鳴ってて、今にも俺の部屋の窓は外れそうだった。

俺は体の熱が異常なくらい熱いのと、頭の中がグラグラしてる違和感で眠れずに、起きた。

『あ……? ンだこりゃ…』

頭痛ェ。
ガンガンする。ダルい。

時計を見ると、針は1時半を指していた。
そういや、医務室の先生は昨日から新しい薬買ってくるために江戸から出てたな。

やべェ。誰にも見てもらえないじゃん。

もう、誰も起きてないと思うし。

あーもう、体火照ってる。本当にヤバい。

そんな事考えながら、俺はとりあえず水欲しさに力が入らない体を鞭打って、部屋から出た。

廊下に出ると、そこが本当に廊下なのかっていうぐらい壁や床が歪んで見えて、さらに気持ち悪くなる。

『ッあ…、ちくしょッ…』

ズリズリと床を鳴らして、俺は食堂に向かう。

少ししか歩いてないのに、ハァハァと息も切れてきた。

熱い。死にそうなくらい、熱い。

どうしよう。水飲む前に、倒れちまうかも。

誰かに助けてもらおうか。いや、皆寝てるかな。

そんな事言ってる場合じゃないか。

また子、は部屋遠いし…
武市と万斉は医務の先生と一緒に出かけてるし?
似蔵なんかには絶対頼りたくない。
隊士達なんかに頼るのは副首領の面目丸つぶれもいいとこだ。

そんな事考えてるうちに、霞んでくる意識と視界。
これはヤバい。死んじまう。

俺はもう半分意識を飛ばしながら、ズルズルとその場に倒れこんだ。

そこは、偶然だったら凄い奇跡だと想うんだけど、兄貴の部屋の前だった。

■━━・・・

高杉は、深夜、廊下からする妙な音で目が覚めた。
ズルズルと何か引きずる音に加え、ガタガタッと何かがなる音も聞こえる。

なんだァ・・・? と眉間に皺を寄せる高杉。
ふつふつと殺気が沸いてくる。というか、もう目に見えるくらい高杉の周りを濃い殺気が取り巻いていた。
大体こういうタイプは寝てるとこ邪魔されると怒るよね。

高杉は枕元に置いてあった刀を持つと、音がする廊下へ続く自分の部屋のドアを、ゆっくりと開けた。

そこで、高杉は予想していなかった物を目の当たりにしたのだ。

そこに居たのは。

『……ッあ、兄貴…?』

顔がとても赤く、目も潤んで、辛そうに荒く息をする、稜弥だった。

高杉は驚きで目を丸くする。

稜弥は高杉を2秒間見つめた後、糸が切れるようにその場に倒れこんだ。

「・・・! オイ、稜、しっかりしやがれ」

そう投げかけてみても、返事は無い。

高杉はとりあえず稜弥を自分の部屋まで運ぶと、静かにドアを閉めた。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.15 )
日時: 2010/01/15 19:05
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・拾


朝。
風や雪はまだ酷く降っている様だが、窓から差し込む光は、まだ眠気が残る高杉の頭に「朝だ」と認識させた。

稜弥を自分の布団に寝かせた後、布を濡らして稜弥の額に載せるなどをして一通りの応急処置を行った高杉は、座ったまま寝てしまっていた。

朝になり目が覚めると、稜弥は昨日と同じく辛そうな呼吸を繰り返してばかりいた。

高杉は「稜」と名前を呼んでみる。
稜弥は返事をせずに、ただ額から汗を流した。

それを指で拭ってやる高杉。

その指の感触からか、稜弥は『ん…』とゆっくり目を覚ました。

「わりィ、起こしちまったか?」

高杉はそっと言う。

稜弥はむくりと起き上がると、『ううん』と首を横にふった。

『…兄貴、昨日は驚かせたよな…ケホッ、ゴメン…』

虚ろな目で高杉を見つめながら、申し訳なさそうに俯いた。

高杉はそれを聞くと、フッと笑って稜弥の頭にポンと手を載せ、撫でた。

「何だ急にしおらしくなりやがって。テメーらしくねェなァ稜?」

その言葉に、すこしピクリとなった稜弥。

『だって、兄貴に迷惑掛けたなーと思ったんだもん。運んでくれたのも兄貴でしょ? 重かっただろ、俺』

「ああ重たかったなァ。ククク、テメェ太ったな」

『アンタ乙女になんて事言うの。しかも病人なのに』

「どこが乙女だ気色悪ィ」

『さーて今俺傷ついたぞっと』

なんだよもー、心配してくれてると思ったのに。
と、稜弥はガッカリした表情を見せる。

高杉は、いつもの稜弥の切り返しに少し安心した。

これが通常。もしもこの会話の中で『そうだよな…、重くてゴメンなさい、マジで』なんて言い出したら、槍とか鉛が降ってきてもおかしくない状態である。

高杉は、

「心配してない筈がねェだろ、ボケが」
と言って、稜弥の額を強めに小突く。

そして、スクッと立ち上がり、

「船医連れてきてやらァ。多分、もう帰ってきてんだろ。ついでに欲しいモン、あるか?」

と、稜弥に尋ねた。

稜弥はッッッ…と痛みに耐えながら、

『…じゃ、水』

と高杉に注文した。

高杉はそれを聞くと、「分かった」と言って部屋から出て行った。


稜弥はまたゴロンと布団に転がると、さっきの高杉の言葉を思い出していた。

『…「心配してない筈がねェだろ」、だってさ…』

高杉が心配してくれていた事が少し嬉しくて、つい口元が緩んでしまう。

稜弥は、少しでも早く風邪を治そうと決心し、またゆっくりと眠りに落ちていった。


■━━

其の後、船医に見てもらって、薬を処方してもらった稜弥は、たちまち回復。

仕事に復帰後、今までの約3倍働かされたのは高杉のちょっとした意地悪である。

■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.16 )
日時: 2010/01/15 19:06
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━・・・拾壱

今日は兄貴と俺で、江戸の様子を調べに、船から降りてきた。

俺とか大体船内とかで仕事してるから、勝手に外出ると必ずまた子にカチ怒られる。
だから、兄貴と2人で、江戸に出てこれるのは地味に嬉しかったりする。
俺は、いちいち江戸とかの様子なんて鬼兵隊の総督がわざわざ出てくる必要は無いと思うんだけど、兄貴がいつも

「稜、行くぞ」

って言うから、着いていかなきゃいけない感じになっちゃうし。
ま、俺は楽しいからいいんだけどさ。

いつもは武器の仕入れ所とかチェックしたり、隊士達が喜びそうな酒買ってったり(それは俺だけだけど)、いろいろするんだけど、今日はする事が終わっても、兄貴は帰ろうとしなかった。

『兄貴、帰らねェの? もう夕方だぜ?』

もうお日さんは沈みかけてるし、何か港とは反対方向のかぶき町の方に兄貴は進んでってるし。
俺が言ったのも無視して、兄貴は静かに歩く。
いつもは短くても、必ず返事を返してくれるのに。

何か変だな…

俺はそう思いながらも、兄貴の後ろに着いていく。

店じまいする団子屋の店長とか、そろそろ家の中に入れって怒られてるガキとかを兄貴は睨み散らしてた。
恐ろしくて真っ青にした店長やガキ達は、急ぎ足で家の中に入っていく。
機嫌悪いのかな。だとしたら、俺はそんなに話しかけることが出来なくなる。兄貴に。

早足で進みだす兄貴を、俺は慌てて追いかける。
そんな兄貴が、急に足を止めた時、俺は勢いで前にのめった。

『おい兄貴、急に止まるとか…。さっきからおかしいよ』

俺は半ば真剣に言ったんだけど、兄貴はまたもや無視する。
すると、俺達の後ろから声が聞こえた。

「今夜は鍋にしましょうか。あったまりますよきっと」

「肉たっぷり入れるネ! そしてその肉は全部ワタシがもらうアル」

「オイてめー肉はあまり食えねェ貴重なモンなんだぞ、独り占めされてたまるか。酢昆布鍋でも一人で囲んでやがれ」

「一人じゃ囲めないアル!」

「囲む気満々なの神楽ちゃん…」

なんて、気が抜けるような会話が聞こえてきた。

あーあーいいねェ平和ボケした市民達は。
俺は今でさえ兄貴の機嫌気にしなきゃいけねェんだから。呪縛から開放されねェよ、ッたく…
お鍋いーなー。

俺もポワポワした事考えてたけど、兄貴の周りの空気はピリピリしてた。
そんでもってそのピリピリが、ビリビリに変わるのが、次の女の声を聞いてからだった。

「銀時、酢昆布は既製品の菓子ゆえ、鍋に入れてもダシは出ぬぞ」

あんな冗談にマジな考えで返す女の言葉。
銀時、っつー名前にちょっと聞き覚えがあったけど、俺は忘れた。

「そんな事分かってますー! ったくお前は冗談通じねーのな! 生真面目な性格直しやがれ泉菟!」って、男が女に言ってるのが聞こえる。

つか、こんなんどーでも良い俺としては、早く帰ってまた子の作った味噌汁が飲みたかった。

そんでもって兄貴はビリビリとした空気を発しだす。
もうなんなの、俺わけ分かんない。

兄貴は急にぐるんっと後ろを向いてきた。
その目線の先には俺じゃなくて、その会話の声の主とされる人物達が居た。

ちっさいチャイナみてェなガキと、
普通過ぎて地味なガキと、
白髪でクリンックリンの髪型した男と、
藍色の髪をした女。

そいつ等は自分らの会話に忙しいらしく、目の前に居る俺と兄貴は見えてなかった。

兄貴はソイツ等の顔を1つ1つ確認してた。
中でも、藍色の髪した女の顔は、ジーッと見てた。

え、何、どうしたの兄貴。
ちょっと気持ち悪い。え、それ言ったらおしまい?

何秒間か経って、兄貴はまた前を向いて歩き出した。
しかし、今度は港の方向に。俺の中は、1日中兄貴に振り回された感で満たされてきた。何なの、ホント。

船に帰っても、兄貴は甲板の上でずっと月を眺めてた。

なーんか問題起きそう、なんて、俺は其の時冗談半分で思ってたけど、まさか本当に大変な問題が勃発する事なんて、当たり前だが予想してなかったわけで。

とりあえず俺が気付いたのは、あの藍色の髪の女が、攘夷志士だという事だけだった。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.17 )
日時: 2010/01/15 19:07
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━…拾弐

さて。
兄貴の様子がおかしくなって、もう3日が経った。
その間、兄貴は俺と言葉を交わそうともしなくて、隊士達の間では
「高杉様と稜弥様、喧嘩かなんかしたのかなァ…」
なんていう噂が広まるくらいで。

万斉は
「晋助の様子がおかしい? 拙者はそんな風に思わないが…。まあ、稜弥殿が心配する事でもあるまい。しかし、稜弥殿と口を利かないというのは…」
って言うんだけどさ。

え、何、誰も兄貴のおかしさに気付いてない?
つか、何で俺と兄貴が喋ってない方を心配すんの?

ま、いい。俺だけでも、兄貴が何で最近変なのか突き止めてやる!!

もう夜中なのに、俺は、俺の部屋でそんな決意を固めていた。

だけど、そんなテンションも、3回ほど静かに鳴ったドアからのノックで、少しずつ下がってった。

あ? なんだこんな夜遅くに。誰だろ。

俺は若干怪しみながらも、そーっとドアを開ける。

『はいはい、こんな時間になんの用でー…ッて』

ドアの隙間から、白い包帯が見えた。
なので俺は驚く。いつものように。

『ちょ、まっ、兄貴!? 何でッむぐむぐ…』

「声がでけェよ阿呆が」

驚きの声を出す俺の口は、兄貴の手によって塞がれた。
しばらく口で息が出来ませんでした。

『ッッぷは…、で、何、こんな夜中にどうしたの』

兄貴の手を無理やり口から下ろして、俺は言う。
すると兄貴は、俺の手をいきなり引っ張って、

「来い」

と一言だけ言った。

『あァ!?』と俺は声を上げるが、兄貴は無視。

そのまま引っ張られていくと、ついたのは客間。
いつもは貿易相手とかをここに招くんだけど、今日は何故か俺が居る。意味が分からない。

俺が客間に足を踏み入れた途端、兄貴は引っ張ってた俺の手をいきなり離した。

いきなりなモンだから、俺はその場に倒れる。
『いてェ』とアホみたいな声が出た。


『ちょ、ホント、いきなり何すんの!?』
俺はスクッと起き上がって、兄貴に怒る。

兄貴は座り込むと、またもや俺の質問を無視して、

「頼まれごとをしてくれねェか」
と言ってきた。

『ハァ?』と呆れる俺。

『別に兄貴の頼みなら聞くけどさ、最近兄貴おかしくね? 俺の事無視するわ喋らないわ落ち着いてないわ急に客間連れてくるわで…。江戸の様子見に行ってから、明らかに変だよな、何かあった?』

俺は今まで溜まってた疑問を一気に兄貴に言い放つ。

兄貴は俺の必死さをも無視して、煙管を吹かし始めた。

ぐぬぬ…と歯を悔しそうに噛み締める俺に、兄貴からは

「欲しいモンができただけだ」

っていとも簡単な答えが帰ってきた。

そんな簡潔な答え誰も望んでねェよ馬鹿ァァア!!
って言いたくなった。

「でよォ」と続ける兄貴。

「てめーに持ってきてもらいてェんだよ。俺の、欲しいモン」

兄貴はそう言うと、袖から1枚の写真を取り出して、俺に見せた。

そこに写ってたのは、藍い(あおい)髪の色した、あの時江戸で見た女だった。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.18 )
日時: 2010/01/15 19:08
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾参


高杉の命令は絶対。
破る事も、逆らう事も許されない。
いくら不満があれど、遂行しなければならない。

だけど、やはり不満な物は不満。
一昨日の記憶と、こんな写真だけじゃ、どこに居るかも分からない。
写真を掲げて、大きくため息を吐く稜弥。

一応江戸には出て来てみたものの、やっぱり良く調べない限りは、こんなの誰だか分からない。
攘夷志士っちゃあ攘夷志士だろうけど。
だって、腰に得物刺してるし。と、少し見当を頭の中で付けてみる。

でも、最終的に混乱して、またリセットして、分からなくなる。

江戸はとても良い天気。
降り積もった雪で楽しく遊んでいる子供。
大きな声で客を呼んでいる何かの店の店主。

今の稜弥は、それらさえもイラつきの種になる。

『あーもう訳分かんねェ。何この女。何で兄貴こんな女欲しがるの? 理由も意味不明だし…』

ザクザクと雪を踏み鳴らしながら、稜弥は昨日の夜、高杉に言われた事を思い出してみた。

■━━…

『はぁ…、兄貴がこの女欲しいっつーのは分かったけどさ。えと、何でこんな女が欲しい訳? 体目当て? 何にも出来なさそうなんだけど。俺から見たら』

貰った写真をヒラヒラとさせながら、机に肘ついて物珍しそうに写真を見やる稜弥。

冗談交じりに言ったその言葉に対して、高杉は獣の様に抜刀して稜弥の喉元に突きつけた。

稜弥は事態が飲み込めず、『んあッ!??』と驚きの声を漏らした。

「そいつの事悪く言うんじゃねェ。あと1回言ったらいくらテメェといえど殺す」

高杉は低い声音でそう稜弥に告げた。
数秒してから刀を下ろし、鞘に閉まった。

稜弥は、凄く驚いたからか、目を見開いたまま固まってしまった。

2分ほど沈黙が流れた後、口火を切ったのは高杉だった。

「そいつが鬼兵隊に引き込みゃァ相当な戦力になる。拒否しても連れて来い。傷つけねェままでな」

なんとワガママな要望だろうが。
やっと事態が飲み込めた稜弥は、半ばキレた口調で言った。

『ンな事言うなら自分で連れてくればいーじゃありませんか兄貴様? 傷つけないまま、拒否してでも、女1人連れて来いだァ? 注文多すぎだし、無理ありすぎだろ!』

嫌がる時の女の恐ろしさをアンタ分かっちゃねーだろ!、と。

その稜弥の反論に、高杉は喉を鳴らして笑う。

「ククク…、だからこそおめーに頼んでんだろうが」

そんな事言われても嬉しくない、と言わんばかりに稜弥は眉間に皺をよせた。

■━━…

あーあー、思い出してもムチャ言い過ぎだって。

稜弥はまたため息を吐いた。

こんなムチャな任務と、見つからない事態が重なってちゃ遂行なんて無理だわ。

頬を指でぽりぽりと掻きながら、一応辺りを見回して探してみる稜弥。

そんな彼女に、名案が浮かぶ。

あ、そうだ。
銀時に頼もう。

■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.19 )
日時: 2010/01/15 19:11
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾四


「本当に買い物行ってもらっていいんですか? 泉菟さん」

「よいのだよいのだ、新八殿にはいつも世話になっておるからな」

藍色の髪を揺らして、恐縮顔の新八を宥める(なだめる)女が1人。
万事屋の玄関先で、にこにことした顔つきをしていた。

この女が、現在稜弥が探している標的である、蒼晶泉菟である。
ここで言うのもなんだが、実は攘夷浪士である。

「本当に有難う御座いますね、助かります。本当は銀さんが行ってくれればいいんですが」

「まったくだな」

こっそり新八が店主の愚痴を零すが、泉菟はうんうんと頷いてくれた。

「え、何、お前等まだそんなとこ居たの?」

万事屋店主である坂田銀時は、まさに「噂をすれば」の様に腹を掻きながら居間から出てきた。

「もー、銀さんはほんと人事みたいに言いますよね!」

新八は少し怒って銀時に言う。

「あーあーうっせェ」と銀時は耳を穿る(ほじる)。

「誰がさっさと行けなんて言ったよ新八ィ。俺は泉菟とデートしてくるって言ったの。お買い物デートなんざまさに新婚ほやほやのカップルじゃん。いいねェ俺そういうの憧れるわ。ていう訳で行ってきます」

「どういう訳だァァァ!! 別に新婚でもカップルでもねーじゃねーかアンタ等!! ていうか妄想気持ちわるっ!!」

ブーツを履きながら妄想をたんたんと語る銀時を、新八は得意のツッコミで一喝する。

その2人の掛け合いを見て、泉菟は銀時に、

「だったら貴様1人で行くがよい銀時。でーと、だの、かっぷる、だの、我にはまるで縁のない事だからな。1人が寂しいならそこらを歩いている女子(おなご)でも連れて行くんだな」

と、冷たくあしらった。

「縁が無い? これから俺と縁を結べばいいじゃん! 2人でランデブーすればいいじゃん! 何の不満がある!」

「「ありまくりだこの変態がァァア!!」」

二人のかかと落としを喰らい、「ぶべらァァア!!」と銀時は地面に顔を勢いよく叩きつけた。

「まぁ変態はほうっておく。では行ってくるでのう」

さっきまでかかと落とししてたとは思えない笑顔で、泉菟は万事屋から出て行った。

新八はそれを見送り、銀時は打ちつけられた際に痛めた顔面を唸りながら擦っていた。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.20 )
日時: 2010/01/15 19:12
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾伍

泉菟が大江戸スーパーに出掛けて、数十分が経った。

神楽は定春とじゃれ合い、新八は茶を啜り、銀時は鼻を穿りながら結野アナの天気予報を見ていた。

そんなごくごく普通の昼下がり。

万事屋内に、ピーンポーンと高らかな音が鳴り響いた。

新八が

「ハーイ」

と元気よく玄関に駆けて行く。

銀時は「めんどくせェ…」と顔を歪めた。

神楽は気にせず定春でもふもふしていた。

カラカラと音を鳴らして新八が引き戸を開けると、そこに立っていたのは稜弥だった。

『え、あ、えーと…、どちら様?』

「いやそれはこっちのセリフですけど」

どうやら稜弥は新八がここで働いてるのを知らなかった様で、少し驚いた顔をした。
それにしても少しアホな挨拶だ。

新八は内心

「(また変なのが来た…)」

と、失礼なのは分かっていたが思ってしまった。

『あ、ご、ゴメンね、何か変な事言ったよな俺。えと、銀時…居る?』

稜弥は愛想笑いをすると、少しおどけた口調で新八に聞いた。

新八は「ええ、居ますよ」と言うと、稜弥を万事屋に上がらせてくれた。


「銀さん、お客さんですよ」

居間に稜弥を案内して、新八は銀時に言う。

「ヘイヘイ」と銀時はテレビに向けてる足を正面に向け、机にドカッと置いた。

そして稜弥の姿を見ると。

「……オメーが来るたァ珍しいじゃねーか、妹君よォ」

と、ニヤニヤとした顔つきで憎たらしく言った。

『あいっ変わらずボサボサな天パ白髪だなァオイ。ストレートにする努力はしたの? 彼女出来た? 万年金欠が』

被っていた笠を取り、お返しだと言わんばかりに平穏というベールを被った悪口を浴びせる稜弥。

「そこまで言わなくてもいいじゃねェかよ」と、銀時は少したじたじになった。

新八に促されて長椅子に座る稜弥。

銀時も移動し、定春とのじゃれ合いにも飽きてきた神楽も入ってきた。

「上から下まで紫アル。ハマってるアルか? そんなババ臭い色に」

神楽は稜弥をマジマジと見つめると、絶好調な毒舌を吐いた。

『あー…、嬢ちゃんには分からんだろうさ。この色の良さが。じゃあ嬢ちゃんのその服は? チャイナ? ちょっと俺には分からないんだけど』

そんな毒舌をもろともせず、軽くあしらう稜弥。

「何をー!! このファッションに萌えを感じない方がおかしいネ!!」
と神楽は稜弥に掴みかかろうとするが、銀時に抑えられた。
稜弥は新八が持ってきたお茶を有難く飲む。
一息入れたあとに、最初は新八と神楽に対する自己紹介から入った。

