二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニスの王子様【夢小説】 ( No.1 )
- 日時: 2009/11/01 19:25
- 名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)
【氷帝・跡部景吾 前編】OVA「死闘・帝王VS王子様」より
「勝のは氷帝!負けるの青学!」
「勝者は跡部!勝者は跡部!」
全国大会準々決勝、S1。
相手は青学№1ルーキー越前リョーマ。
彼は関東大会で、氷帝の次期部長の日吉若も倒している。
それでも、氷帝メンバーは、跡部の勝利を信じて疑わず、“氷帝コール”を続ける。
そんな中、私は、かつてない不安に駆られていた。
そして、その不安を打ち消すように応援に参加した。
「勝者は—・・・」
ここで、跡部が指を鳴らし、「勝つのは俺だ!」と言うのがいつものパターン。
だが、指を鳴らしたのは・・・越前リョーマだった。
「勝つのは—・・・俺だけどね」
そう言った彼の顔は、不敵に笑っている。
・・・寒気がする。越前くんが怖い。
跡部のことを信じているけど・・・すごく不安になる。
2人は向かい合わせ、笑い始めた。
不意に、跡部がこちらを見た。
「葵!」(跡部)
「あ、跡部、何?」
「見てろよ、俺様は必ず勝つからな」(跡部)
「・・・」
「俺様の美技に酔いな!・・・その不安そうな顔を笑顔に変えてやるよ」(跡部)
跡部・・・気づいてたんだ。
私が不安なのに。
いつもはさ、『美技になんて絶対酔うもんか!』って思ってるけど・・・
今日くらいは酔ってあげるよ。
「ワンセットマッチ、氷帝学園跡部、トゥサーブ!」
ゲーム開始だ。
越前くんのドライブB、ドライブD、“無我の境地”。
跡部のタンホイザーサーブ、羆落とし、海賊の角笛・・・そしてインサイトや“氷の世界”。
跡部は越前くんの“無我の境地”をものともせず、自分の技・タンホイザーサーブも返した。
一方的な試合。
跡部が押していた。
私たち氷帝メンバーも、安心してみていられた。
最初の不安も、どこかへ行ってしまった。
そしてついに、チェンジコート。
懲りずに“無我の境地”を発動する越前くん。
誰もが「バカなヤツ」そう思ったときだった。
跡部の“氷の世界”が破られた。
「お、おい・・・」(岳人)
「ウ、ウソだろ?」(日吉)
「え・・・ッ何で?!何で“氷の世界”が・・・」
「まさか・・・アレ・・・」(忍足)
「“手塚ゾーン”?!」
1ゲーム、2ゲーム・・・差はどんどん縮まる。
そしてついに・・・
「破滅への・・・ロンド!!」(越前)
追いつかれた。
最初の不安が、胸をよぎる。
みんなの表情も硬かった。
「さァ、ここからだ、越前!」(手塚)
長い戦いが始まった。