二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.6 )
日時: 2010/01/15 18:54
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:         ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』

■━━・・・参



『…武市さ、もーちょい分かりやすいように説明してくれたら俺嬉しいんだけど』

「それもう5回目ですよ。これでも私頑張って分かりやすくしてます」

鬼兵隊幹部会議中、稜弥はぐむむと不満げな声を上げた。

『だって何喋ってるか分からないんだもんー!! 何!? 拡散!? カクサンって何!? 薬!?』

「兵を拡散させる」の意味がもはや分かっていない稜弥。
今度行うテロの事で、鬼兵隊内の重要義務を任されている幹部達が集まって会議しているのだが。
稜弥のせいで一向に進まないのである。

夜な夜な繰り返される会議に対してストレスが溜まっているであろう幹部達にとって、使えない副首領はストレスの権化である。

「稜弥様、あとで俺達が分かりやすくうさちゃんとかでお教えしますから、今日のところは部屋帰ってください」

隊士の一人が稜弥に優しく言うと、稜弥は

『うさちゃんって何だアアア!! 何さ! 俺だって頑張って理解しようとしてるのに! 皆俺の事邪魔者扱いしやがって! いーもん! あとでまた子にねこちゃんで教えてもらうもんンン!!』

と言いながら会議室を飛び出してった。

「稜弥様ァァア!?」と来島また子は稜弥を追おうとするが、武市に止められた。

「・・・結局、ねこちゃんじゃないスか・・・」

先の隊士の一言のあと、辺りはシンと静まり返ったが。

「……で、続きは」

という高杉の一声で、また会議は開始されたのである。




「(…なんだこの会議、むちゃくちゃじゃないか)」

そう思うのは屋根裏で捜査をしていた山崎だった。
黒い忍服に身を包んだ姿は、さながらどこかの痔忍者を彷彿とさせる。

天上に1,2㎝ぐらいの穴を開け、そっと見ていた。

「(攘夷一と謳われているなんて聞かされてたから、凄い奴に着けたと思ったのに何一つ出来ていないじゃん、あの人)」

あの人とは言わずもがな稜弥の事である。

嗚呼、こんな過激派攘夷集団にも平和ボケしてたのが居たんだ。

山崎は少し馬鹿馬鹿しくなってくる。

ため息を吐いたあと、山崎は捜査に戻った。

そして、驚くべきことを耳にしたのである。

「では来週、真選組屯所爆破テロ、実行に移すことにしましょう」



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