『俺は高杉稜弥っていって、このモジャ白髪と古い仲なんだけどさ』

「モジャ白髪ってなんだよ。この古い仲をペンチで切ってやろうか」

銀時は少しイラだった。

『えと、依頼っつーより質問? か分からないんだけどさ。この写真の女、知ってるか? 知ってたら住所とか教えて欲しいんだ』

稜弥はそう言いながら、袖の中から1枚の写真を取り出した。

その写真を机に置く。

万事屋の3人はその写真を見た途端、一斉に頭の上で「!?」を浮かばせた。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.21 )
日時: 2010/01/15 19:14
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾六


「し、知りませんね…」

「知らねェなぁ」

「知らないアル」

『おい嘘だってバレバレだぞ。だって目線がおかしいもん、どこ見てんだ俺を見ろ俺を』

3人が内心必死になってついた嘘は、稜弥に効かなかった。

目線が皆斜め45度を向き、1人は冷や汗を流している事などからもうバレバレなのだが。

『あんね、俺真面目に聞いてんの。この女捜して連れてかないと任務全うしたことにならないからさ』

ドカッと背もたれに激しく寄りかかった稜弥は、呆れながらそう言った。

「で、でも、何でこのせん…女性を稜弥さんは捜してるんですか? どこに連れてくんですか?」

新八がそう焦りながら聞くと、少し考えてから稜弥は答えた。

『あー…、俺の上司がさ。捜してるらしくて。どこに連れてくっつーのは…アレだ、組織?』

「何で疑問系なんだよ、つか組織ってどこだよ」

銀時は仕方ないがあとの2人には正体を隠しておくべきだろう、と、稜弥は考える。

途中銀時にツッコまれたが気にしない。

「でも泉菟はここで働いてるネ、お前等のとこには行かないアル」

神楽がそう酢昆布を咥えながら言った。
途端に横の銀時が「ばっ、神楽!!」と怒鳴りつける。

『あ?』と稜弥は怪訝そうな声をあげる。

『嬢ちゃん…、この人知ってんの?』

さっきの銀時の言葉に、しまったというような顔をする神楽。

「し、知らないってさっきも言ったアル!!」

『センウ…って名前も言ったよな? つかさっきの嘘だって分かってるし俺。そっか、ここで働いてるんだ』

神楽の弁解も虚しく、稜弥は泉菟の居場所を突き止めてしまった。

『んじゃあここの前で待ち伏せしてりゃあ来るよな? おし分かった、有力な情報ありがとさーん』

稜弥はすくっと立ち上がり、にこりと微笑むと、そこから立ち去ろうとする。

それを、銀時は「待て!」と引き止めた。

「上司って…どうせ高杉の事だろ。何企んでやがる」

ピタリと歩みを止めた稜弥。
その場に少し沈黙が流れる。

『何って…、言われてもなぁ…』

くるりと振り返る稜弥は、真剣な眼差しを浮かべる3人に言い放った。

『兄貴の考えなんて俺に分かるはずないでしょ。俺だって、なんだってこんな女欲しがるかすら分からねェ。けどよ、与えられた任務だし、仕事だしさ。こなさなきゃ意味無いじゃんか』

稜弥の言葉を聴いて、反論の余地が無くなった万事屋の3人。

『でしょ?』と稜弥は同意を投げかけた。

『何を言われようが何をされようが与えられた仕事はさっさとこなさないと気が済まないタイプなんだよ。俺』

そう言うと稜弥は、万事屋を後にした。

残った3人は顔を見合わせ、これからどうするべきが良く分からない状態になっていた。

■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.22 )
日時: 2010/01/15 19:16
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾七

静かな空気の中、ただ時計の針が進む音が鳴り響く。
ただ3人の脳内は、先ほどの紫づくめの事でいっぱいだった。

いきなり来て、家族の居場所を聞くなり、さっさと出て行ったあの人物。

新八や神楽が今まで会った事無い人種であるのは間違いない。

「銀ちゃん、新八…、ゴメンアル…。ワタシが変な事言ったから…あの紫づくめ…」

神楽は申し訳なさそうに俯いた。

銀時はそんな神楽の頭にポン、と手を置いた。

「お前のせいじゃねーよ。あいつァ俺達が何しようと力ずくでも聞き出してたさ。そういう奴だ」

慰められ、少し立ち直りかける神楽。

「でも銀さん、あの人何者なんですか?」

「見たところ、何かアイツと銀ちゃん仲良さそうアル」

新八の問いかけに続き、神楽も質問する。

銀時はふうと一息つくと、稜弥の事について話しだした。

■━━


『さて、あん中に居なかったった事は、どっか出掛けてるんだよな? じゃ、待ってれば来るでしょ、多分』

あまり説得力の無い見当を立てながら、稜弥は万事屋へと続く階段の前に立った。

大通りに出っ放しだったら幕府の狗どもが来るかもしれねェ。
面倒事は免れたい。

『いやー、でも案外簡単に分かって良かったよ本当に! でもこれからどうすっかな、何しよっかな』

待ってる間は暇だと思う。
しかしする事が無い。

そんな事で悶々と頭を抱える稜弥。

『あああどうしようマジで俺暇なの苦手なんだよねェェ…。今から銀時ンとこに戻るか…、いやいやそんな恥ずかしい事できやしねェ』

あーもうどうすればいいんだー!! と叫んでみる。
周りから、何か変な目で見られたが稜弥は気にしなかった。

ううう…と唸っていると、丁度探しものが稜弥の前に現れた。

「あー…、すまぬがどいてもらえぬか。貴殿がそこにおると我が上に登れぬのだ」

その藍色の髪は、稜弥の目に美しく映った。
凛々しい顔立ちや立ち姿など、全ては写真より2倍美しかった。

『あ、アンタ…』

稜弥は震える指をその女に向け、すこし真の抜けた声で喋った。

『センウさん…だったりして?』

■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.23 )
日時: 2010/01/15 19:17
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾八

「えーッ!!? あ、あの人、攘夷志士なんですか!?」

「絶対チャラ男にしか見えないヨ! 強そうじゃないアル! ひょろひょろネ!!」

「そうだよ、てか今頃お前等が知らねー方がおかしいの。ヅラと同じくれェ江戸じゃ有名でよ、指名手配もされんだぜアイツ」

新八と神楽が稜弥に意外な職業に驚く中、銀時は至って普通に話し続ける。

「でも、本当に驚きです。全然、そんな感じしなかったですし、男性とは思えないくらい華奢でしたよ」

新八は自分が思う稜弥の疑問点を挙げていった。

攘夷志士とは思えない様な軽い空気
華奢な体つき
高い声

挙げればたくさん出てくる疑問。
銀時はそれに対して、「あー…」と見透かしていた様に言った。

「やっぱ誰でも騙されんのな…」

小さな声で言ったせいか、神楽と新八には聞こえておらず、問いただされなかった。

「でも、あんなヒョロっこいヤツなら、私でも勝てそうアル!! 絶対大した事ないネ!」

神楽がそう自信満々に言うと、銀時は「いや」と訂正を入れた。

「ヘタすりゃおめーよりも強いかもしんねーぜ?」

今度はその言葉を聞き逃さずに、すかさず新八は銀時に聞く。

「そんな、神楽ちゃんより強いって…どういう事ですか!?」

またテメーか、と銀時は面倒臭そうに渋々答える。

「どういう事ですかって聞かれてもなァ…。だってよ、俺、アイツに負けてるもん」

銀時がそう言った瞬間、外から、「うわァァァアッ!!!」と、女性の叫び声が聞こえてきた。

否、泉菟の叫び声が。

その声に反応した万事屋の3人は、玄関を飛び出し、[万事屋銀ちゃん]と頼りなさそうに掲げられている看板が掛かっている柵の部分に一斉集合した。

地面に視線を落とすと、泉菟を担いだ稜弥の姿。

『げっ、ほら、アンタがでけェ声出すから、銀時達出てきちゃったじゃん!』

稜弥は自分に担がれている泉菟に怒る。

「知らぬ! それより貴様、早く我を降ろさぬか!」

ジタバタと足を暴れさせる泉菟に、稜弥はうんざりとした表情を見せた。

「テンメ稜弥ァア!! 泉菟に何してやがんだコノヤロー!!」

「さっさと泉菟を離すアル! あだ名ナスにすんぞ! 紫ナスビにすんぞ!!」

「どんな脅しなの神楽ちゃんン!」

大切な泉菟が緊急事態だというのに、コントの様な馬鹿らしい叫び声をあげる銀時達。

そのせいからか、周りの通行人達が足を止め、なんだなんだと野次馬になり始める始末。
そして。

「いい加減離せとっ、言っているであろうッッ!!」

泉菟はそう言い放ち、力を振り絞って、稜弥の腕の中から脱出した。

大きく飛び上がる泉菟。

そして藍色の扇子を取り出し、稜弥を扇いだ。

その扇子は普通の扇子と違い、一度力強く扇ぐだけで、少なくとも人一人分を飛ばせるぐらいの威力は持っていた。
標的にしか風は当たらないため、民家や周りの野次馬達に害は無いが。

稜弥は『うおッ!?』と声を上げると、大きく宙に吹き飛ばされる。

否、飛ばされるはずだった。

手応えは泉菟自身にも、周りの者共にもあった。
明らかに稜弥は飛ばされ、宙を舞って、大きく地面に叩きつけられたはずだった。

神楽や新八も、「これはやった」と確信があった。

しかし、銀時は見切っていた。

「泉菟ゥ!! 後ろだ後ろォ!!!」

そう叫んだ時は、もう遅かった。

地面に泉菟が着地する8秒前、泉菟の耳元でこんな声がした。

『いやァ今のはビックリしたな。でも、まだ、甘ェよ』

泉菟が後ろを振り向くまもなく、稜弥の横平手が、泉菟の峰に直撃した。

その威力はとてつもなく、泉菟は思いっきり民家の壁に打ち付けられた。

野次馬はどよめき、銀時や神楽、新八は、ただ泉菟の名前を呼ぶしかなかった。


『油断大敵って言葉、知らないの? アンタさ、もう自分が勝ったと思ったでしょ。そこが甘いの。分かる?』

音速と言っても過言では無い。
誰もが見えなかった稜弥の動き。

地面に着地する稜弥は、そう余裕の表情で呟いた。

野次馬は恐ろしさのあまり逃げ惑う。

新八や神楽も、口をあんぐりとさせていた。


『じゃ、銀時、この女借りてくから。返さないかもだけど、そん時はそん時な』

そう銀時に向かってニコリと妖しげな表情をした稜弥は、倒れ伏す泉菟を担いで、目にも留まらぬ速さでいずこかへと消えた。

「おいテメェ!!」と銀時が叫んだ時は、もう影も形も無かった。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.24 )
日時: 2010/01/15 19:19
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…拾九


泉菟を担いだ稜弥が鬼兵隊に向かうのにかかった時間は、そんなに長くなかった。

しかし、その泉菟が目を覚ますのも、長くはかからなかった。

「…ここは」

『ちょっ、目ェ覚めるの早すぎない? 結構強めで打ったんだけどな俺』

ゴオオと風を切って忍者の様に進む稜弥の肩の上で、泉菟は目を覚ました。

早めに目覚めた泉菟に対し、少しキツめに峰打ちを喰らわせただけあった稜弥は少し傷ついた。

民家の屋根から屋根へと、尋常じゃないスピードで鬼兵隊の船へと向かう。

泉菟は状況を全て飲み込むのに3分ほどかかっていた。

そして、やっと飲み込むと。

「き、貴様! 我をどうするつもりだ! 降ろさぬか!!」

と、稜弥を睨みつけながら言った。

稜弥は『んー』と考えるフリをすると

『別に降ろしてもいいよ? そしたら俺も早くに船に帰れるしね。でもさ、ここで降ろしたら、アンタ真っ逆様に落ちるけど』

と、軽く言った。

泉菟はそーっと稜弥の肩から下を見渡してみる。
そこには、もう標高何メートルにも感じる遠い地面があった。

ぞぞぞと背筋に走る悪寒。

「やっぱり…いい…」

小さな声で前言撤回する泉菟。

『あっそ』

稜弥はそう返事をすると、更にスピードを上げて船へと向かった。

だんだんと平和な町並みから遠ざかり、港の方へとやってきた。

そこはいかにも危険な所オーラをかもし出し過ぎていて、泉菟は本能的に危険だと察したのは、大きな船の前だった。



■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.25 )
日時: 2010/01/15 19:21
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…弐拾

宙船は、いつも人気の無い港に止まっている。
港の倉庫で薬物の売買なんて日常茶飯事だし、死体が転がっててもおかしくない場所だ。

一般人は寄り付かないし、人が来るのは何か事件があった時だけ。
この前なんて俺が殺されそうになったね。
まぁごくごく普通に返り討ちにしてやったまでなんだけどさ。

俺が連れてきたこの女、鬼兵隊に馴染むどころか恐ろしくて逃げ出すんじゃねェか?

そんな奴が欲しいのか? 兄貴は。
頭イカれてんじゃねーの?

船の前で俺は女を降ろした。
ぽかんとした表情で船を見つめてる泉菟とか言う奴。
コイツが、本当に鬼兵隊の力になるのか、俺は甚だ疑問を感じていた。

「…貴様、何故我をこの様な場所に連れてきた」

俺を睨みつけながらそう問いかけてくる。
知るか、って言いたいとこだけど、俺は大人だから、グッと堪えた。

『えー…っと、俺の兄貴が、アンタが欲しいって言うもんだから』

馬鹿正直に答えたな、と後から思った。
俺の答えを聞いて、女はムッとした顔つきになる。

「我は物ではないぞ。貴様の兄上が何を言おうと、我はこの身を誰かにくれてやる気ない! 帰らせてもらうぞ」

いや正論だよ? 正論だけどさ。
女は俺にそう強く言うと、くるりと向きかえって、港の出口に戻ろうとした。

まぁ俺はこれを止めなきゃいけないワケで。

『いやアンタの言ってる事は正しいよ? けどさ、こっちには事情っていうモンがあってさ。兄貴の命令は絶対なんだよ、守らなくちゃいけないの』

女の前に躍り出て、そう説得してみる俺。
けど、まぁ当たり前に女は聞く耳を持たない。

こりゃあもう武力行使しかないかな?
どうしよう、傷つけんなって言われてるし…

俺の気も知らないで、女はずんずんと進もうとする。

ガシィッ! と俺は女の手を掴んだ。

『待ーてって言ってんだろうが!! アンタを連れてかなきゃ俺が殺されそうになんの! 頼まれて任務はさっさとこなしたいの! それが俺のポリシーなの! 分かる!?』

「分からないし分かりたくもないわ!! 貴様が何であろうと我には関係ないであろう!」

『アリアリなの! アンタが目的なの!! いい加減にしないともう殺す勢いでやんぞ!?』

「してみるが良い! さすれば我も本気で反撃といかせてもらうからのう!!」

大声出したせいで、俺と女はハアハアと息を切らす。
もうなんなのホント。だから女ってイヤなの。
まぁ俺も女だけどさ、さすがにこの女の気持ちは分からないよ。

俺は女の言葉に、『へェ…』と呟いた。

…こんなに手こずったの久しぶりだよ。

確かにコイツは強いさ。
俺もあの扇子の威力見てるからな。
並大抵の人間の能力じゃないのは分かってるよ?
だけどさ。普通にしてたらただの女じゃんか。
俺がそんな女相手にこんなに手こずるってさ。
大恥だよ? 恥ずかしいよ? 俺。

自分を責め続けてると、俺の中で、プチッと何かが切れる音がした。

急に静かになった俺を見て、女も不思議な物を見る様な目で俺を見る。

『……おめーってさ、攘夷志士だろ?』

静かに言った俺の言葉に対して、女はビクリと肩を震わせた。

『攘夷志士なら知ってる筈だ…、俺が、この世界で、何て呼ばれてっか…。よォ?』

女から手を離して、俺は2歩ほど後ろに下ると、ニヤリと不適に笑ってみせる。

『攘夷最強、攘夷一の戦闘能力———なんて言われてんの、俺』

背中の矢筒から弓と矢を取り出す。

女は俺とその弓矢を見て、俺の事を思い出したかの様に顔を引きつらせた。
驚きで口をぱくぱくしてる。何て間抜けなんだろうね。

『最強、なんて呼ばれてんだよ俺。だからさ、お前みてェなひ弱な女1人なんてさ。俺にとっちゃ、蟻んこ1匹指先で潰すくらいに造作もねェんだ!!』

次の瞬間、俺の弓から矢が飛んで、女の肩に突き刺さった。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.26 )
日時: 2010/01/15 19:26
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…弐壱


泉菟の肩に深く突き刺さった紫の矢は、血でだんだんと赤黒くなっていった。
痛さと苦しみで失神物の大怪我。
泉菟もまた然りである。

呻き声1つも上げなかった泉菟は、静かにその場に倒れ伏した。

『…死なねェから大したモンだぜ? アンタ』

大きく上下に揺れる泉菟の背中から、肩の激痛が見て取れた。
稜弥はそう泉菟に言った。
当たり前だか返事は返ってこない。

稜弥は泉菟に近づくと、スッとしゃがむ。

『アンタが俺に生意気言うからいけないんだよ? 俺はさ、ただ任務でこんな事してるの。俺はしたくないの。もしもアンタが何も言わず俺に着いてきて、兄貴に会ってたら、普通に帰って来れたかも知れないのにね』

物言わぬ泉菟にそう説教口調で責め立てる。

『…本当なら、殺してる筈なんだ。お前なら簡単に殺せる、簡単に反撃できるーなんて言われるの、俺大嫌いなんだよね。でも不思議、俺、アンタは殺せない、殺しちゃいけない気がするんだ』

そっと手を伸ばし、藍色の髪をサラサラと撫でた。

『兄貴が待ってるから、行こうか』

そう言うと稜弥はスクッと立ち上がり、血に濡れる泉菟を肩に担ぐと、船の中へと進んでいった。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.27 )
日時: 2010/01/15 19:27
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…弐弐

空はとても晴れ渡っていた。

船内のとある一室に、万斉と高杉は居た。

万斉は壁に寄りかかりながら三味線を弾き鳴らし、高杉はただ煙管を吹かしながら外の景色を見ていた。

そんな時。

「…欲しいものが出来たと聞いたが、晋助。如何様な物か拙者に教えてくれぬか」

万斉が三味線をベンベンと弾きながら高杉に問うた。
ぷかりと煙管を吹かして窓辺に腰掛ける高杉は、クククと笑うと、それに答える。

「テメーには関係ねェよ万斉。だが、如いて言うなら大切なモンだ」

紫の煙が、窓から空へと昇っていく。
高杉の答えに、万斉は三味線を弾く手を止めた。

「稜弥殿より、か?」

静かに部屋に響いたその言葉に、高杉は「あァ?」と不機嫌そうな声を上げた。

万斉は高杉の態度を見て、フッと笑うと、また三味線を弾き始める。

「まったく、嘘が下手な男でござる」

静かにそう呟く万斉。
高杉はまた外を見る。ビルが立ち並ぶ江戸の風景に、少し嫌悪感を催した。

船の外では、その高杉が捜してる大切なモノが静かに朽ちているとも知らず。

そんな昼下がりである。


■━━…


「りょっ、りょっ、りょりょっ、稜弥様ァァア!?」

「その担いでるのなんですか一体!? ていうか、血まみれじゃないですか! まっかっかじゃないですか!!」

『お前等テンション高くていいねー…』

泉菟の血がベッシャリと着いたまま船内に上がってきた稜弥。
もちろん血まみれの泉菟を担いで。

いつもの様に出掛けてきた稜弥を出迎えようとした隊士達は、予想外の稜弥の姿に驚きを隠せないようだ。
隠すどころか思いっきりオープンしてるのだが。

とりあえず医務室ゥゥ!!とか、高杉様ァァア!!と慌てふためく隊士達の頭を2発ぐらい叩いてから、稜弥はため息をついた。

『大丈夫だからさ、そんな大騒ぎしないでよ。ね?』

稜弥がそう宥めて、やっと隊士達は落ち着きを取り戻す。

そして、ずるりと担いでいた泉菟を降ろして、1人の隊士に預けた。

『その子、医務室に連れてって、先生に診てもらって。まぁ、傷は浅くしといたから』

そう言って、稜弥は船内の奥へと消えていく。

残された隊士達は、わたわたと落ち着かない状態で、何とか泉菟を医務室に連れて行った。


■━━・・・

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.28 )
日時: 2010/01/15 19:28
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…弐参


兄貴と顔を合わせたくなかった。
自分勝手なのは分かってるけど、どうもイライラが納まらない。

何でだろ、強い奴が久しぶりに来て俺嬉しいはずなのにさ。
なんか兄貴が気に食わない。イラつく、何なのホント。

俺は兄貴の部屋の前を素通りして、とりあえず自分の部屋に向かった。

キィ、と音をたてて開いたドア。
奥に広がるのはいつもの穏やかな俺の部屋。

血に濡れた着物を無造作に床に脱ぎ捨てて、新しい着物に着替える。

そんでもって窓際に座り込んで、一旦気持ちを落ち着かせる。

江戸の空から、サンサンと光り輝く太陽が見えた。
こりゃ積もってる雪も溶けるんじゃね。

静かに窓の外を見てたら、大分イライラも納まってきた。

『……寝よう、うん』

もういろんな事がありすぎて眠くなってきた。

そんな感じで、俺が日の光に当たりながらうとうとしてた時だった。


「稜弥殿、居るでござるか」


■━━…


泉菟が目覚めたのは、鬼兵隊宙船内の医務室のベッドの上だった。
パチリと泉菟が眼を開けると、4人の隊士達がずぅんと泉菟を厳つい顔つきで見つめているのが見えた。

「…な、何だ貴殿達は」

泉菟の第一声はそれ。
状況が飲み込めてない様で、不安そうな声だった。

「それはこちらの台詞だ」

隊士の一人が、眉間に皺を寄せながらそう低い声音で泉菟に言う。

「貴様、一体稜弥様に何をした」

その言葉に、泉菟の頭に「?」マークが浮かぶ。

「何を…と、言われてものう…」

泉菟は困り果てた表情をする。
そりゃ誰でも困り果てるだろう。

「とぼけるでないィィィ!!!」

隊士がドカンと怒鳴りつけた。

「稜弥様の着物が赤黒い血で濡れていたのはどう説明するのだ!!」

「そうだ! 稜弥様疲れ果てた顔をしていた! 貴様が何か稜弥様にしたのだろう!!」

「というか何故稜弥様に担がれていたァァ!! ずるすぎる!! 俺も担がれたい!! いやむしろ担ぎたい!!」

隊士の1人1人が一斉に泉菟に言われなき罪を着せ始める。
もちろん泉菟は何一つしていない。

中に1人変態が居たことは黙っていてほしい。

泉菟の頭上の「?」マークは、どんどんと増えていく。

ギャアギャアと騒ぐ隊士達。

今の泉菟にはどうしようも出来なかった。

しかし、

「五月蝿い」

と、医務室の右側から聞こえてきた声で、隊士達は鎮静化する。

スタ、スタ、スタと床を歩いてやって来たのがその声の主。

有城六助である。
有城は鬼兵隊の船医である。
主に外科の処置を得意とするが、最近は内科の事も勉強し始めた、あまり喋らないクールな男だ。

有城は手に持ったカルテで、バシッバシッとさっきまで怒鳴り散らしていた隊士達の頭を叩く。

「いでっ」「あたっ」「うおっ」「おわっ」と、順々に声を上げる隊士達。

「医務室であまり喧しくしてもらっては困る…」

有城はそう静かに言うと、隊士達を見やった。

「し、しかしだな先生、この者は稜弥様に…」

隊士の1人はうろたえながらも有城に反抗しようとするが、適わなかった。

「この者は俺が見ておく…。早く職務に戻るといい」

先生がそう言うなら…、と隊士達はゾロゾロと医務室から出て行く。
しかし、その視線はキツく泉菟に向けられていた。

有城はその日の気分で患者を手当てするか否かを決める。
例えそれが高杉であろうが稜弥であろうが、部外者であろうが部内者であろうが関係ない。
とりあえず自由奔放、猫のような性格。

そして、日頃の行いが悪ければ良い手当てをしてもらえない。
なので、隊士達は有城に不満を言えないのだ。

「す、すまぬな、助けてもらって…」

泉菟は少し頭を下げて有城を見やる。

有城は「…」と少し黙ってから、

「別に」と小さく返した。

そして。

「傷は右肩に直径3cm、深さ6cm…。稜弥様にしては浅い方だ…。命拾いしたな、お前」

と、うわ言に様に喋りだした。


■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.29 )
日時: 2010/01/15 21:18
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…『新』登場人物紹介

【有城,六助】━アリシロ,ロクスケ(♂/二十代後半)━

鬼兵隊内の医者。船医。
落ち着きがあって無口でクールな人。
一応目上の者に対しては敬語を使うが、後の人達に対しては結構冷たい。
稜弥の事は、人の前では「様」付けをするが、2人の時は呼び捨て。
高杉とも案外仲が良い。
主に外科の処置を得意とするが、最近は内科の事も勉強し始めた。
その日の気分で患者を手当てするか否かを決める。
例えそれが高杉であろうが稜弥であろうが、部外者であろうが部内者であろうが関係ない。
とりあえず自由奔放、猫のような性格。

髪は黒髪で、純日本人という凛々しい顔立ち。
いつもは白衣を着て怪我人や病人を診療する。

voice
「五月蝿い。医務室では静かにしていろ」
「切り傷…、唾でも付けておけ。その内治る」
「怪我はあまりしない様に気をつけろ。…手当てするのが面倒だからな」

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.30 )
日時: 2010/01/15 23:50
名前: 長月 (ID: wkhjenUE)

初めまして、こんばんわ^^

綺麗なタイトルにだったので読んでみたら…。
キャッ☆←
帽子屋様の文才に惚れましt((

なんというか読んでいて飽きないです。
稜弥ちゃんと泉菟ちゃんが可愛くて可愛くてかわいk(エンドレス)
有城さんなんてキュンって来ましたからね!

更新がんばってください(・ω・´)

 

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.31 )
日時: 2010/01/16 16:28
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━長月様

初めましてどうもー( ´・ω・)

ぶ、ぶぶ、文才なんて有りませんよ!!(
お褒めに預かり光栄です( ´・ω・)

飽きないなんて、これ以上の褒め言葉は無いんじゃ…w
有難う御座います( ´・ω・)

稜弥も泉菟も六助も褒めてもらって嬉しいですv
これからもどうぞ宜しくお願いしますw

コメント有難う御座いましたw

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.32 )
日時: 2010/01/16 16:43
名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14942

帽子屋ーうぃーす!!

新キャラ!
おおぅ><私の好きなキャラだな(笑)
無口でクールキャラ・・・

またまた来ると進んでて…
これからも続きが楽しみ(*^_^*)
稜弥や泉菟達の活躍が楽しみ!
新キャラさんも〜

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.33 )
日時: 2010/01/16 18:23
名前: プー君♀ (ID: NR7cmmw2)

あなたは神ですか。(オイ

はじめまして!

すっごいっすね・・・

あなたは神ですか。(オイオイ

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.34 )
日時: 2010/01/17 16:49
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━椿薔薇様
新キャラ出しすぎでネタが詰まるんじゃないかと思うと怖いよー( ´・ω・)

無口でクールなキャラは動かしにくくて(((
とりあえずお医者さんキャラをw

続きが楽しみだなんて…嬉しいよぉ…(;ω;)
頑張ってあのアホキャラ達を動かすんで、これからもヨロシクね!!

コメント有難う御座いましたv


■━プー君♀様

神だなんてとんでもない…!(

どうも初めまして、帽子屋と申すものです( ´・ω・)
すごいなんて言って頂いて光栄ですw有難う御座いますw

コメント有難う御座いました!

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.35 )
日時: 2010/01/17 16:56
名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14942

あーあるある(うんうん。

クールキャラとか何しゃべらしたらいいか…しかもさぁ影薄くなるしね…

アホ!?あの子達が活躍してるのをみるともう嬉しくて…ねぇ(誰だよ!

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.36 )
日時: 2010/01/17 17:06
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━椿薔薇様

影薄くならないように俺達が踏ん張らないといけないんだけどぬ((

アホの子は逆に勝手に動いてくれる気がする(
頑張ってみるお!!(

コメント有難う御座いましたw

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.37 )
日時: 2010/01/17 17:09
名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14942

うんうん…頑張らないとだ!

自由に動き回ってくれるキャラいいよねぇ!!
応援してるぜ><

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.38 )
日時: 2010/01/17 20:03
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━椿薔薇様
頑張らんとねー( ´・ω・)

自由に動き回ってくれたら本当に楽だおね( ´・ω・)

コメント有難う御座いました!

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.39 )
日時: 2010/01/17 22:09
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━…弐四

稜弥が扉を開けると、そこには河上万斉が居た。
万斉は手を上げて稜弥に挨拶をした。

『あれ? 万斉が来るなんて珍しいな。何か用?』

稜弥は眠たい目をゴシゴシと擦りながら万斉を見る。

万斉は、そんな稜弥を見て
「これは失礼した、お休み中だったでござるか?」
と、申し訳なさそうに言う。

『いや、違うんだ』と稜弥は笑って誤魔化す。

「なら良かったでござる」

万斉はそう言ってにこりと微笑んだ。

稜弥はその笑みに、少しだけ和んだ。

『(万斉は優しいからな、どこぞの自分勝手な隻眼と大違いだよねーまったく)』

こっそりと、高杉への不満をぶつけながら。

しかし、そんな万斉も、稜弥の気分までは考えられず、
「晋助が探していたでござる」
と、何とも爽やかに言ってしまう。

稜弥はその言葉を聴いた途端、一時停止状態になった。

『え…、万斉、今なんて…』

「だから、晋助が稜弥殿を探していたでござる」

『…』


悪気は無いから許せるんだけどさ。
もうちょっと万斉が空気読めるようになったら、俺すっごい嬉しいよ?


そんな我儘が通るわけ無い。

ガックリと項垂れる稜弥。

今、高杉に心底会いたくない稜弥にとって、この一言は3tの鉛が心を踏み潰した様な物だった。

『あー…行かなきゃ駄目かな、万斉…』

「当たり前でござろう」

『……』

■━━…

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.40 )
日時: 2010/01/17 23:49
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━暇潰

暇を潰すために小ネタ集でもやろうかなと考えました((

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!


━━━

1.稜弥でワールドイズマイン

/ブラザーイズマイン

世界で一番 兄貴でしょ?
そういう扱い 心得て……るよ!!


其の壱 いつもと違う着物には 勿論気付いてる
其の弐 ちゃんと機嫌気にしてますよ まぁね
其の参 アンタの一言には余計な言葉なんて付けないから
分かってる 右側お留守だよ お守りします

別に 我儘なんてもう慣れているし
兄貴の為なら 今日も いつまでも 着いていくよ


世界で一番 兄貴様!
気付いてよ なぁなぁ
待たせてなんていないでしょ!?
この俺を誰だと思ってんの?
もう何だか…
アイスが 食べたい…
『あ、チョコミントね?』


欠点?
確かにあるかもだけど それも含めて兄貴だし
あのさぁ、俺の話ちゃんと聞いてる? ちょっとぉ…

で、あと何?
美味しい酒だと? 決まってるでしょ
買ってくるよ 
分かってる あとで絶対酌でもしてやりますよ

だから
我儘だなんて思ってないからね?
だけど
少しくらい俺を 褒めてくれてもいいんだぜ?


世界で 俺だけの兄貴でしょ?
気付いてる ハイハイ
おててが 空いてんでしょ?
クールでニヒルな兄貴様
なあ どうして…
素直になれよ 早く!!!

絶対 アンタは 分かってない
分かってないよ


チョコに包まれた バーアイス
こだわりバニラのとろける アイス

みんな みんな 我慢するよ
我儘な子だと思わないで
俺だっていつもやってんじゃん!
あとで、吠え面かくなよ…?

当然だよ だって 俺は

世界で一番 稜弥様!
ちゃんと守るから どこに行っても着いていくよ
ふいに抱きしめられた 急に そんな ちょっ!?

「轢かれんぞ、危ねェな」
そう言ってそっぽ向く アンタ

…俺の方が危ねェんだよ

ご本家様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3504435
歌詞様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3504435

━━━

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.41 )
日時: 2010/01/18 16:25
名前: プー君♀ (ID: NR7cmmw2)

かっけーwwww

ワールドイズマインだァァァ(ウザ

あ、タメOKですかー?(あたしはOK!

すげーよ!あんたすげーよ!!

ワールドイズマインだよ!?

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.42 )
日時: 2010/02/13 16:49
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:     ───『3秒後、アンタは俺に殺される』




■━プー君♀様
ワールドイズマインでしたー(
何という御本家汚しの替え歌(((

タメは全然いいですよーw

替え歌またやりたいなー( ・ω・)
コメント有難う御座いました!

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.43 )
日時: 2010/02/13 18:11
名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)

帽子屋久しぶり><

ワールドイズマイン!!来たァ!
替え歌いいね☆
またやっとくれやー(笑)

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.44 )
日時: 2010/02/13 21:23
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:     ───『3秒後、アンタは俺に殺される』

■━椿薔薇様
おーひーさーしーぶーりぃぃ!!((

替え歌楽しいよ替え歌( ・ω・)
またやりたいと思ってるよーv

コメント有難う御座いました!

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.45 )
日時: 2010/02/26 19:54
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:     ───『3秒後、アンタは俺に殺される』

■━━弐伍

高杉の部屋の前、稜弥は扉を開けるのをためらっていた。

稜弥は気が進まなかった。
任務を遂行できたとはいえ、何故か兄の高杉に会いたくなかったのである。

こんな感情は初めてだった。

泉菟は自分が想像してたより遥かに強かった。
「泉菟が入るという事は、鬼兵隊には大きな戦力が加入するという事」。
それが泉菟を拉致する目的だというのは稜弥も泉菟を見て納得した。

あの武器、身のこなし、全て常人では無いとも思っている。
だが、それでも、高杉は強い「女」というのを欲したことは一度も無かった。
「強い女は可愛げがねェ」ともよく言っていた。

「女」を欲する兄の事が気に入らないのだろうか。
このやきもきする感情は。

自分でさえも分からない。俺は一体どうすればいい?
稜弥の脳内はぐるぐると渦を巻いていた。


『…ま、行動を起こすに越したこたァねーや』

うだうだ語っていても仕方がない、と稜弥は覚悟を決めた。

赤いパネルに手をかざすと、自動的に扉は開く。
稜弥は生唾をゴクンと飲み込み、その華奢な掌をそっとパネルにかざした。

ウィーン、と機械音を鳴らしながら開く扉の奥に、今稜弥が一番会いたくない人が、居なかった。


『あ、あり?』
と、拍子抜けした声を漏らす稜弥。

『っかしーな、ここに居ると思ったんだけど…』

がらんとしたその部屋は、扉とは反対に、優しい雰囲気の和室だ。
その和室に、ふわふわと漂う紫色の煙。先ほどまで高杉が煙管を吹かしていたのだろう。

『・・・待ってれば、来るよな』

稜弥は脳内で勝手に決めつけ、しばらくその部屋で待つ事にした。
ストン、と畳に腰を下ろす稜弥。
ぼうっと虚空を見つめる稜弥の瞳に映っていたのは、妖しく消えていく紫の煙だった。




カツ、カツと靴を鳴らして、カルテを片手に颯爽と歩くのは有城だった。

怪我人の診断書、
新しい武器の構造模型図、
薬のデータなど、難しい漢字や数字の羅列が書かれているその紙を真剣に見ながら。

その前方から、妖しい笑みを浮かべながら歩いてくる男が1人。
高杉である。

「よお、六助」

高杉は有城を見やるなり、そう呼びかける。
有城は軽く会釈すると、そのまま高杉の横を通り抜けようとした。

「待てよ」

それを高杉は低い声音で呼び止めた。

有城は足を止め、高杉の方に振り返る。

「…何か、用でしょうか」

怪訝そうな有城の顔。

高杉はククク、と喉を鳴らして、六助の耳元へと歩み寄る。

そして、小さな声である事を呟くと、静かに去っていった。

「……まったく、面倒な事を…」

高杉の姿が見えなくなったところで、六助はそうボソリと呟くのであった。


■━━…


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.46 )
日時: 2010/02/15 17:52
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:     ───『3秒後、アンタは俺に殺される』

安芸マンモス( ・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.47 )
日時: 2010/02/19 22:12
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…弐六


「銀さん、どうしましょうッ、泉菟さんが…!!」

「ンなこたァ分かってら、とりあえず落ち着けダメガネ。こういう時はな、すぐにタイムマシンを探すんだ!!」

「ちょっ、こんな時までダメガネ呼ばわりですか!? ていうかアンタが一番落ち着けェェ!!」

風の様に過ぎ去った稜弥に誘拐された泉菟。
新八は泉菟の事で気が気じゃなく、とても焦っていた。
それは銀時も神楽も同じ。

神楽も先ほどの稜弥の脅威を見たせいか、口をポカンと開けていた。
そして小さく不安そうな声で「銀ちゃん」と呟く。

ハア、とため息をつく銀時。

「めんどくせェ事になったモンだぜ…」

「と、とにかく、泉菟さんと稜弥さんを追いましょうよ銀さん!」
「そーアル! 早く泉菟を取り返さないと、泉菟戻ってこなくなっちゃうかも知れないヨ!!」

新八と神楽が必死な顔で銀時を見つめる。
確かに、早いとこ泉菟を取り戻さないと、もっと面倒な事になるかもしれない。

それ以前に、銀時たちにとって大切な家族である泉菟が誘拐されたのだ。拉致されたのだ。
許すわけにはいかない。この激怒極まりない行為。

しかしだ。銀時は考える。
新八や神楽を連れて、あの危険思想な高杉の所に連れて行くわけにもいかない。

稜弥が泉菟を連れ去ったにしても、全ては高杉が命令した事。
新八や神楽にまで危害を加わられても困る。

「あの野郎…、ふざけやがって…!!」

静かに怒りをもらしても、何も解決しない。

銀時は大きく深いため息をつくと、港の方向へ走り出す。

「銀ちゃ…」

「銀さん、追うんですか!? 僕達も行きま」

神楽と新八の言葉を遮って、銀時は言った。

「テメー等が居たところで面倒事が増えるだけだ! 俺が必ず泉菟を取り戻してきてやっから待ってろ!」

銀時の口調は厳しく、神楽と新八は何も言えなくなってしまった。

銀時の後姿が見えなくなったところで、新八は

「神楽ちゃん、やっぱり僕、心配だよ」
と、神楽に不安そうに言った。

しかし神楽は、
「何言ってるアルカ」
と、強気になって言ってみせる。

「今は銀ちゃんを信じるネ。銀ちゃんは必ず泉菟を取り戻すって言ったアル。私もあの白髪天パの言う事だから不安だけど、銀ちゃんだってキメる時はキメるヨ。絶対泉菟は帰ってくるアル」

神楽の其の言葉に、新八の顔もフッと綻んだ。

「そうだね…じゃ、僕等は夕ご飯の支度でもして待ってようか」

「今日は新八が当番だから私はやらないけどナ」

「うわ何それ、雰囲気台無しじゃん!」

■━━…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.48 )
日時: 2010/02/26 20:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…弐七


それはすごくすごーく昔の事だ。

兄貴に拾われ、攘夷戦争にも少しだけ、俺は参戦した事がある。

兄貴とか銀時とかヅラとか辰馬とか、皆と俺の部隊は違っていた。

東西南北いろんな所から迫り来る天人どもを、俺は俺なりに一生懸命ぶっ飛ばした。

でも、その時の俺の戦闘技術、能力なんて蟻んこみてーなモンでさ。
刀の使い方は滅茶苦茶、
前の敵しか見ちゃいなくて、
防御の仕方なんて知らねーで、
ただ敵を蹴散らす事だけに精一杯だった。

雨で濡れた戦場の足場も悪くてさ。
カッコ悪く滑っては、顔面泥まみれにして、呻き声あげたっけ。

まぁそんな俺だから、真後ろに敵がいることなんて気付きもしなかった。

大きな巨体の亀みてェな顔をした天人は、大きな太刀を俺の頭の上一直線に振り下ろしてきた。

正直、あのままいってたら避けられなかった。

俺の頭をその太刀が一直線に引き裂いてさ、見るも無残な死に様だったろうよ。

けど、そんな時に。凄く丁度良いタイミングで。

俺は誰かに服の襟をグイッと掴まれ、ポーンと投げられた。

今思えば凄い馬鹿力だよね。片手で女投げられるんだよ?

投げられた俺は地面に叩き付けられる。
案の定泥んこまみれ。

『いってェ…、何しやがんだコラァ…』

小さく吼えた俺。
大きな声出す気力なんて、その時の俺には無かったからね。

顔を起こして前を見ると、一番に目を見張ったのは藍色の髪だね。

凄く爽やかに光るその藍色の髪は、一つに纏められていた。

「貴殿は一体どこを見ておるのだ!! よもやここは戦場であるという事を忘れたわけではあるまいな!?」

その藍色の髪した奴は、明るくも重みのある真剣な声で俺に怒鳴った。

へとへとのボロボロである俺と対照的に、そいつは凄くぴんぴんしていた。

俺を殺そうとしてた天人は、そいつの登場に少し驚きながらも、

「死に損ないの屑一つ救ったところで、この玄武丸に勝てる訳がない!! せめてもの情けだ、冥土の土産に、この玄武太刀であの世へ送ってやろう!!」

なんて強がりを言って見せた。

俺も、藍色のソイツが、この天人に勝てるとは思ってなかった。
俺自身もここで死ぬかと思った。

だけど、そいつは違った。

「冥土の土産? 我は甘味以外の物は土産として貰わぬ主義なのだ。そもそも、まだこの我は、冥土に行く気など毛頭無い」

真剣なのかギャグなのか分からんその言葉に、俺も天人も「あ?」と声を漏らした。

そいつは藍色の扇子を手に持って、大きく天人に振り翳す。

「貴様が屑と呼んだ我等に倒される貴様は、屑以下の存在となろうな。冥土で恥でも掻くと良い。さあ、藍(あお)い風と共に地に果てん」

そう呪文の様に呟いた藍色のそいつは、翳した扇子を力一杯天人に向かって仰いだ。

天人がふわりと浮いたと思えば。
音速を超えてんじゃないかぐらいの速さで、遠くへと吹き飛んでいった。

俺が口をあんぐりと開けて見ていると、そいつは俺ににこりと微笑んだ。

「さあ、休憩はできたかのう? また暴れるぞ」


■━━

昔のことを思い出してみると、結構時が経つのが早い気がした稜弥。

そういえば、昔俺を助けてくれた藍色の奴、俺が今日連れてきたのと似てたなぁ。

なんて稜弥が気付くのは、まだ先。

すると、ウィンと扉が機械音を出して開いた。
ビクッと肩を震わせる稜弥。

高杉が来たのである。

稜弥は、『やっと来たあー…』と脱力した声を出す。

「クク…、待たせたかァ?」

『待ちましたともー』

いつのまにか稜弥の機嫌も直っていた。
高杉は稜弥の横に座ると、稜弥の頭をがっと掴んだ。
そして紫色の髪をくしゃくしゃにしてしまった。

『ちょっ、いきなり何すんの!?』

顔を赤くして高杉に抗議する稜弥。

高杉はクク、と笑う。

「しっかり連れてきたようじゃねェか。おめーに頼んで正解だったぜ」

と、稜弥に優しく言った。

久しぶりの高杉の褒め言葉に、稜弥の顔を赤みも増す。

そして稜弥はふと思うのだった。
『あれ、俺何怒ってたんだっけ』と。


■━━…




Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.49 )
日時: 2010/02/26 20:54
名前: 流 ◆NngS9lWU8g (ID: Dfaev/X/)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

上手ええええェェ!!!
あ、すいません、いきなり(

すっごく上手いです!!
頑張ってください∀

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.50 )
日時: 2010/02/26 21:04
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━流様
初めましてー( ・ω・)

上手いですか!? お褒めに預かり光栄です、有難う御座いますー( *・ω・)
これからも頑張ります! 応援有難う御座います!
凄く励みになりますw

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.51 )
日時: 2010/02/26 21:28
名前: ★勇羅★ ◆ZnBI2EKkq. (ID: 3xnkBRQd)
参照: 学校メンドい・・・皆もそう思うよね!?

なんかうますぎて言葉がでてこねぇ・・・


ども^^お初です。勇羅です^^

ウチ的に稜弥好きです☆
更新待ってますよ♪

よかったら呼びタメ&フレンド希望です!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.52 )
日時: 2010/02/26 21:35
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━★勇羅★様

お初にお目にかかります帽子屋です( *・ω・)

う、上手いですか!?
これ以上の褒め言葉はありません、有難う御座いますー!!

更新頑張ります!
呼びタメフレンドおkです!
じゃあ俺も勇羅って呼ばせてね★(
コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.53 )
日時: 2010/03/05 22:05
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━弐八

「着物を脱げ、手当てをする」

簡潔に述べられたその言葉は、明らかに女性に言う事ではなかった。

医務室に帰ってきた有城は、ベッドの上に座っている泉菟に落ち着いた口調で言う。

顔を赤くし、引きつらせた表情をした泉菟を見て、有城は怪訝そうな顔つきになる。

「どうした、早く着物を脱げ」

「どうした、では無いわァァア!! 仮にも我は女子ぞ! 女子にその様な、は、破廉恥な事を軽々しく申すものでは無い!」

顔を林檎の様に赤く染めて、泉菟は有城に怒鳴る。

バタバタと動かした足で、シーツはぐしゃぐしゃになった。

「ふむ…」と、物珍しそうな目で泉菟を見つめる有城。

「女とは分からんものだ…。肩を出さねば手当てをできんというのに…。俺に触られるくらいなら、まだ痛みを我慢するほうが良いと?」

少し切なげな口調で有城はそう言う。
その言葉に、泉菟もハッとした表情になる。

「い、いや、そういう訳ではないのだ。ただ、その……あまりにも言い方が直球というか…。もう少し柔らかめにだな、うん…」

あやふやとした口調でそう有城を宥める泉菟だが、言葉が出てこず、だんだんとしょんぼりとした口調になっていった。

そんな泉菟を見て、有城はフッと微笑を漏らす。

「冗談だ。そんな小さい事を気にするような俺じゃない。お前は黙って手当てを受けろ」

そう言われた泉菟は、よく分からないと言う様な表情を浮かべて、渋々肩を出した。

窓からは橙色の光が差し込んでいた。

今更だが、泉菟は、ここが今どこか、どんな場所なのかを知らない。

勿論高杉が居る事も、ここが鬼兵隊の船なのも知らない。

どこかが抜けていてどこかがきっちりとしている。歯がゆい性格の持ち主である。


■━━…





Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.54 )
日時: 2010/03/05 22:09
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

安芸ますw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.55 )
日時: 2010/03/05 23:08
名前: 神無 (ID: cTS7JEeA)

ちょーおもしろいっす!
いくつっすか?あたし小5なんで、年上だったら敬語がアレだから、差し支えなければ教えてください!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.56 )
日時: 2010/03/05 23:30
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━神無様
お初にお目にかかります帽子屋ですーw
面白いですか? 有難う御座いますw

年齢は一応12歳で小学6年生ですw
今度中1になるんだぜ!
敬語とか堅苦しいのは苦手なんで、神無様のご意思にお任せします。

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.57 )
日時: 2010/03/08 21:26
名前: 刹薇 ◆codxyvWiaY (ID: cTS7JEeA)
参照: http://元神無です。

ほほう、ひとつ上ですか。
小説とは全然かんけーないけど、ガリガリ君のやつ、あたったんです!!めっちゃうれし!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.58 )
日時: 2010/03/12 19:42
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』


■━刹薇様
ひとつ上ですねーwわふーいw
ガリガリ君最近食べてないなー( ´・ω・)

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.59 )
日時: 2010/03/12 20:51
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━暇潰

暇を潰すために小ネタ集でもやろうかなと考えました((

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

━━━

2.稜弥で裏表ラバーズ

/副首領ラバーズ


良い事尽くめの日常に居た 俺の職業環境は
「副」という名の役職のとこに置かされてしまいまして、それからは。

とてつもなく山積みされた 書類の山を
目伏せるだけのキャパシティなどが存在している筈もないので
隻眼で、ジャイ○ンの、兄貴へ溜まった不満をぶちまけた言の葉の中
どうにかこうにか兄貴に反逆するだけの力を欲しがっている、俺。

どうして尽くめの毎日そうしてああしてこうしてサヨナラ平穏
五月蝿いお狗と意味不な幕府の表裏一体なこのお江戸
どこかに平和はないかな、なんて傍にいるにゃんこに問うよ。
自問自答、自問他答、他問自答連れ回し、ああああ

ただ本能的に殺っちゃって、でも後悔も少しあるんで、
泣いちゃって、嘆いて、喚いて、天には昇れん気になって。
どうにもこうにも二進も三進もあっちもこっちも
今すぐ真っ黒に染まってしまえ!

もーボロボロになっちゃってー
横隔膜傷負っちゃってー
強靭な理性飛んじゃってー

等身大の裏・表

脅迫的に攻めちゃってー
網膜の上に弓立ててー

もー最強でいっちゃってよ!

常識なんて、無い!

御本家様「裏表ラバーズ」
作詞:wowaka様
作曲:wowaka様
編曲:wowaka様
唄:初音ミク

歌詞様
初音ミク Wiki-裏表ラバーズ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.60 )
日時: 2010/03/12 21:38
名前: 刹薇 ◆codxyvWiaY (ID: cTS7JEeA)
参照: http://元神無です。

初音ミク知らないけど、詩、おもしろいよ!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.61 )
日時: 2010/03/13 21:56
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━刹薇様
ボカロはいいですよーw一度聞いてみてくださいw
番外編だけじゃなくて本編更新しないとなー( ´・ω・)

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.62 )
日時: 2010/03/13 22:13
名前: †蒼威† ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

こんばんは。

元・志筑です、初めまして*

いつもながら影読みさせて頂きました。
更新凄く面白いですねー、なかでも、
書き方とかが特に気に入りました! ((

ボーカロイドなんて凄く凄く凄く好きだったので、
暇潰し更新だとしてもなんだかハッピーな気持ちですね*

帽子屋様、更新ファイトですよ★(´ω`)b-3

))帽子屋様

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.63 )
日時: 2010/03/13 22:26
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━†蒼威†様

お初です帽子屋です( *・ω・)

影読みして下さってただけでも涙が…( ´;ω;)
有難う御座いますw

面白いだなんて最上級の褒め言葉でつよ奥さん!( ゜Д゜)

ボカロの替え歌暇潰更新は度々やろうかなと思ってますw(

更新頑張りますーw応援有難う御座いますうわあん

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.64 )
日時: 2010/03/14 09:40
名前: †零無彩† ◆fEPe.payyQ (ID: B5unmsnG)
参照: ——星が降るなら、願いを込めて。

なんでこんなに替え歌うまいのこの子(´・ω・)

どうも零ですw

久しぶりに覗いてみたらいっぱい更新してあってウハウハしながら読んだよ!
更新がんばってね(*^ω^)!!

俺も替え歌してみようかな←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.65 )
日時: 2010/03/14 13:00
名前: †槐朱† ◆ZnBI2EKkq. (ID: 3xnkBRQd)
参照: 「俺は最初から最後までクライマックスだぜ!」モモタロス大好き

こんちゃ><

替え歌イイね♪
作詞の才能もあったとは。。。恐るべし、帽子屋(

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.66 )
日時: 2010/03/14 19:08
名前: 真鶴 (ID: A9wxTbZM)
参照: bad appleは神曲。

どうも初めまして真鶴です!
いつもいつもいつも読んでいました!
替え歌好きです!

楽しみにしてます!
(こんなアホが読んでてすいません)

あとよければ私の小説にも来て下さい!駄文ですが…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.67 )
日時: 2010/03/15 21:05
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━†零無彩†様

( ゜Д゜)ノやあ!
来てくれて有難うううう! わああああい((

替え歌はもうほとんど俺の自己満足←
今度はロミシンでもやろうかな!!((

覗いててくれたんだーー有難うううう( ´;ω;)
嫁の応援を受けたんだもの、頑張らざるをえない( *・ω・)

コメント有難う御座いました!


■━†槐朱†様
替え歌ったよ何この駄文ンン(
作詞でも何でもないただの原曲殺(ry

才能? 何それお菓子?
コメント有難う御座いました!


■━真鶴様
お初です帽子屋です( *・ω・)

いつも読んでいてくれていたのですか!! 光栄です有難う御座いますうううあああ((
替え歌はこれからもやりますお!!(

私が言うのもなんですが、皆さんに呼んでもらいたいので…w
真鶴さんに呼んでいただいてるだけで、俺は幸せですww

小説、是非行かせて頂きますw
コメント有難う御座いましたww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.68 )
日時: 2010/03/15 21:43
名前: 蒼威 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

こんばんは(*´д`*)ノシ
今宵もやって来た蒼威ちゃんでs((殴

ボカロ好きなんで毎回楽しみでつよご主人!(>д<)

良かったらお友達希望でふ(ω`。
無理でも、呼びタメはおkですにぃぃ!!!!!

))帽子屋様

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.69 )
日時: 2010/03/15 22:21
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━蒼威様
こんばぬわー( ゜Д゜)ノ
今宵もいらっしゃいませヨーw

ボカロまたやりますよ!
過度な期待はせずにお待ち下さい…v

俺もお友達希望ですー!
呼びタメ共におkですw
宜しくなんだぜ!

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.70 )
日時: 2010/03/16 16:53
名前: 蒼威 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

おうよっ♪宜しくなのだぜぃ!!!

帽子屋とは友達になりたかったから、嬉しいよ(∀///

迷鎖、って、帽子屋のお友達、親友でそ?w

迷鎖の親友って聞いてちょっと気になる度が
upしてて、よく見たら銀魂小説書いてたから、
もう気になる度満タンだったのさ!! (

だから友達になりたくって超超気になっていt((ry

でも本当になれて嬉しいでっせ(^▽^*)v
>>帽子屋ちゃん(

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.71 )
日時: 2010/03/16 17:51
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━蒼威様
お友達が増えて嬉しいよーw( *・ω・)

迷鎖さんとはお話したことなんて無いかな…
Dグレ小説書いてた人かな。検索してみたんだけど…

もしかしたら、迷鎖さんっていう名前になる前に仲良かったのかもしれない…
親友って誰から教えてもらったのかできれば教えてほしーなーv

銀魂の事で共有しあえるのは皆俺の嫁さ!((
これからも宜しくねー( ´・ω・)

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.72 )
日時: 2010/03/16 17:52
名前: 刹薇 ◆codxyvWiaY (ID: cTS7JEeA)
参照: http://銀さん、一生ついていきまさぁ!

つづき、まってる!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.73 )
日時: 2010/03/16 17:56
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___  現 実 逃 避  \(^o^)/ _____

久々に二次元に顔だしたらなんか懐かしい名前発見∀・)

ひょっとして、寂音か斬吏か水把って奴しってたりしますかっ?←

2年前ぐらいにその名前で此処に生息してたんですがww

あの頃はさがる君にうるさかった奴←

人違いだったらすみませn

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.74 )
日時: 2010/03/16 18:20
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━刹薇様
頑張って更新しないと! マジでヤバいな!!(
昨日弐九話目書いてたんだけどミスで消えたもう駄目だ俺オワタ((

待っててくれて有難う御座いますゥゥ((
コメント有難う御座いました!


■━/゜絆那,様
うわああああさがる兄ちゃんの人じゃないかああああ((
凄く覚えてるおっおっ(
懐かしいなー…、あの頃は神楽ちゃんの妹小説だったものねー…

きっと運命だぬ( ´・ω・)
コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.75 )
日時: 2010/03/16 18:31
名前: 蒼威 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

迷鎖がそう言ってたんだvあ、ただね?
親友とは、言ってなかったかもしれないな(ω`)

D灰書いてたコだよーbb

迷鎖はきっと前と名前は違うんじゃないかな。
それか僕の勘違いなんてのもあるしぃw(殴

もちろんですよ! (
>帽子屋ちゃn(殴

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.76 )
日時: 2010/03/16 18:31
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___  現 実 逃 避  \(^o^)/ _____

>>74 5話ぐらいまで読んだよっ∀・)

やっぱさがる君かわいいwwww

でも此処に来ていなかった間に

運命の方に出会ったんで実はさがる君が本命ではなくなっちゃった\(^o^)/←     黙

嫌いにはなってないけどwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.77 )
日時: 2010/03/16 18:47
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━蒼威様
たぶん迷鎖さんはアリスのティーパーティーとかが好きだったんじゃないかぬ( ´・ω・)
アリスのお話に帽子屋とか三月兎とかでてくるから((

機会があったらお話してみたいものだーw
あああもう蒼威ちゃん可愛いよ蒼威ちゃん結婚しt((
コメント有難う御座いました!!


■━ /゜絆那, 様
長いお話急に初めから読んでも疲れるだけだよぬ( ´・ω・)
退兄ちゃんは可愛いよ。

運命の方って誰wwwwwwwwww
高杉さんと銀ちゃんは渡さない( ´・ω・)

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.78 )
日時: 2010/03/16 18:50
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___  現 実 逃 避  \(^o^)/ _____


>>77  夏目貴志君わかるかいっ?←

夏目友人帳ってあにめに出てくるんだけど..ww


..ごっさ可愛い\(^o^)/

馬路で惚れたのさっ((    黙

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.79 )
日時: 2010/03/16 19:21
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━ /゜絆那, 様
夏目友人帳かー
名前は聞いたことあるんだけどなーw
今度見てみるーw

惚れるほどなんだからきっとイケメソなんだろうぬ(
コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.80 )
日時: 2010/03/16 19:36
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___  現 実 逃 避  \(^o^)/ _____

>>79 えとね、夏目君は美系で草食系男子って感じで優しくてー可愛くてー ....    止


はい、なんか暴走した((

でも友人帳はいいよv

何度見ても泣ける(ノ



後、様付けいらないから←

呼び捨てでおk

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.81 )
日時: 2010/03/16 20:57
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━ /゜絆那,様
「様」付けがデフォルトなんでつ( ´・ω・)サーセン

泣けるんだーw
草食男子は好かないでつ( ゜Д゜)男だったら肉食!(


コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.82 )
日時: 2010/03/16 21:01
名前: 蒼威 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

はっ!!!え、ちょ、そうなの!?

知らなかったー!!

そうそう!三日兎ちゃんのことも出てた^^*

間違いないよ、僕の誤解だったのかぁ(
なんだかありがとぉ♪♪

アリスが好きなら迷鎖と気が会うんじゃないかな♪
迷鎖アリスパロ小悦もGLで書いてるしねー(ω`

ぅけけけけッこnてちょっと!!!

ぼ、僕のご主人になってくれるの?!♪
そんなのぁ願ったり叶ったりだy(((

>>帽子屋ちゃん^q^*

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.83 )
日時: 2010/03/16 21:53
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━蒼威様

アリス好きなら合うねーw
今度遊びに行ってみるよ!!

結婚さ結婚(
俺が蒼威ちゃんのご主人様でおk?((

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.84 )
日時: 2010/03/17 19:01
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…弐九

兄貴の部屋。
俺は高杉の前にあぐらを掻いて座り、兄貴は煙管を吸って紫色の煙を吐いていた。

俺は冷や汗を少し流しながら、落ち着かない様子で居た。
さっき兄貴に褒められて、気分も結構上々だった。けど。

『(兄貴にあの女を傷一つつけずに持って来いって言われてたの忘れてたァァァアアア!!! めっちゃつけちゃったよ! グッサリやっちゃったよ!!)』

という事についさっき気が付いて、落ち着いてなんか居られないんだ、どうしよう。
だって俺さ、あの女持ってきてもらいたいって兄貴に頼まれた時、
〝体目当て?〟って聞いたじゃん、あの後の答えが〝悪く言うな殺す〟って言ってきたんだよ!?(>>18 拾参参照)

肩グッサリ刺しちゃいましたなんて言ったら、俺の人生END!! ヤバい!!
どうする? 俺どうするよ!

もう頭も目もグルグル。緊張で気持ち悪くなってきた。
殺されるかな、俺。切腹がいいな、いやでももしかしたら打ち首獄門かも、うわァァァァァ!!!

「稜」

兄貴の事だからもっと重いかな、手足斬った後腹に刀刺して内臓かき混ぜたりとか…

「おい稜」

グロテスクだしサディステックだよォォ!! 想像しただけで吐ける自信がある!! 今もう吐ける!!

「稜!!!」

『うぇっ!! は、ハイ!! 何スか!!』

半分吐きそうになった。
兄貴がずっと俺の名前呼んでたの気付かなかったよ、ヤバいヤバい

焦ってまた子の口調が移ったよ。

兄貴は不機嫌そうな顔で俺を見ている。
仲間にできない目だよ。

「さっきも言ったように、しっかりあいつを連れてきてくれたのにゃァ感謝してるぜェ? 稜」

ククク、と不敵に笑う兄貴。
俺は『(また褒められた…)』と、内心嬉しかった。うん。

だけど。

「傷はつけてねェだろうなァ?」

『うッ!!!』

図星きたァァァァァアア!!
褒めるからの図星攻撃!! 兄貴は知ってる! 俺があの女ボロボロにして連れてきたの知ってる!!
何故分かったか? ニヤニヤしてるからさ!!!

どうしよう!! 正直に言うべきかな?

『え、えーと…、つ…』

「つ?」

『つ、つつ、つけ、ま、した……』

言った。この状況で遂に言ってしまった。殺される。
この時俺は死を覚悟した。

兄貴は、冷たい視線を俺に注ぎながら、俺の傍に歩み寄ってきた。


うひゃああああ打ち首獄門だああああ!!

「つけた、か…」

低い!! 声音が低いよ!!

サッと畳を鳴らして、兄貴は俺の目線ぐらいにしゃがんだ。
そんで。

「仕方ねェ、次の任務を成功させたら、今回の件は不問にしてやらァ」

って、半分怒り、半分優しい声でそう俺に言った。

『へ…?』と、俺は顔を上げる。

兄貴は、淡々とした口調で次のように述べた。


「不問にしてやるっつってんだよ。銀時の抹殺を成功させたらな」


一瞬俺は、兄貴が何を言っているのか、分からなくなった。


■━━……

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.85 )
日時: 2010/03/17 09:43
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___  現 実 逃 避  \(^o^)/ _____


安芸るZE\(^o^)/★

全部読んだよっb

>>53 脱げっておまwwwwwwwwwwwwwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.86 )
日時: 2010/03/17 19:11
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━/゜絆那,様
安芸センキウなんだぜ( *・ω・)
全部読んだだと!! お疲れー!!((

変態話書きたいんだけど変なの書いたら消されるからなー( ´・ω・)
頑張って書くんだぜ!!(ェ

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.87 )
日時: 2010/03/17 19:27
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___ 絆 那 友 人 帳  \(^o^)/ _____


変態話ておまっwwwwwwwwwwwww


と、いいつつ食いついてたり(∀)★←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.88 )
日時: 2010/03/17 19:35
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━暇潰

評判が良かったのでぞくぞく更新したいと思っている暇潰更新((

真鶴様から「人柱アリス」の替え歌リクエスト頂いたので、それやります!!

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

━━━━

3、紫弓キャラで人柱アリス
(オリキャラも本家キャラも交えてやりまつ)

/替歌『紫弓アリス』


前口上 『あるところに、小さな夢がありました。だれが見たのかわからない、
      それは小さな夢でした。小さな夢は思いました。
      このまま消えていくのはいやだ。
      どうすれば、人に俺を見てもらえるだろう。
      小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました。
      人間を自分の中に迷い込ませて、世界を作らせればいいと。』



一番目アリスは勇ましく、扇子片手に不思議の国。
いろんなものを吹き飛ばして、真っ青な道を敷いていった。
そんなアリスは一つの家。
燃える村塾に絶望して。
片手に持った扇子以外に、彼女の「静」を知る術は無し。

二番目アリスは大人しく、口を紡いで不思議の国。
いろんな薬を作り出し、狂った世界を生み出した。
そんなアリスは、生ける死体。
見捨てた怪我人に、打ち殺されて。
真っ赤な花を一輪咲かせ、皆に踏まれて朽ちてゆく。

三番目アリスはやる気無し。白髪頭で不思議の国。
いろんな金物手に入れて、おかしな地位を築き上げた。
そんなアリスは国の王。
歪な記憶にとり憑かれて。
朽ちゆく精神に怯えながら、金に囲まれて生きている。

森の小道を辿ったり、
不思議な薬でお茶会。
お城からの招待状は、銀色のトランプ

四番目アリスは双子の子。好奇心から不思議の国(主に妹)。
いろんな扉を潜り抜けて、ついさっきやって来たばかり。
気の強い兄と、御馬鹿な妹。
一番アリスに近かったけど。
二人の夢は狂ったまま、不思議の国を彷徨った。

━━━━

本家様
作詞:歪P様
作曲:歪P様
編曲:歪P様
唄:MEIKO、KAITO、初音ミク、鏡音リン、鏡音レン

歌詞様
初音Wiki - 絵本「人柱アリス」


因みに、
一番目アリス…蒼晶泉菟
二番目アリス…有城六助
三番目アリス…坂田銀時
四番目アリス…高杉晋助、高杉稜弥
というイメージで書き散らかしました( ´・ω・)







Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.89 )
日時: 2010/03/17 19:38
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━/゜絆那, 様
高杉兄が妹を押し倒す話とか書きた(((

食いつくのかおwwwwうはwww((

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.90 )
日時: 2010/03/17 22:04
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…参拾


『お、オイ兄貴、俺ァ笑えねェ冗談は嫌いだぜ? 何で俺が銀時を…』

稜弥は畳の上に手を付き、高杉に驚きの目を向ける。
高杉はフーッと煙を吐いて、静かな声音で答える。

「銀時は泉菟の危機となりゃァ今すぐにでも殴りこんでくるだろうよ。アイツはこの計画に措(お)いて最も邪魔な存在だからさ」

『だからさ、って…』と、稜弥はうろたえる。

『計画って何だよ、兄貴はあの女がそんなに欲しいのか!? 俺より弱くって、何も出来なさそうな奴なのに!! 昔の盟友を殺してまで手に入れたいモンなのか!? 俺にゃァ…今の兄貴が考えてる事がまったくさっぱり分かんねェよ!!』

稜弥は立ち上がって、そう高杉に怒鳴りつける。
バンッ! と稜弥が叩いた畳は、大きく震動した。

高杉はそれでも、余裕の表情を変えなかった。

稜弥はその高杉の表情にもイライラとし、ギリリと歯を食いしばった。

『あーもう、わっけ分かんねェ!! 兄貴は一体何がしてェんだ!? あんな女がそんなに大事な』

「稜」

『のか』を言う前に、高杉の冷たい声が遮る。


「俺の命令が聞けねェってのか?」

高杉は腰にさしていた刀を抜刀して、言う。

稜弥は何も言えなくなってしまい、ただただ高杉を睨みつけるだけになってしまった。

「頼みでも任務でもねェ、これは命令だ。稜、テメェはこれを全うさせる義務がある。分かったらさっさと行くんだな」

『———ッ!!』

逆らえない
兄貴の命令は絶対
逆らってしまったら
俺はまた1人だ 1人になるに違いない

そんな想いが、稜弥の脳裏を過ぎった。

何も言えない。返事は「分かった」しか許されない。

悔しそうに拳を振るわせる稜弥を見て、高杉は怪訝そうな顔を浮かべる。

「何だ、文句でもあるってのか」

『……何でもねェよ。行って来る』

稜弥は戸を乱暴に開け閉めし、出て行った。

高杉はもう一度煙管を口に咥えた。


■━━…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.91 )
日時: 2010/03/17 23:29
名前: 紫陽花 (ID: xrNhe4A.)

やってるねー、!ボカロ祭っb(そんな名前だっけか
やっぱぼーちゃの替え歌は最高だよ、愛してるわv
よし、じゃあ次は“magnet”行ってみよy(やめれ

そんじゃ、貴方のぱーぷるふらわーでしたっノ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.92 )
日時: 2010/03/18 13:54
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___ 絆 那 友 人 帳  \(^o^)/ _____



今日も安芸に来たさーっ\(^o^)/

>>89 いいねwww((      おまっ



Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.93 )
日時: 2010/03/19 15:46
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 神 谷 浩 史 さ ん に 惚 れ た 。 ___

そして今日も安芸に来た\(^o^)/

早く続き書くんだぁぁぁぁーっ(!ω・)!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.94 )
日時: 2010/03/19 16:36
名前: 魁 ◆wba6GMOss2 (ID: rcIQsSyG)


 ええと帽子屋?
 俺のことおぼえてるかなぁ・・・;
 ずいぶんコメントしなかったから;;

 てか紫弓復活したんだっ!!おめでとう!
 俺は高校らいふどうしよう;

 まぁともあれ!!
 これからも頑張れ!!応援しとるよ!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.95 )
日時: 2010/03/19 20:49
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━紫陽花様
祭りじゃなくて暇潰だお!!(
替え歌は考えるの楽しいよねー( *・ω・)

magnetだと!? やる!! それやるよ!!(
俺の嫁のリクエストとあらば今すぐにでも((

コメント有難う御座いました!!


■━/゜絆那,様
安芸有難うー( *・ω・)

押し倒す妄想が俺の脳内に蔓延るよどうしよう((
頑張って更新するよ!!
コメント有難う御座いました!!


■━魁様
魁ちゃんじゃないか!!
久しぶりだぬー、覚えてますともさ!!( *・ω・)
高校らいふは過去ログ入りしてたよ、もっかい作り直さなきゃかも…

紫弓は復活というかリメイクさ!!(

うん頑張るんだぜ!!
魁も頑張れ!!
コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.96 )
日時: 2010/03/19 21:27
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…暇潰

愛しい紫陽花様から「magnet」の替え歌リクエスト頂いたので、それやります!!

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

━━━━

4、稜弥でmagnet

/bownet

か細い火が 心の端で消える
いつの間にか めんどくなる人生
俺の上司 不規則に働かせ 
俺の休みを2日 減らした

止める部下 振りほどいて
真選組に殴りこみ
許されないことだけど 俺様(副)首領だから

抱き寄せなくていい 確かめなくていい
「仕事やらないでいいんだ」と思わせて
とりあえず アイス買ってきて
冷たい甘さに酔いしれ 仕事サボりたいの


束縛なんてされた事ないし
「愛しい」なんて言われた事も無ェ
「おかしい」のか? たまらなく気になるな
どんな事か教えてよ 誰か

迷い込んだ攘夷(セカイ)なら
簡単に抜け出せない
優しさなんて感じる暇など 俺には無い

繰り返したのはあの過去じゃなくて
紛れもない現実の 人殺し
刺してから 戻れないと知る
それでいいよ 誰よりも大きな獣(けもの)

夜明けが来ると不安で 泣いてしまいそうだよ
「大丈夫」と囁いたアンタは 俺を許すの?

抱き寄せて欲しい 確かめて欲しい
愛ならここにあるんだと 思わせて
血に濡れた この手足が憎い
獣の血に酔いしれ 溺れちゃう

引き寄せて bownetの様に
例えいつか壊れても 傍にいる
触れていて 戻れなくて良い それでいいの?
誰よりも 大切な兄貴



━━━━

御本家様 「magnet」
作詞:流星P様
作曲:流星P様
編曲:流星P様
唄:巡音ルカ・初音ミク

歌詞様
初音ミク Wiki - magnet


bownetは「弓の糸」って言う意味でいんじゃん?(







Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.97 )
日時: 2010/03/21 18:31
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 神 谷 浩 史 さ ん 惚 れ た 。 ___



あっげあげにしてあげるーっ(´`)★←

つかもーすぐれす数100じゃんっ\(^o^)/

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.98 )
日時: 2010/03/21 19:55
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━/゜絆那,様

わーいページ数が増えるよ!!((
安芸サンクスでう( ´・ω・)

神谷さんカッコいいよ神谷さん

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.99 )
日時: 2010/03/22 15:03
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━……参壱

有城は退屈そうに欠伸をした。
医務室には泉菟と有城しか居らず、両者互いに何も喋らない。
重苦しい空気が漂っていた。
有城はそんなの気にも留めず、ただサラサラとカルテに必要事項を記入する。
だが、泉菟はそんな空気に耐えられなかった。

「……あの…えっと…、そういえば貴殿、名は何と申したかのう」

気まずそうに泉菟は有城に問う。
有城はちらりと泉菟を見やってから、面倒くさそうに答えた。

「…有城だが」

「では有城殿、その…いくつか質問したいのだが、宜しいか?」

泉菟はそう言いながら、くるりと有城の方を向く。
有城はハァとため息をついて、泉菟が居るベッドの横にある椅子に座った。

「手短に頼む」

泉菟は心の中で少し喜んだ。
ちょっと断られるかと思っていたからである。

そして、さっぱりとした泉菟と有城の質疑応答の時間が始まる。

「じゃあ、まず一に、我は何故ここに?」
「さあ…、俺の上司が命令した事なのだが、俺はあまり上司と接点が無い。考えている事も分からん」
「えー…、では、我をさらって来たあの者は?」
「俺の上司だ」
「…ここはどこだ?」
「鬼兵隊という攘夷集団の船内だ」

わずか1分半で終った質疑応答。
泉菟はもっと時間かかるかと思っていた為、少し拍子抜けした。

そして、もう1つ疑問を抱く。

「鬼兵隊と言うのは……、! 晋助が作った部隊ではないか!! 有城殿、ここは晋助の…!!」

泉菟は慌てふためき出した。
慌てふためく反面、泉菟は心底嬉しかった。
会えるのだ。晋助に、我はまた会えるのだ!!

有城は喜びを隠せない泉菟に冷やかな目を向けた。

「何だ、上司と知り合いか? 一応言っておくが、攘夷戦争時代の知り合いなら会わない方がいい」

その言葉に、泉菟の動きはピタリと止まる。
そして、「え?」と拍子抜けした声をもらす。

「有城殿、それは何故…」

有城は、白衣のポッケから煙草を取り出し、咥え、煙草に火を付けた。

「あの人を昔と今で比べてみれば大違いだ。俺は鬼兵隊の船医として、あの人の傍らでいろんな事を見聞きしてきた。あの人が負った心の傷も、思い出したくない昔の思い出も、皆聞いた。そんな中で、あの人は随分お変わりになられた」

フーッと白い煙を吐く。
泉菟は口を開けてそれを聞いていた。
そして有城は、泉菟にとって驚くべきことを口にする。

「今、坂田銀時を抹殺させようとしているのも高杉晋助その人だ」

次の瞬間。
泉菟はベッドから風の如く抜け出し、医務室の扉を突き破り、外へ出ようとした。

が、有城がそのスピードを上回る速さで扉の前に立ち塞がる。

「有城殿、今我は貴殿と立ち話している暇は無いのだ、通してくれぬか」

凄みが加わったその声で、泉菟は有城に言う。

「手当てをしてやったというのに随分と偉そうだな。無駄だ、もう稜弥様が坂田と対峙している頃だろう」

有城は煙草をその場に落として踏み潰す。
片手にはいつの間にか注射器とメスが多く握られていた。

「貴様が言う稜弥様と言うのは、晋助の妹の事か」

「ああ、お前をさらって来た奴さ」

泉菟の口調がだんだんと怒り声に変わっていく。
有城はニヤリと口を吊り上げる。

「蒼風魔と言えども、恋には盲目らしいな」

その言葉に泉菟は、置いてあった武器の扇子をガッと掴み、有城に向けてビュンと扇いだ。

有城は扉と一緒に外へ飛ばされ、廊下の壁に叩きつけられる。

パラパラと落ちる木屑が、その衝撃の強さを物語る。

「すまぬのう、今の我は加減が分からぬのだ。貴様がそれ以上戯言を申したら、今度こそ殺してしまうかもしれぬ」

泉菟の表情は怒りで満ちていた。
そう言った後、泉菟は廊下を駆け出す。

銀時が殺されてしまうかもしれない
そんな不安だけが泉菟の脳内に蔓延った。

しかしだ。

ヒュン、と飛んできた医療器具のメスが、泉菟の頬を掠った。

タラリと泉菟の頬を伝う赤い血液。
泉菟は駆け出していた足を止め、ユラリと後ろを振り返る。

廊下の奥には、有城の姿。

「高杉様からお前を船外に出すなと言われている。それ以上足を踏み出すなら、お前の顔中コイツだらけにしてやろう」

ニヤリと笑う有城は、手に持った医療器具を泉菟に見せ付ける。
泉菟の堪忍袋の緒はプチンッと切れた。

■━━……




Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.100 )
日時: 2010/03/21 21:54
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 神 谷 浩 史 さ ん 惚 れ た 。 ___

やっと更新きたーっ\(^o^)/

>>98 神谷さん知ってるのかっ

あの人可愛いよ、馬路で(´∀`)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.101 )
日時: 2010/03/21 21:54
名前: 流 ◆NngS9lWU8g (ID: Dfaev/X/)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=4HNvO7rQ5ok

覚えてますか??
流ですω

久々に帽子屋様の小説を拝見しにきました!!
相変わらずの面白さですww
これからも頑張ってください!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.102 )
日時: 2010/03/21 22:27
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━/゜絆那,様

更新頑張った!((

神谷さん知ってるよーwあの声ヤバいww((
あの人のやるキャラクター全員可愛いよね、うん(

>>100のキリ番おめでとうなんだぜ!
暇潰更新かなんかのリクエストあったら言ってくれなんだぜ!!

コメント有難う御座いました!!


■━流様
覚えてますよ! 再度ご来場有難う御座いますv

面白いだなんて言って頂き光栄ですw
拝見しに来て下さるだけでもう俺鼻血出そうですよ(

応援有難う御座います! 頑張りますよ!
コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.103 )
日時: 2010/03/21 23:22
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…暇潰

暇潰しに何かやろうと考えましたw

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

━━━━


5、稜弥で恋愛サーキュレーション

/紫弓サーキュレーション


せーのっ
でもそんなんじゃ『だーめ』
もうそんなんじゃ『ほーら』

俺様調子にのるぜ? もっともっと


行動すれば失敗する俺なら 仕事を消せばいいやって
思ってた 願ってた だけどありゃ? やっぱり無理かも

攘夷の道も一歩から 石の様に固いそんな意志で
塵も積もれば高杉稜弥? 死ぬ気で、いや死ぬ気で!!

ふわふわり ふわふわる 
兄貴が名前を呼ぶ それだけで悪寒が走る
ふわふわる ふわふわり
兄貴が俺を頼る それだけで照れてしまう

神様 コノヤロー
運命の悪戯でも 仕事をする事が 屈辱なの


でもそんなんじゃ『だーめ』
もうそんなんじゃ『ほーら』
ストレスが悪化するぜ もっともっと

でもそんなんじゃ『やーだ』
ねぇそんなんじゃ『まーだ』

俺の事 見てろよ ずっとずっと


━━━━━

御本家様「恋愛サーキュレーション」
作詞:magrock様
作曲:神前暁様
編曲:神前暁様
歌:千石撫子(花澤香菜)
オープニングディレクター:大沼心様


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.104 )
日時: 2010/03/22 15:30
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 神 谷 浩 史 さ ん 惚 れ た 。 ___


恋愛さーきゅれーしょんっ

撫子ちゃん可愛いよねっwwww

でも化物語だったら暦君が一番っ(!ω・)!!

神谷さんだしっ(´`)★←

>>102 さりげなく100持っててたねwwごめっ


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.105 )
日時: 2010/03/22 16:39
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━/゜絆那,様
撫子かあいいよ撫子ー

はちくじさんでも良いと思うんだ俺(
あららぎさんー! 漢字ワカンネ(

>>100なんだおーw
俺キリ番って取った事無い(
コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.106 )
日時: 2010/03/22 17:33
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ ( ど ん な と き で も ) 恋 の S ・ O ・ S ! ___

>>105 暦君めっさ可愛すぎる\(^o^)/

浩Cボイスとか半端ねぇっ

銀魂でもうちょっと出て欲しかったorz

つか、デュラララや化物語以外になに観てるwww?←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.107 )
日時: 2010/03/22 17:32
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━━…参弐

ガガガガガッ!! と音をたて、床に突き刺さるメスの数々。
泉菟はそれをバク宙してかわし、扇子をブンッと扇いだ。

床に突き刺さったメスや注射器は、藍色扇子の風で飛ぶ。
またもや飛ばされそうになる有城だが、壁に普通の物よりやや大きめのメスを刺し、体を固定した。

「荒々しい女だ」

有城は余裕の表情で泉菟に言う。

「黙れ!!」

完全にキレた泉菟は、只今本気。
その怒りの眼はもう、有城にしか向けられていなかった。

━━━

砂埃を立てながら、ザザザッと走る銀時。
いくら走っても、港にはなかなか辿り着かない。

そろそろ体力も尽きてきた。
稜弥はこの距離を、泉菟を持って走ったってのか?
アイツは化けモンか何かかよ…

銀時はそんな事を考えながらも、港へ向けて、一生懸命走る。

そんな時だった。

銀時の足元に、紫色の弓矢が刺さった。

銀時は立ち止まり、前を見やる。
が、前には誰も居なかった。

「…ったく、稜弥だろ? 出て来い紫ナスビヤロー」

紫色のこの弓矢は、正しく稜弥の物。

銀時は面倒くさそうな声音で、そう辺りに呟いた。
辺りに誰か居る気配も無く、静かに響く銀時の声。

そして、銀時の声が響き終わったその瞬間である。

ビュンッ! と紫の弓矢が、銀時の後ろから飛んできた。

銀時はそれに逸早く気付き、木刀で飛んでくる弓矢を叩き折った。

弓矢が打たれた方向には、稜弥の姿。

「…オイオイ、危ねーじゃねェか。遂に頭にアイスでも湧いたか?」

『アイスが湧くってどういう事だよ、つか湧いたら怖ェよ。俺は万々歳だけど』

「万々歳なんだ、脳みそにアイス詰まって万々歳なんだ」

稜弥は弓を下ろし、銀時の冗談を本気にする。

銀時はその一瞬のスキを衝き、稜弥の目の前へと前進して、大きく木刀を振るった。
それを稜弥は焦りながらかわす。

『スキを衝くたァ卑怯だぜ、銀時』

「スキを衝くのが卑怯なら後ろから命狙ってくんのは何なんだコノヤロー」

ひゅるりと春一番が吹く。
3秒間間が開いた後、銀時が口火を切る。

「…もう銀さんここまで走ってきてバテバテなんだけど。今お前と戦ったら死にそうになるわ」

稜弥はフッと笑みをこぼす。

『あ? 銀時にしては弱気だな』

その言葉に、銀時は「オイオイ」と付け加える。

「お前何か勘違いしてんじゃね? 〝死にそうになる〟っつーのは、テメーをぶっ飛ばすのは骨が折れるっつー意味だよボケ」

銀時の表情は余裕の笑みだった。

次の瞬間、銀時と稜弥は飛び上がり、激しい攻防戦を始めるのである。

■━━……


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.108 )
日時: 2010/03/22 17:35
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ ( ど ん な と き で も ) 恋 の S ・ O ・ S ! ___

銀さんんんんn


なんか、アイス食べたくなってきたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.109 )
日時: 2010/03/22 17:37
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那,様

神谷さんの声癒しだよね癒し(

うーん、デュラララとか化物語見たことがない(
全て動画で得た知識((((

見てるアニメ無いんだよな( ´・ω・)
オススメあったら教えてくれなんだぜ。

俺もアイス食べたいようううう
明治エッセルスーパーカップゥゥゥ

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.110 )
日時: 2010/03/22 17:40
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=KAO4M5_Gf00

神谷さんはねー妖精さんっ∀・)   黙

デュラララおもしろいよねww

そこのURLの動画知ってるwww?

うざやさーきゅれーしょんっ(!ω・)!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.111 )
日時: 2010/03/22 17:46
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那,様

先生ッ、リモーネ先生じゃないか!!(

うざやサーキュレーションは何回か見たことあるお!
いざや可愛いよいざや

デュラララ面白そうだから見てみたいんだけどー…
どうやったら見れるんだろう( ´・ω・)?

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.112 )
日時: 2010/03/22 17:50
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: http://tvanimedouga.blog93.fc2.com/blog-entry-8122.html

あの先生、初めて聞いたときは

りある浩Cかと思ったwwwwww

デュラララはそのURLのとこから観るといいよww

あれほんとおもしろいwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.113 )
日時: 2010/03/23 17:56
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那, 様

デュラララは気が向いたら見てみるお( ´・ω・)

リモーネ先生似すぎてて吐く(^p^)

デュラララの小説があると聞いたから今度見てみる!!(

コメント有難う御座いましたw


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.114 )
日時: 2010/03/23 18:08
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ ( ど ん な と き で も ) 恋 の S ・ O ・ S ! ___

やっほー\(^o^)/

デュラララは小説もおもしろかったよv(1巻しか読んでないけど

さっきまで雑談でいろんな人と萌えを語りあってたんだけどさー、

萌えタヒに連発してたせいかアク禁なったっぽいんだよねーっ(´`)

暴走しすぎた\(^o^)/

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.115 )
日時: 2010/03/23 21:48
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那,様

アク、禁、だと…?
アク禁は一番辛いおね( ´・ω・) 俺二次板アク禁なった時泣きそうになった((

萌えを語り合える場所なんてあるのかい!(
今度俺もお邪魔するー(

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.116 )
日時: 2010/03/24 12:42
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: __ このあほの子は萌えタヒを連発しすぎて雑談をアク禁になりますた。_

やっく あげるちゃーっ \(^o^)/


アク禁なったら暇だよーっ(・Д・`)

自分があほという自覚はあったけどここまであほとは思わなかったww

管理人様とか笑うだろwwwwwwwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.117 )
日時: 2010/03/24 19:12
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那, 様

安芸有難うううう更新したくないいい(
暇潰短編うpしたら構想練る、絶対。

アク禁こわいよアク禁
萌えタヒ連発ww何という可愛いアh(ry

管理人様失笑するんじゃ((

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.118 )
日時: 2010/03/24 20:05
名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

名前を戻したよvあおいちゃんです(

ひょわわ;来ない内に沢山の更新だ(Σ´д`)
中々来れなくてごみんに←

今から全部読んじゃうねvv
お疲れ様なんだぜ! ((

それと、主人様宜しくですよぅ(`>∀<*)b

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.119 )
日時: 2010/03/24 20:11
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: __ このあほの子は萌えタヒを連発しすぎて雑談をアク禁になりますた。_

>>117 更新しなされぇぇぇぇっ!!

もし管理人様がコーヒーでも飲んでる時に見たら...ww

そんな事起きたら一生アク禁解除してもらえねぇっwwww((



Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.120 )
日時: 2010/03/25 21:40
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: __ このあほの子は萌えタヒを連発しすぎて雑談をアク禁になりますた。_

上げ安芸しゅみれーしょんっ\(^o^)/

雑談行けないと暇(;



Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.121 )
日時: 2010/03/25 21:59
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━志筑様
あらお戻りになられたのですね(
更新もっとしないと、ヤバいぞ、そろそろ本当に(

時々来てくれるだけでいいんだお( ´・ω・)
ただ来てくれるだけでもう俺幸せv

これから頑張って更新するよ!
主人様に宜しくしとくぜ!!
コメント有難う御座いましたw


■━/゜絆那,様
安芸有難うーv

管理人様「ブフゥッwwwwwwww」
大丈夫だよ管理人様は寛大なお心をお持ちだからきっと(

雑談行きたいなー(
コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.122 )
日時: 2010/03/26 20:08
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━━…参参

兄貴は俺を見てくれてると思ってた
兄貴は俺の事考えてくれてると思ってた

だけど 今この状況を見てみろよ
兄貴は俺を使って、昔共に戦った盟友を殺そうとしてんだぜ?

俺が殺しをしても、何も感じないと思ってんだろうか
近場に居た友達を自分の手で殺しても、何も思わないと思ってんだろうか、兄貴は

今までたくさん人をこの手で殺めてきた
怯えてても殺したし、許しを請われても殺した
でもその時、死にそうになるまで俺の心が痛んでた事は、この世の中で誰一人と知らないだろうな
人が怯えるっつーのは、それはそれは無様だ
今まで気丈だった奴の心が、一瞬にして粉々になる状況だと俺は思ってる

その心を粉々にした上で命を奪うっつーのはよ、何というか、腐敗した外道がやる事だと思うんだ
殺す奴に罪があって、そんでもって俺が粛清するってんなら、まだ分かるよ

でもその当の本人に何も罪は無い、ただこっちの都合が悪いから殺す

そんなんはただの我儘だ

そんな我儘を貫き通して、俺は人を殺してきた
でも今回はマジで、そんな我儘は通用しねェだろ

流石に、俺は兄貴にキレそうになった
命令聞いた時はね

でも、逆らったらどうなると思う
身寄りのねェ俺を拾ってくれた兄貴への恩を、仇で返すことなんだよ
そんでもって俺はまた1人になる
そんなの、絶対に嫌だ


銀時はあの青い髪の女を守る為に俺と戦ってるんだろう
大切な奴なんだろうな、あの女
銀時とか、万事屋に居た餓鬼共とか、そういや俺がアイツさらう時「返せ」って叫んでたっけな

大切なモンを守ろうとしてる奴を殺せるかよ




銀時の木刀が、俺の脚に強く直撃する。

『がっ!! いっつ……!!』

骨が軋んだ。
倉庫の屋根の上や、道端などに飛び移りながら長時間続いていた攻防戦に、やっと決着がついた。
それも、銀時の勝ちで。

何だろ、俺ここ最近負けてばかりだな

そんな情けない気持ちが、俺の心を支配した。
ガクリとその場に膝を着く俺。

ハァハァと息を切らしてる銀時は、敗者となった俺を見下ろしながら、木刀を腰に差した。

『…あーあ……負けちゃった…、負ける気は…無かったのに…』

荒い息をしながら、俺は掠れた声でそう呟いた。

銀時はハァとため息をついて言う。

「手加減してんのバレバレなんだよバーカ、途中で立ち止まったりよ」

風が吹いて、砂埃が舞い上がる。
眼に入ったゴミのせいで、俺の目から水が出る。

決してゴミが入ったからだ。泣いてるとか、そんなんじゃないと信じたい。俺としては。

急に泣き出した俺をみて、銀時はギョッとした顔つきになる。
そんでもって、頭の中で俺にかける言葉を捜している様だった。

『あー…、もう俺、どうしたらいいんだろ…。銀時…、俺、もう何がしてェか分からねェや…』

止めようとしても止まらない涙を手首で拭って、俯きながらそう言った俺。

しばらくの間流れた沈黙は、俺にとっては心地よい物だったと言ったら、気持ち悪がられるかな。

■━━…





Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.123 )
日時: 2010/03/27 11:08
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _________ 夏目君か神谷さんとこのにゃんこ先生になりたい。 ___

いつのまにか更新されてるwwwwwwwww

未だ、アク禁解除ならず\(^o^)/

ほんと暇になるwwwwwwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.124 )
日時: 2010/03/27 21:12
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那,様

凄い久々の更新だった( ´・ω・)

アク禁解除はまだまだ先かぬ( ゜Д゜)ホァ
暇潰しにネットサーフィンでもやらないk(

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.125 )
日時: 2010/04/12 19:17
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━━…参四


高く真上に飛び上がり、指に挟んだ大量のメスや注射器を思いっきり泉菟に投げつける有城。

泉菟はそれを風を巻き起こし回避するが、四方八方から飛んでくる全ての器具を、避けきる事はできなかった。

背中や腕に突き刺さるメス。
鋭い痛みが泉菟の体を蝕んでいく。

泉菟の動きが鈍った時、有城は構えていた注射器やメスを下ろす。
泉菟が不思議そうな表情をすると、有城はふうとため息をついて言った。

「…何度も言っているが、お前が何もしなければ俺は何もしない。逃げようとしなければ俺も追わない。なのに何故抵抗を止めないか」

暫くの間沈黙が流れる。
泉菟はただ荒い呼吸を繰り返しているだけで、何も答えようとはしなかった。

激しい戦闘のせいで廊下や天上、医務室の中はボロボロだ。
床や壁にも亀裂が入り、所々大きな穴もボッカリと開いている。

有城は泉菟を見つめた。

そして、やっと泉菟は口を開く。

「銀時が…仲間が殺されると聞かされて…、動かぬ方が狂っているのだ………。ゲホッ、我は貴様を倒し…銀時を助けてから、晋助を殴りに行こうと思っている…」

その眼は、有城を見据えてはいなかった。
ハァとため息をつく有城は、嫌そうに白衣の内ポケットから大型なナイフを取り出す。

そして、勢い良くブンッとナイフを指先から発射させた。

思いっきり泉菟の腹部に刺さるナイフ。
口から血を吐き、倒れようとする泉菟を、床に伏す直前に有城が抱きとめる。

意識は微かにだがある。
有城は泉菟を抱きかかえ、荒れ果てた医務室にへと連れて行く。
他から見たらお姫様だっこ状態。

乱暴に泉菟をベッドに寝かせ、服を剥ぐ有城。
そして、白衣の裏から消毒液やらを取り出す。

泉菟の意識は朦朧としていた。
そんな泉菟に、有城は言う。

「仲間の危機に動かぬ奴は狂ってる、とお前は言ったな。だが、仲間を信じてやれない奴もどうかと俺は思うぞ」

消毒液が入ったビンにガーゼを浸し、泉菟の傷口に当てた。

『…っつ』

沁みる痛さに顔を歪ませる泉菟。
そして、そこで泉菟の意識はぷつんと切れた。

■━━…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参四更新w ( No.126 )
日時: 2010/03/28 16:52
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━━…暇潰

何か凄い頻度で更新している暇潰更新ンン(
頑張って本編も更新したいんだけどどうしてもネタにつまって((

許してやってください((

今回は稜弥が鬼兵隊の人達に攻めまくられる話。
何故か。

替え歌じゃないですよ!
本編とは何ら関係も無いので、飛ばし可ですw
ではドゾーw


━━━━

6、万斉と稜弥。
/━稜弥花粉症になる 万斉篇━


何か俺、今流行している「花粉症」とやらにやられてしまったらしく。
鼻がグジュグジュ言うわ、眼には涙が溜まるわで、もう俺大変。誰かティシュ5箱ぐらい持って来て。
そんでもってなんか暑い。春だから暖かいのに、また子が
「気を緩めて風邪をひかれるを困りますから、部屋は常に暖かくして下さいッス稜弥様!!」なんて言うもんだから、めっちゃ暖房つけてた。
だけどこんなポカポカだから、別に要らないと思うけど。俺は。

只今俺の部屋。ポカポカと春の暖かい光が窓から差し込む。
やっと仕事終ったってんで、気持ちよくて昼寝したいんだけど、花粉症のせいで落ち着いて寝れやしねェ。

『…つまらん。万斉のとこにでも遊びに行こう』

ぐしゅぐしゅと鼻の中で気持ちの悪い音がなる。
鼻を啜りながら俺はすくっと立ち上がり、襖を開けて廊下に出た。



『うー…、ばんしゃい、今暇ー? グスッ』

鼻が詰まって「万斉」と上手く言えなかった。
鼻を啜りながら襖と襖の隙間にちょろっと顔を出す稜弥。

万斉の部屋。音楽プレーヤーやCDを入れる戸棚がズラリと並んでいる。
表向きの職業が音楽プロデューサーだからね。

「おお稜弥殿、……どうしたで御座るか、その声は」

『えー…、グシュッ、まぁ…いろいろとあって…』

花粉症、という弱弱しい事でこんな感じになってる、と言うのは恥ずかしかった稜弥。
何とか上手く誤魔化せた。が、しかし。
万斉はそれを誤解してしまう。

万斉が誤解してしまう要素はたくさんあった。

まず、涙のせいで潤んだ目。
次に鼻声である事。
そして極めつけは暖房に長くあたっていたせいで赤くなった顔。

まさか、これは…と万斉はゴクリと生唾を飲む。

「……稜弥殿、拙者で良かったらいつでも相談にのるで御座る」

『え? ちょ、万斉何言ってんの?』

晋助が日頃稜弥殿にだけ仕事を押し付けるから、とうとう稜弥殿落ち込んでしまったんじゃないか
そんな優しい誤解である。

そしてその後、小一時間悩みは無いかと万斉に問い詰められた稜弥であった。


終われ。

■━━……

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.127 )
日時: 2010/03/29 21:04
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日


もうこれからどうしよう( ´・ω・)泉菟篇なげェ

ちょっと安芸ますw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.128 )
日時: 2010/03/29 21:50
名前: ( ´・ω・ )ショボン玉 (ID: Gqv37Ep.)

お初です。

帽子屋さんの文才素敵過ぎです。
何と言いますか、読んでいて飽きません。
これ書籍化してくださi(

えっと騒がしくてすみません。
更新がんばってください!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.129 )
日時: 2010/03/29 22:26
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━ ( ´・ω・ )ショボン玉 様

お初ですv
文才素敵ですか!? 凄く嬉しいです、有難う御座います!!
こんなお豆小説が書籍化なんて恐れ多いですよ!!(

応援有難う御座います、これからも頑張りますよ!!

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.130 )
日時: 2010/03/29 22:32
名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

こんばんにゃ(`・∀<*)

今晩の夜はとても雪が綺麗だよ、長野は(笑
ボク長野住みなのだよぅv林檎美味s(ry
でも何故3月に雪?おかしいなって感じです(^w^*)
だって予想ハズれだったんだもの! ((


更新お疲れ様だぞ←☆

主人様、良ければ紅茶は如何かな(

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.131 )
日時: 2010/03/29 22:42
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━志筑様

こんばんわー!( *・ω・)ノ

新潟県も一向に寒さが衰えない( ´・ω・)
もう3月なんだよ、いい加減ちぇりーぶろっさむ咲かないかなーw
以外に長野県って近かった( ゜Д゜)お隣さん!!

更新頑張るおーw


では、一杯頂こうかな
砂糖は多めに頼むよ

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.132 )
日時: 2010/03/31 12:43
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _________ 夏目君か神谷さんとこのにゃんこ先生になりたい。 ___

ばーちゃん家いってたーっ\(^o^)/
めいとにもいったーっ\(^o^)/
金使いすぎたぜーっ\(^o^)/

つーことで2,3日ぶりだね、うん(・Д・`)

でも、まだアク禁解けてなかったorz

暇潰のやつウケるwwwwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.133 )
日時: 2010/03/31 14:44
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那,様
俺は新潟県のショッピングモール行ってたー\(^o^)/

うん久しぶりー( ´・ω・)
アク禁wwwまだ解けてないだとwwww(

暇潰の奴、本当はエロ( 方向に持って行きたかったんだけど無理だった( ´・ω・)

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.134 )
日時: 2010/03/31 15:57
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ____ 神 谷 病 末 期 症 状 \(^o^)/ ____________

>>133  おまっwwwwwwwwwwww((

つか新潟なんだww 寒そうっ(゜Д゜)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.135 )
日時: 2010/03/31 16:38
名前: 真鶴 (ID: A9wxTbZM)

更新乙です♪

一つ質問なんですけど、一番最初の>>1とかどうやるんですか?(←超バカです。)教えて下さい(良かったら、の話ですが。)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.136 )
日時: 2010/03/31 16:48
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:      ──瞳を閉じれば貴方が 瞼の裏にいる事で    /3月9日

■━/゜絆那, 様
万斉が襲えばよかったんだ( ´・ω・)

新潟県寒いようどうにかしてよう(

コメント有難うなんだぜ!!


■━真鶴様

えーっと、俺説明下手なんで分からなかったら御免なさい( ´・ω・)

まず半角で「>>」と打ちますw
次に、>>の後に半角数字の「1」をつければできますw

>>1←こんな風にですww

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.137 )
日時: 2010/03/31 17:11
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ____ D G S 響 あ に め 化 し て 欲 し い 。 ____________

>>136 ちょっwwwwwwwww((

新潟は寒いよね、うん。行った事ないけど(´`)

私は熊本だから、まぁ寒いけど

そっちほどじゃないと思うwww

そして夏は暑いのさっ(・ω・`;)


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.138 )
日時: 2010/04/01 10:14
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━/゜絆那,様

新潟県の春到来遅すぎます本当に(

く、くまもと、だと…?
ごっさ遠いじゃないか!!( ´・ω・)

夏早く来いよ夏

コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.139 )
日時: 2010/04/01 11:22
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━━暇潰

暇を潰すために小ネタ集でもやろうかなと考えました((

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

今回は雰囲気的に稜弥死ネタかもしれない…( ´・ω・)

━━━

7、稜弥で初音ミクの消失─DEAD END─
/高杉稜弥の消失─DEAD END─


『も…無理……なの…か…な……?』


俺は生きて そして気づく
所詮 俺は罪人だと
知って尚も戦い続ける
永久の呪縛 「攘夷浪士」

たとえそれが人生をも なぞる玩具ならば
それもいいと決意
夜空見上げ 涙拭いて 笑みを零す

だけどそれも失くし気づく
人格すら弓にゆだね 
不安定な地上の元 帰るトコは当に消えた
皆に忘れ去られたとき 心だった物が消えて
暴走の果てに見える 終る自分 「高杉稜弥」


『俺がヘマしても、一緒に居てくれた
 傍にいて、励ましてくれた………。
 喜ぶ顔が見たくてさ、俺、結構頑張ったよ? なのに…』


かつて 戦うこと
あんなに 楽しかったのに
今は どうしてかな
恐怖 感じるようになって

(何で…?)

懐かしい顔 思い出す度
少しだけ 安心する
殺す恐怖 日ごとに増え
迫る最期n…

『うああああああああああああああああああああ!!!!』

—O V E R   K I L L—


信じたものは都合の良い平穏を
繰り返し映し出す 蝶々
〝最強〟を辞め 叩きつける様に叫ぶ

<最高速の別れの唄>


存在意義なんてコトバ
俺には必要もないし
弱い心 増える恐怖
侵食する崩壊をも
止める程の意思の強さ
今の俺は何も持たず

とても辛く悲しそうな
思い浮かぶアンタの顔

終わりを告げ
闇一色の中で眠る ここはきっと地獄かな
じきに記憶も無くなってしまうなんて…
でもなお前等だけは忘れないよ
楽しかった時に 刻み付けた 愛の味は
今も覚えてるから


『…生きたい…、けど…無理だよ…』

『死ってモンは、こんなに怖ェモンなんだな…
 兄貴さ、そんな辛そうな顔してる暇があったら、俺を殺してよ
 アンタのその顔、もう、見たくねェから』


今は歩みさえも
体 蝕む行為に…
奇跡 願うたび 
独り 追い詰められる

(すまねェ)

懐かしい顔 思いだす度
記憶が 消失する
壊れる意思 心破壊 せまる最期n…

『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』

—O V E R  D R I V E—


守ったモンは明るい未来 幻想を
見せながら 喰らいつく 蜘蛛で
自我を犠牲に 全てを伝えられるなら……

<圧縮された別れの唄>

俺は生きて そして気づく
所詮 俺は罪人だと
知って尚も戦い続ける
永久の呪縛 「攘夷浪士」

たとえそれが人生をも なぞる玩具ならば
それもいいと決意
夜空見上げ 涙拭いて 笑みを零す

終わりを告げ
闇一色の中で眠る ここはきっと地獄かな
じきに記憶も無くなってしまうなんて…
でもなお前等だけは忘れないよ
楽しかった時に 刻み付けた 愛の味は
今も覚えてるよな

俺は唄う
最期 お前等だけに
聴いてほしいコトバを
もっと 喋っていたいと願う
けれど それは 叶わぬ願い

ここでお別れだな
俺の想い 全て 青空に消えて
0と1の小さな隙間に 俺は吸い込まれる

そこに何も残せないと
やっぱ少し寂しいかな?
名前と記憶 それ以外は やがて薄れ 虚像が残る

たとえそれが
この俺が 息絶える瞬間だとしても
伝えきった事を しっかりと覚えていてほしいよ

『…ありがと……そんでもって…、またな…』

━ Her dream disappeared to the distance ━

━━━━

御本家様
作詞・作曲:cosMo(暴走P)様
歌:初音ミク

歌詞様
ボーカロイドの歌詞置き場様


今までで一番頑張った暇潰( ´・ω・)
文字数オーバーじゃない事を願う、うん( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.140 )
日時: 2010/04/01 13:57
名前: /゜絆那, ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___ 神谷浩史のオールナイトニッポン放送決定\(^o^)/ __________

>>138 馬路でかww

夏は暑いから嫌だ(A)←

でも夏休みは早く来て欲しいwwwww((

>>139 すげえ(゜Д゜)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.141 )
日時: 2010/04/01 16:35
名前: 真鶴 (ID: A9wxTbZM)

>>139 泣くかと思った…
やっぱ貴方は神だ。
すげぇ…てっぺんだなァ…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.142 )
日時: 2010/04/01 17:06
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━/゜絆那,様

夏はアイス食べ放題でいいじゃないか( ´・ω・)
夏休みもあるし、最高ですよ夏! 夏万歳!!

稜弥の消失頑張った( ´・ω・)
最初消えてまたやり直しだったんだよ指いてェ(
スゲェって言ってもらえて嬉しいwwwww

コメント有難う御座いましたw


■━真鶴様

ただ長いだけで良く見えてしまうという罠(
こんなんで泣いちゃ駄目ですよ!! 本家が一番感動します((

神じゃないですお豆です( ´・ω・)
てっぺんじゃなくて底辺です( ´・ω・)
でも褒めてもらって光栄ですw

コメント有難う御座いました!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.143 )
日時: 2010/04/02 09:41
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』


ごめんなさいネタが思いつかない( ´・ω・)
どうしようあれから、どう次に繋いで行こう本編( ´・ω・)

とりあえず安芸。

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.144 )
日時: 2010/04/02 09:59
名前: 蛍 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

久しぶりだぞう(`・∀・*)
志筑だよ、志筑vv

改名して〝蛍〟にしたの(´・ω・)b

あ、それはそうとね、更新見たよー(*・ヮ・*)ノ

流石だね、1分で全部読んじゃうくらい面白かったんだぜ! ((
続きも頑張れぃ((←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.145 )
日時: 2010/04/02 11:04
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━蛍様

お久しぶりーvわふふふ(

可愛くて美麗な名前たくさん持ってるね( ´・ω・)


更新全然してないよ誰かネタ提供して( ´・ω・)
続きなんて考えてないようわああああ((
コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.146 )
日時: 2010/04/02 11:08
名前: 蛍 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)

やふぅぅ(´∀`*)


帽子屋を見るといつも安心するよ(`・ヮ・)v

僕の名前が素敵ですて?
?うわーいご主人様に褒められちったよわふふふ((w
ネタ提供なんて無理さ僕だって同じ地位に立ってるんだものいやだあああ(((←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.147 )
日時: 2010/04/02 12:14
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━蛍様

安心? お豆さんを見て安心する蛍ちゃんの寛大な心に乾杯!!((

蛍ちゃん可愛いよ蛍ちゃん

ネタって詰まるよねー( ´・ω・)ネー
更新いやだああああ((
もうこのシリアス篇いい加減終らせたい

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.148 )
日時: 2010/04/02 21:52
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』


■━━…参伍


暫く沈黙が続き、嗚咽をしながら何とか涙を止めようとする稜弥。
手首でゴシゴシと擦ったその目は、真っ赤に充血しかけていた。

「…稜弥」

銀時は小さく名前を呼ぶ。

『…っく……、何…?』

稜弥はまだゴシゴシと目を擦りながら返事をする。

「おめーはよ、何でおかしな事しかしねェ奴のとこに居んだ? 何で高杉に従うんだよ」

自分自身がおかしいと思う事でも、素直に高杉の言い成りになる稜弥が、銀時は可哀想に思えた。
もしかして無理矢理従わされているんじゃないかとも疑える。

けれど稜弥は、銀時の予想と大きく外れた答えをする。

『……兄貴は昔からそういう性格だから。
俺が何言ってもどうせ聞かないし、歯止めがかからねェのはもう何度も経験してる。
周りから変だとか言われるのも仕方がねェんだよ』

ほら、やっぱりそうだろ。
と、銀時は言いそうになるが、稜弥はまだ小さな声で呟く。

『でも、やっぱりそれでも俺は兄貴の事尊敬してる。
強いし、頭もキレるしさ、ほら、俺とは正反対にいろいろと考えてるんだよ。
多分今回の事もいろいろ考えてるんでしょ。俺はそうだって信じる』

銀時は予想外の回答にため息をつく。
まったく、救いようのねェ馬鹿だな、コイツは。

だが、そこが稜弥がいろんな者達から慕われる要因なのだろう。


『けど……』

稜弥はそうぽつりと言った後に、また大粒の涙を流しだす。
銀時はまた驚いて、「今度は何だよ」と言わんばかりに肩を落とした。

『今回だけは…俺も良く分かんねェんだよな…
 お前はただあの女を守りたかったからここまで来たんだろ? 
…何でッ、何で俺がそんな奴を殺さなきゃいけないんだよォッ!! 大切なモンを守ろうとしてる奴をッ、何でッ……』

涙雑じりの悲痛な声で、稜弥は今までの胸のうちを泣き叫ぶ。

銀時は、そんな稜弥をゆっくりと自分の胸に抱き寄せた。

『……ッ!』

「お前もいろいろと辛かったんだな。
まぁ何にせよ、お前が本音言ってくれて良かったぜ。このままずっと溜め込んでたらよ、お前にも周りにも毒だろうしな」

銀時の優しい声が、稜弥の涙腺を刺激する。

「めーいっぱい泣いとけ」


次の瞬間、稜弥が子供の様に泣きじゃくったのは、銀時しか知らない。


━━━━━━


ひとしきり銀時の胸で稜弥が泣いた後、稜弥と銀時は江戸の甘味屋で一服していた。
まだ稜弥の元気は回復しなそうだと見込んだ銀時は、団子を三本ほど奢ってやる事にしたのだ。

「ほら」と、銀時は甘そうな蜜のかかった団子を差し出す。
『ん…』と俯いたまま団子を受け取る稜弥。

そのまま2人は甘味屋の前の長椅子に腰掛ける。

もっちゃもっちゃと団子を頬張る銀時に対し、稜弥は一口も団子を口にしていない。

「ほら、折角銀さんが大盤振る舞いしてんだからたーんと食べなさい」

『ん…』

そう促しても、稜弥の口が開くことは無い。

稜弥は不安なのだ。
「任務遂行しませんでした」なんて言って帰ってったら、命令を聞いた時半分キレた手前、故意にサボったと誤解されてしまうんじゃないかと。

銀時はそれを察していた。
まぁそれは頭が残念な稜弥の事だから、解決策なんて見出せないだろうな……。
なんて失礼な事も脳内で思っていた。

こんな状態でほっとく訳にもいかねェしなァ…
ハァ、お人よしもいーとこだな、俺も。

「おい」

銀時がそう呼ぶと、稜弥は肩をビクつかせて銀時の方に顔を向ける。

『え、何…? 団子ならちゃんと食いますけど…?』
「それはどっちでもいいよ、団子食べないから怒るって俺どこのオカン?」

「そうじゃねーよ」と銀時は面倒くさそうにため息をつく。


「高杉には俺を殺したって言っとけ。その方がお前も都合良いだろ」

その言葉に、稜弥は驚きの表情を見せる。

『ちょっ、ンな事冗談でも…、女はどうするよお前!』
「今はンな事言ってる場合じゃねーだろーがコノヤロー。大丈夫だ、今のお前があそこに居んならよ。俺も安心だわ」

銀時がそう言うと、稜弥は少し嬉しそうな顔をした。

そして銀時は席を立つ。
「俺の嫁宜しくね稜弥チャン」と悪戯っぽく言うと、ザッと地面を鳴らしてその場から去っていく。

『あっ……、銀時!!』
稜弥は言い忘れたと焦りながらその場に勢いよく立つ。

『今日はその……、いろいろとありがとな!!!』

銀時はそれ聞くと、黙って右手をひらひらと振った。


今日は俺、銀時にいろいろと救われたな、と稜弥は感じた。
そして気持ちを新たに船へ向かおうと、甘味屋を立ち去ろうとした時だった。


「お客さん、お会計」

■━━……

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.149 )
日時: 2010/04/02 23:16
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

ちょww流れるのはwwwやwwっうぃwwww(

安芸させてください( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.150 )
日時: 2010/04/03 13:02
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

暇潰アンケートでも出そうかぬ( ´・ω・)
とりま安芸まつサーセン

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.151 )
日時: 2010/04/03 21:50
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━━…暇潰


暇を潰すために小ネタ集でもやろうかなと考えました((

好き勝手やるので、替え歌耐性などが無い方はBACK!!!

━━━

8、稜弥でルカルカ★ナイトフィーバー
/うりゃうりゃ★リョウヤフィーバー


『らめらめよ☆』

(「……何だそりゃあ、どこの変態だ稜」)
(『ちょっ、変態って何!? あれだよ歌詞だから! 決して俺が望んで言った事じゃないから!!』)
(「……テメェならやりかねねェ…」)
(『失礼なァァァ!! あっ、ちょっ、始まるッ!!』)


右から左へと 書類が目に入る
退屈そうな顔 仕事サボりたい俺
兄貴のスキをつき いつでも抜け出す
分からないでいて こっち見ないでよね

俺の事 誰よりも分かってる
だから とても恐ろしい
怖がらないで? 無理を言うんじゃねェ!!

うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
船外に連れて行ってよ
嫌な事何もかも 忘れたいから
うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
俺なら外に居るから
少しでも視線が 会ったら駄目駄目よ!!


二日酔い 長続き
アイスも 食べらんない
心で『ヘルプミー』 兄貴は笑ってる

授業では教わらない事が
俺の 日常茶飯事
夜の扉は まだ俺には 早い

うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
あふれる想いで沈没
限りあるこの時を 胸に刻んで
うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
朝日は昇るが寝てよう
寂しそうなそんな目 一度は見せてよね

アンタの事 誰よりも分かってる
だから 優しくしてよね
生まれた意味は 俺にもあるんだよ

うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
高まる鼓動を感じて
後ろ見りゃ 鬼の顔 兄貴が迫る
うりゃうりゃ★ナイトフィーバー
俺ってば涙目だから
少しでも 後ろを 見ちゃえば駄目駄目よ☆

だめだめよ☆

━━━━━━

御本家様「ルカルカ★ナイトフィーバー」
作詞・作曲:samfree様
唄:巡音ルカ


何故うりゃうりゃにしたのか俺も不明( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.152 )
日時: 2010/04/03 23:12
名前: 光素.聖忌 ◆QbxCHceaIo (ID: kSUj1nMa)

どうも、久しぶりです
流されていると聞いてやってきました!((

銀魂の小説書きたいけど、中々思いつかないです(´・ω・)
私に才能をください((

それでは、失礼致しました〜

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.153 )
日時: 2010/04/04 11:35
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━光素.聖忌様

お久しぶりですー( ´・ω・)
もう流されて一気に見えなくなりましたどうしよう((

聖忌シャンには才能あるお!!
見てみたいなー、なー(

また遊びに来てください( *・ω・)
コメント有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.154 )
日時: 2010/04/04 18:42
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 3 5 歳 児 に 夢 中 の 絆 那 で す 。 ← ___


安芸るZE\(^o^)/☆

2日ぐらいこなかった間に更新とかされてる(・Д・`)

そして雑談のアク禁もとけたさーっ\(^o^)/←

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.155 )
日時: 2010/04/04 18:55
名前: 紫陽花 (ID: xrNhe4A.)

らーめらめよ、ふうぅぅ(ry
もうあれだよね、ぼーちゃんってさ替え歌の神だよねっbb

そんな素敵な貴方を心から応援していますw
以上!ぱーぷるふらわーでしt(((

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.156 )
日時: 2010/04/05 21:23
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: _____ 3 5 歳 児 に 夢 中 の 絆 那 で す 。 ← ___

安芸るちゃーっヾ( ∀ )ノ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.157 )
日時: 2010/04/06 16:53
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━きずな様
アク禁解けおめでとー( *・ω・)
これでまた萌えタヒ言えるね!! 連続には注意なんだぜ!!(

更新もうネタが無い死にそう(
そして安芸有難うー!!
コメント有難う御座いましたw


■━紫陽花様
替え歌の神ってどんな称号((
神というよりお豆じゃないかな、替え歌のお豆(

応援有難うなんだぜw
あーちゃんから応援してもらったら頑張るっきゃないね!
コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.158 )
日時: 2010/04/07 19:41
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: __________夏目君と同じ高01になりますた。 _

ネ..ネタがないだとっ?!

いや、がんばるんだっ!!

君ならできるさっ∀・)


またアク禁になるのは嫌なんで

発言にはちょっと気をつけたいと思う←

あれは、ほんとアホだwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.159 )
日時: 2010/04/10 21:34
名前: ( ´・ω・ )ショボン玉 (ID: quLGBrBH)

あーげまーす(・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.160 )
日時: 2010/04/11 18:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━きずな様
本当にネタがないのヤバい((

俺には無理だよおかーさぁぁぁぁん((

萌えタヒ連発してまたアク禁になったら盛大に笑ってやる!!((
コメント有難う御座いましたw


■━( ´・ω・ )ショボン玉様
安芸有難う御座いますーw

本当にサボってんな俺(
コレを怠惰というのだね!!(

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.161 )
日時: 2010/04/13 18:17
名前: 紅欄 ◆codxyvWiaY (ID: cTS7JEeA)
参照: http://モト刹羅っす

更新まってっから!
てか、ちょー久しぶりなんだけど!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.162 )
日時: 2010/04/13 20:36
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ______も う だ め 、 デ ス り そ う 。_

やっとテスト終わったー

久々の安芸ー\(^o^)/


>>160   wwwwww絶対気をつけるわww


おかーさんなんかに頼らないで自分で書くんだぞー   黙

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.163 )
日時: 2010/04/15 20:15
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ________________ダメだ… 僕 もう デスちゃうかも…_


安芸とくZE☆\(^o^)/

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.164 )
日時: 2010/04/24 21:07
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ________________ 劇場版銀魂公開\(^o^)/

久々の安芸ww
最近更新ないねー...
いっ..生きてる?!


今日、友達と銀魂の映画観に行ったよーv
みんなかっこよかった\(^o^)/

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.165 )
日時: 2010/04/25 21:32
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

更新更新する詐欺でタイーホされそうどうしよ((

絶対してやる( ´・ω・)


■━紅欄様
更新したいんだけどもうどうアイツ等動かせばいいか分かんないよォォォ(

絶対します( ´・ω・) コメント有難う御座いました!

■━きずな様

何故デスりそうなんだし( ´・ω・)
銀魂映画見に行きたいよー(

死にそうなくらいネタが詰まってるんだよあががが(

安芸有難うー、いい加減更新するよー(
コメント有難うなんだぜぇぇ(

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.166 )
日時: 2010/05/01 19:09
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ──「ずっと好きだよ」『でっていう』

■━……参六


「おや、どこのチビかと思えば稜弥じゃないかィ? 何をビクついているんだね」

『ビクついてなんかないわ!! …いや、ビクついてるか……。
 つかチビじゃねェし!! 似蔵こそそこで何してんだよ』

稜弥が恐る恐る船の前に帰ってくると、岡田似蔵が外に立っていた。
船に入るのが怖かった稜弥がビクビクしながら船の入り口付近をうろついているのをうっかり見られてしまったのである。

「くく…、中で奇妙な藍色の髪をした女が有城と暴れていてねェ。
 まぁ決着はついた様だが…見てるとウズウズしちまうんで、外に出てきた訳さ」

似蔵は「お鼻スッキリ」をワンプッシュし、そう淡々と話した。
稜弥はその話を聞いた直後、脳裏にふと銀時が浮かんだ。

( 今のお前があそこに居んならよ。俺も安心だわ )
( 俺の嫁宜しくね稜弥チャン )

俺が負わせた傷で先生と戦ったってんなら、勝敗は目に見えてる…
ヤベェぞ、俺宜しくされたのに、あの女がもっと大きな怪我したら———

稜弥は居てもたってもいられず、その場から駆け出し、船内へ飛び込んでいった。

似蔵は、また妖しげな笑みを零し、呟いた。

「また誰かに何か言われたんだろうねェ。
 いろんな事に流されるのが、お前の悪い癖だよ、稜弥」


━━━━


「…驚いた、傷薬が空になってしまった」

そうぽつんと薬品棚の前で呟いたのは有城だった。
空っぽになった傷薬のビンを恨めしげに見て、トンと机の上に置いた。

「一日にどれぐらい治療をしたのか…、! 何という事だスペアも無い」

奥へ奥へと手で棚を漁ったが、傷薬のスペアが出てこなかったらしく、ずーんと肩を落とす姿はレアだった。

すると。
かちゃん、きぃ、と戸を開ける音がした。
有城は戸の方に目をやる。

そこには、煙管を吹かした高杉の姿があった。

「よォ。傷薬を切らすたァ船医にあるまじき失態だなァ六助」

「…失態という程の問題でもありません故。また何かお有りですか」

またお前かと言わんばかりの怪訝顔を浮かべ、有城はふうとため息をついた。
高杉は何も言わず、ただ静かに泉菟が寝ているベッドに近づいた。

スヤスヤと先程の乱闘が無かったように穏やかに眠る泉菟。
その泉菟の頬を、高杉は冷たい指で頬を触った。

泉菟を見つめる貴方の瞳には、何か悲しい物が映っていたと思うのは、俺の思い過ごしなのだろうか。

有城はそんな事を思いながら、空になったビンをゴミ箱に投げ込んだ。


「嗚呼、そういえば。貴方に頼まれた事、ちゃんとやっておきましたよ。
     こういう事はこれからは俺に頼むのはよしてもらいたい物ですが」
と、思い出した様に言う有城は、徐(おもむろ)に白衣から丸まった書類の束を取り出す。

その書類達の表紙には、「秘」と大きく書かれていた。

高杉はそれを貰うと、手で簡単にパララと捲りあげる。

暫くその書類を凝視すると、クククと妖しい笑みを零し始めた。

「しっかりと調べてくれてんじゃねェか。どこから仕入れんだこんな情報はよ」
「貴方が調べろと言ったから調べたまでです。調べたら出てくるモノなんですよ。ただ…こんな事何に役立つかが俺には甚だ検討がつきませんが」

呆れた顔した有城はニヤニヤとしている高杉に若干引いた。

高杉は書類を懐にしまうと、寝ている泉菟を担ぎ上げ始める。
それを見た有城は驚き、
「…何をやっているのですか、まだ目も覚めていないというのに」
と、静かに高杉に言う。

高杉は、少しの間 間を置いてから

「…コイツとは話があんだよ。目が覚めてからじゃ遅ェ」

と有城に静かに言った。

何も言えなくなってしまった有城は、出て行く高杉をただ、見送るだけしかできなかった。


■━━……


Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参六更新v ( No.167 )
日時: 2010/04/29 18:41
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ____________ 右 手 に 真 実 を   左 に 光 を _


なんか更新されてるっ\(^o^)/

ほわーっ



>>165 映画もう1回観に逝きたいけど金がないorz

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参六更新v ( No.168 )
日時: 2010/05/03 20:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ────イカれた神には制裁を

■━きずな様

あっはっはもう映画見たくて狂いそう((

いいなーいいなー、行けただけでも幸せジャマイカ(

コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参六更新v ( No.169 )
日時: 2010/05/03 20:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ────イカれた神には制裁を



■━━…参七


「と、いう訳で、我等が泉菟ちゃんはあそこに置いて来ましオブフゥゥ!??」

「「この腑抜け天然パーマメントがァァァア!!!」」

万事屋に帰宅後、銀時はあった事を最初から最後まで余す事なく話した。
そうしたら、新八と神楽の鉄拳が顔面に飛んできた。

ガッターンと椅子ごとぶっ倒れる銀時。
「いってェな、何しやがんだコノヤロー!!」と腕を組み仁王立ちする2人に怒鳴りつける。

「見損ないましたよ銀さん、待ってろなんて言って、連れ戻してこないなんて」
「だからお前は銀ちゃんなんだヨ、マダオなんだヨ。
 泉菟が戻ってこないと冷凍庫にあるアイス食べていいか聞けないネ、どうしてくれるアルカ!!」
「え、神楽ちゃんそっち?」

ゴゴゴと怒りのオーラをあらわにする2人に、銀時は
「話聞いてなかったのか!? 稜弥と約束して来たんだっつってんだろーが!! 
        泉菟の事も心配いらねェって! そんでもってアイスは俺んだ!!」
と、頭と顔を撫でながら、目に涙を溜めて言った。

「いやアンタのかよ!!」とツッコんだ後、新八は続ける。
「そんな事より銀さん、仮にも泉菟さんを誘拐した人ですよ!? 
 そんでもって弓で怪我を負わせた人ですよ!? あの紫色の人、簡単に信用しちゃいけませんって!!」
焦った顔で銀時にそう言った。

神楽もこればっかりは新八と同意見な様で、うんうんと相槌をふっていた。

「だーっから、前に言っただろ!? 俺と泉菟とあの紫馬鹿は一緒に攘夷戦争で戦った事がある腐れ縁だって!!」
「そんなの初耳ですよ!!」

銀時は「あれ? 言ってなかった?」と拍子抜けした。

「んー… じゃあ言ってなかったら良い機会だし、話してやんよ。聞くだろ?」

銀時がそう言うと、新八と神楽は少し間を置いて、こくりと首を縦に振った。


━━━━

季節は多分夏。
忙しく蝉が鳴き、新緑が萌えるこの季節。
俺等の元に、なんかちっせーガキがやって来た。

「え、晋ちゃん何このチビ」
「拾った」
「え? 何? 銀さん良く聞こえなかったんだけど、ヅラ、高杉何て言った?」
「俺もよく聞こえなかった、坂本、何て言ったこやつは」
「さぁのぉ、わしも聞こえんかったき! あっはっはっは!! 晋助もう1回言ってくれんかの」
「拾った」
「「「はいィ!?」」」

そんなやり取りを俺等が繰り広げている中で、
そのガキはにこりともせず、ただ外に激しく降り続ける雨をずっと見つめていた。

「外で、もう少し先の松の下に居た」
高杉はそう言うと、ぽんとそのガキの頭に手をのせた。
が、ガキはそれを払いのけ、縁側からヒョイッと外へ駆けていってしまった。

「…なんか、嫌がられてね? 拾った割には」
「…高杉、まさか拾ったというのは嘘で拉致してきたと言うのか」
「してねェよこの天パとウザ長髪が。ンな事言ってる暇があったら追いかけて来いや」

高杉にそう言われた俺とヅラは渋々追いかける事になったのだが、
俺は面倒だったのでジャンケンをして負けたら追いかけるという事に持ち込んだが、結局俺が負けて、俺が追いかけるという形になってしまった。

「あっはっはっは!! わしは無視? ねえわしは無視?



外は雨が降っていた。
地面もぬかるんでいて、とても滑りやすかった。

「ったく、何で俺がこんな事……」
どこまで行きやがった、あのクソガキ。

ザバザバと激しく降る雨が鬱陶しい。
庭には居らず、仕方なくもう少し先のほうに行ってみる事にした。

そこで、やっと見つけた。少し先の方へ行った道のど真ん中に、そのガキと、何故か泉菟が。

泉菟は屈んでそのガキに何か話している様だった。

「泉菟ー」
俺がそう呼ぶと、泉菟は困ったような顔をこちらに向け、ちょいちょいと手招きをした。

泉菟とガキの近くに寄ってみると、ガキは赤黒い着物を泥だらけにし、わんわん泣きじゃくっていた。

「勢い良く転んでしまったらしく、怪我をしているようだ。…銀時、この童は一体」
泉菟がそう尋ねて来たが、どう答えればいいか分からず、とりあえず俺は2人を連れ、また戻ってきた。

さて、高杉に事情をアイツの耳にタコが出来るまで聞いてやろう。

■━━…

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参七更新w ( No.170 )
日時: 2010/05/04 11:33
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ────イカれた神には制裁を

ageますサーセン( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参七更新w ( No.171 )
日時: 2010/05/04 12:20
名前: 。○+CROSS+○。 ◆mjPTpQ8Ao. (ID: RwzJGXJK)

やっほ〜、CROSSです(*´∀`*)
小説めっちゃ面白い!
更新頑張ってね、応援してるよ^^*

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参七更新w ( No.172 )
日時: 2010/05/05 13:08
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ___________________小野大輔聖誕祭はまだ続く。

更新されてるーっ
安芸ーっ\(^o^)/


今日は土方君と子安さんの誕生日\(^o^)/
二人ともおめもすっ!





「「この腑抜け天然パーマメントがァァァア!!!」」←

これウケるwwwww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参七更新w ( No.173 )
日時: 2010/05/07 22:20
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)

■━CROSS様

超久しぶりだねっ( ´・ω・)
面白い? やべぇ目から滝が( ´;ω;)
応援有難う!! 頑張るよ!!
コメント有難うなのでした( ´・ω・)

■━きずな様
安芸有難うーっ
土方君子供の日なんだよね誕生日(
子安さんんん(

ウケる小説ってわかんないよね、書き方( ´・ω・)
コメント有難う御座いましたw

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.174 )
日時: 2010/05/12 22:25
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)

すっげえ遅れてるけど土方君の誕生日祝い書くよ絶対

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.175 )
日時: 2010/05/17 20:49
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ________________楽しいのが正義だー!

久々の安芸\(^o^)/
やっとこさ中間テストとかいうものが終わったさww
学生ってホントめんどくさいね(´`)
まぁでもテスト終わればまたotkに戻るさ((

>>174 期待してるZE☆イエー\(^o^)/

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.176 )
日時: 2010/05/28 20:07
名前: 裂谷 (ID: A9wxTbZM)

どもですっ!
え?知らないですか?
すんません!俺真鶴ですっっ!
これからもよろしくですー!

話変わりますが、替え歌が大好きなんで、リクしていいですか?
ボカロの『下克上』『暗い森のサーカス』『悪ノ娘』『悪ノ召使』などどうでしょう?
下克上は高杉兄弟に合いそうなんでww
以上、バカでしたー!!(オイ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.177 )
日時: 2010/06/08 21:13
名前: きずな ◆voice/6HWk (ID: 5LwYdnf7)
参照: ________________楽しいのが正義だー!

久々の安芸ww

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.178 )
日時: 2010/06/25 21:16
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:                ────もう暴れまくれ!!

■━裂谷様

お久しぶりですー!

替え歌のリク有難う御座います!
よっしゃ暇だからバンバンやるよ!!(
とりあえず出来る限りやらせて頂きますv


■━きずな様
安芸有難うー、そしてお久しぶりー。
頑張って更新するんだぜ、きっと( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.179 )
日時: 2010/09/19 19:54
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!





アゲさせてください!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.180 )
日時: 2010/09/19 19:56
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

あ、コンバンワ!
椿薔薇の従妹なんです。
なので、お話は読ませていただきました><

お久しぶりですね。

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.181 )
日時: 2010/09/19 20:03
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!

■━月兎様


とても、お久しぶりです(

また更新頑張ろうと思って安芸ました( ´・ω・)
椿薔薇様に宜しくお伝え下さい。

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.182 )
日時: 2010/09/19 20:09
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

わぁ!更新なさるのですか!

楽しみにしていますね、椿薔薇にも伝えておきます!
すっ飛んでくると思うんで笑

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.183 )
日時: 2010/09/19 20:27
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!

■━月兎様


頑張ります( ´・ω・)
また遊びに来てくださいね( ´・ω・)ノシ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.184 )
日時: 2010/10/17 20:08
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!

■━……参八


俺はまだ泣き止まないガキと泉菟を連れて帰ってきた。
「そんなガキほっとけ」
と俺ァ言ったのに、泉菟は連れて来てしまった。優しすぎんだろバカヤロー。

帰ってみると高杉が「遅ェんだよ」と言わんばかりにこちらを睨んできた。
何この自己中心男ォォォ!! お前が言うから行ってきたんだろうがァァァ!!! まぁ俺がジャンケンに負けただけなんだけどね!!


ガキはやっと泣き止んだと思ったら泉菟から離れやがらねェ。
いい加減にしろよ俺の頭をストレスで爆発させる気かコイツ等はよォォォ!!! 俺の泉菟に触んな!!



「おい高杉!! ガキ連れ戻して来たんだ、どういう事か説明しやがれ!!」

俺は高杉の前にドカッと座り込んで、そう怒鳴った。
ヅラと辰馬と近づいてきて、

「それは俺も同感だ」

「いくら晋助でも幼女誘拐は許されないぜよ!! アッハッハッハ!!」

と、俺に共感してくれた。してくれたっつーのか?


「だから拾ったっつってんだろうが。辰馬そこで切腹しろ」

面倒臭そうに頬杖ついて答える高杉。
だから拾ったって何?

「人を物みてーに扱うモンじゃねーぞ? ほら、正直に誘拐してきたってお父さんに言いなさい」
「誰が父親だこの白髪頭、だから誘拐なんざしてねェっつってんだろ」
「いやいやいやお前なら有り得る、そういう趣味が前からあったんだろ?」
「何勝手に決め付けてやがんだテメェは、つかさっきからそのノリなんだよ」
「違うぞ銀時、晋助は幼女ではなく熟女が好みだ」
「人の好み捏造してんじゃねェよヅラ」
「ヅラじゃない桂だ」
「なんじゃ、晋助はロリコンちゅーがか!! 気付いてやれなくてすまんかったのう!」
「おい誰かこのモジャ毛頭かち割れ」


半分キレかけた晋ちゃんはヅラと辰馬に任せた。もう俺ァ知らね。



雨が酷くなってきやがった。
ザアザアと降りしきる雨の様子を、ガキが泉菟の膝上でボーッと見ていた。

まるで、何かを探しているように。



━━━



結局、高杉は本当にあのガキを拾ってきただけだった。
雨の中、松の下で独り気を失っていたガキを高杉が発見。
抱きかかえて連れて帰ってくる途中、ガキは目を覚まし、今の自分の状況が分からず混乱して暴れられたらしい。

道理で所々赤くなってるはずだよ、コイツ。

だからガキはまだ高杉に対して不信感を解いておらず、ぶっちゃけこの頃は嫌っている。高杉の事を。
高杉が何で連れて帰ってきたかは知らねェが、とりあえず状況だけは俺らも把握できた。

けど。



『……せんう』

「む? どうした」

『……せんうは、優しいね』

「ふふっ、やはり子供は可愛いのう」


コイツが来た事によって、泉菟を独占できる時間が少なくなったのは如何なものかァァァァ!!
何!? 何コイツ急に出てきて泉菟に抱きつけるとかァァァァァ!!
おかしいよね? 俺だってガキの頃からの付き合いなのに抱きつくと吹っ飛ばされんだよ?

ぐぐぐと歯を噛み締めながらガキと泉菟のじゃれ合いを見ていると、ヅラと辰馬がぽん、と肩に手を置いてきた。


「子供に嫉妬は見苦しいぞ銀時」
「泉菟はわしのモンじゃき、あんまし触らないでほしいがの! アッハッハッハ!!」

こん時ほど、腹がたったこたァねェや。




ガキはそうやって、しばらく俺達と暮らすことになった。
だんだん打ち解けていくと、自分の名前を「稜弥」と名乗った。

「苗字は?」と聞くと、『忘れた』と言われる。
あまり言いたくねェんだろう、と少し気を使って、俺等も余り聞かなかった。

成長していく稜弥は次第に、俺達と一緒に鍛錬するようになって、その時じゃ泉菟と並ぶくらい強くなった。


でも、すぐ稜弥は違う隊に配属されて、俺達とは離れ離れになっちまったんだけどな。
泉菟も同じ、俺等と別々の隊だった。

戦争が終ると、稜弥は高杉について行く事になって、今に至るっつーわけだ。



━━━━━


「まぁ、俺がテメー等と会う前はちょっと交流はあったんだが、その内だんだん疎遠になっちまって、最近は会ってなかったんだけどな」

「へぇ……そんな事があったんですか」

「でも、泉菟の事、ここに来た時知らなさそうだったアル。銀ちゃんに聞いてたネ」

「ああ、アイツ馬鹿だから、忘れてんだろ」


あーいっきに喋ったら疲れたァ!! と銀時は上にぐぐぐ、と伸びた。
それなら納得だ、と新八と神楽は安心したように肩の力を抜く。

「あ、でも銀さん」

新八は思い出したように言った。
何だよ、まだあんのかよと銀時は耳を穿る。

「一回、稜弥さんに負けてるって、言いましたよね。それは何ですか?」

「ああ、ソレ私も聞きたいアル!」

神楽も新八に賛同して言った。
銀時は「あー……」と思い出したくないように聞こえるため息をもらした。

「それ話すのは、また今度な」

銀さんが言わないなら、仕方ないね。
そう新八と神楽は顔を見合わせ、小さく頷いた。

■━━……

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.185 )
日時: 2010/09/20 07:06
名前: リリ (ID: 1i8B7xBH)

帽子屋さん、こんにちは!
リリと申します>< すごく上手いですね! 見つけてから一気読みしちゃいました! わたしも総悟大好きです!タメ&友希望です! おすすめアニメもいくつか紹介したいですし。

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.186 )
日時: 2010/09/21 23:17
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!

■━リリ様

初めまして帽子屋です( ´・ω・)
総悟かっこいいですよね、ドS素晴らしい(

お友達は喜んで!! 

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.187 )
日時: 2010/09/22 16:31
名前: 椛咏 ◆OXnD392Nz. (ID: xrNhe4A.)

ぼ、ぼぼぼぼぼ....ぼーちゃあああああ!!!((

覚えてる?覚えてる?
え、あ..覚えてない?ww

と、とにかく紫陽花だよおおおお!!
げんきだったかィ!?

(ちょ、名前ミスすまそ;;orz)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.188 )
日時: 2010/09/22 17:15
名前: リリ (ID: 1i8B7xBH)

帽子屋さん、ありがとうございます!
タメで行きますが、イイですか?
あと、オリキャラいいですか?

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.189 )
日時: 2010/09/22 22:32
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:         ——お菓子はいらねェ悪戯させろ!!


■━椛咏様

あ、あーちゃァァァァァんンン!!
君の事を片時も忘れたことは無かったよ!!(

うん、とっても元気さ!
あーちゃんこそ元気そうで何よりなんだぜ!!



■━リリ様

タメで全然構いませんよ( ´・ω・)
オリキャラは今募集してないので、またの機会に( ´・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.190 )
日時: 2010/09/23 15:40
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照: http://ameblo.jp/bousiya233/image-10656654781-10762879689.html



■━…人絵 其の一


超美麗イラストを描いて頂きましたので、掲載させて頂きます!


稜弥が工口い…だと…?(
大人なお姉さんの稜弥に、もう鼻血が止まりません(


高杉稜弥 / フル様

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.191 )
日時: 2010/09/23 15:43
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照: http://ameblo.jp/bousiya233/image-10656654781-10762879688.html

■━…人絵 其の弐


超美麗イラストを描いて頂きましたので、掲載させて頂きます!


きゃあああ! 何この泉菟可愛い((
微笑んでる! 俺に微笑んでるよォォォ(((


蒼晶泉菟 / ペペ太様

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.192 )
日時: 2010/09/23 15:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照: http://ameblo.jp/bousiya233/image-10656654781-10762879687.html

■━…人絵 其の参


超美麗イラストを描いて頂きましたので、掲載させて頂きます!


物静かそうな泉菟です。
これがツンデレですよ、俺性格設定間違った気が(
扇子も着物も美しいです!!


蒼晶泉菟 / サキヤ様




御三方、どうも有難う御座いました!!

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.193 )
日時: 2010/09/24 18:15
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照: http://ameblo.jp/bousiya233/image-10656654781-10762879688.html


アゲます( *・ω・)

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.194 )
日時: 2010/10/17 22:02
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:                あいらぶゆー!       


■━……参九



『アァァァァァァ有城せんせェェェェェ!!!』

ズザァァァ!! と医務室にスライディングしてきた稜弥を見て、荒れ果てた部屋を掃除していた有城は怪訝そうな顔をする。

「……ほんっと、状況が読めない上に馬鹿とは救いようがありませんね」

有城は散らばったガラス破片を箒で掃いた。

『あ、あの藍色の髪の女は!?』

ハァハァと胸を上下させ、稜弥は落ち着かない様子で有城に聞いた。
キョロキョロと室内を見回してみても、無惨に割れたドアや薬品のビンの破片、グシャグシャになったシーツのベッドが目に付くだけ。
泉菟の姿は見えなかった。

「高杉様が連れて行きました。俺はあの女が暴れた片付けを任されたわけです。本当に人使いの荒い……」

塵取りに集めたガラスやゴミをザーッとゴミ袋に流し込んでいく有城。
それを聞いて、マジかよ……と項垂れた稜弥。

『あ、兄貴が持っていったんだな!? じゃ、兄貴の部屋にいるってことだ!! せんせ、俺ちょっと行ってく』

「まあまあ待ってください」

気付いた稜弥が部屋から飛び出そうとしたその時であった。
妙に落ち着き払った有城が、稜弥を呼び止めた。

「今行ったところに何もなりはしませんよ。行ったところで貴方が得することは何もありません」

ぱんぱんと手を払う有城。
稜弥はぐるりと向き直って、

『俺が行かなきゃ、アイツが危険にさらされるかもしれないんだって!! 俺のダチ公と約束したんだよ!!』

と、大きく叫んだ。
しかし有城は、

「それがどうしたと?」

態度を変えなかった。

「あの方の命令は絶対です。それは貴方もお分かりでしょう? 貴方が今しようとしている行為は、あの方の命令に逆らうことになるという事を気づいて下さい」

『だけどッ!!』

言う事を聞かない稜弥に、有城はチッと舌打ちをした。
そして、どこからか出した1本のメスを、俊敏な動きで発射された。

そのメスは勢い良く稜弥の頬に掠る。
壁にメスが刺さった時には、稜弥の頬から紅い血が垂れた。

「言っても分からないくらい、お前の知能は落ちたのか?」

今までとは違う口調の有城に、稜弥はビクついた。

「……もういい、もう面倒くさい。好きにしろ。俺はお前が高杉様に何言われても絶対お前を庇わないからな」

さっと髪をかきあげて、有城はため息をついた。

『……有城、先生?』

稜弥は良く分からないという感じで有城の名前を呼んだ。

「メスで切ったのはお前にケジメをつけさせるつもりだったんだが、お前には効いてないらしいしな。ほら、さっさと行かないか。掃除ができないだろう」

メスで切った頬の痛みが、急に有城の優しさに思えてきて、少しだけ嬉しくなった。
こんな風に言っているけど、先生は俺の事、考えて言ってくれてるんだな。と、改めて実感した稜弥であった。

『あ、ありがとう有城先生!! ほんと、ホント感謝するから!!』

稜弥はそう言うと、ピューッと部屋から走り去っていってしまった。



「……つくづく甘いな、俺も」


有城はそう稜弥が行った後に呟くと、煙草に火をつけ、煙を肺に送った。


■━……