二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニスの王子様【夢小説】 ( No.2 )
- 日時: 2009/10/31 18:48
- 名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)
【氷帝・跡部景吾 中編】
試合はタイブレークに入り、いつまでも続く。
いつの間にか、誰も口が聞かなくなった。
ほとんど互角。どちらも引かない。
「もう・・・見てられないよ・・・」
頑張ってる跡部を見ていると、胸が苦しくなる。
私の頬を、涙がつたった。
「葵・・・?!」(岳人)
「お、おい、何、泣いてんだよ?!」(宍戸)
「なんや、宍戸が泣かせたんかいな」(忍足)
「マジで!?宍戸、激ダサだCー」(ジロー)
「はァ!?ちげーよ!つーか激ダサって言うな!」(宍戸)
「皆さん落ち着いて・・・」(長太郎)
「・・・」(日吉・榊監督)
ヤバっみんなが言い争ってる・・・(汗)
止めなきゃ。
私は涙を拭いて、みんなの方を向いた。
「み、みんな止めてっ」
私がそう言うと、ピタッ止まった。
「・・・どうしたんや、葵」(忍足)
「なんで、泣いてんの?」(岳人)
「大丈夫かよ」(宍戸)
「うん。なんか・・・跡部見てると辛くなってきて・・・胸が苦しくなって・・・」
みんなの顔が深刻な顔になる。
みんな、私と同じ思いみたいだ。
沈黙を破ったのは、宍戸だった。
「・・・あのなァ!」(宍戸)
「え?」
「今、1番頑張ってんのは跡部なんだよ。辛いのも、跡部なんだよ・・・」(宍戸)
「宍戸・・・」
「俺だって、葵と同じだ。だけど、目をそらしちゃいけねーと思うんだよ」(宍戸)
宍戸はあたしの顔をグイッと跡部の方に向ける。
そこには、必死で勝利のために戦ってる跡部がいた。
その姿を見ると、やっぱり、涙がこみ上げてくる。
「泣いても良いけどよ・・・目は絶対にそらすな!そらしたら、激ダサだぜ」(宍戸)
・・・宍戸・・・
「うん、分かった。ありがとう」
あたしは、跡部の方を向いた。
「跡部ー!!!頑張れー!!!」
聞こえてないかもしれないけど・・・精一杯応援しよう。
「宍戸〜カッコつけちゃってよ〜」(岳人)
「はァ?!」(宍戸)
「かっこよかったで〜せやけど、葵は跡部の彼女やからなァ」(忍足)
「ちょっかい出したら跡部に殺されるかもよ?」(ジロー)
「るっせーよ!分かってるよ、んなこと!」(宍戸)
こんな会話が交わされてることなんて、応援に夢中で気づかなかった。
「117−All」
ネットにボールが引っかかり、ラリーが止まる。
同時に、越前くんも、跡部も、その場に倒れてしまった。
氷帝メンバーに緊張が走る。
今度こそ、涙は止まらない。
「おらァ!起きあがれ!跡部!」(宍戸)
「跡部ェ!」(岳人)
私は、コートラインギリギリまで走った。
「葵?!」(ジロー)
息をいっぱいに吸う。
「・・・跡部—————!!!!立て————!!!!」
誰にも負けないくらい近くで、誰にも負けないくらい大きな声で、私は叫んだ。
愛する人のために。
涙で、前が見えないくらい、泣いていたけれど。
「葵ッ」(宍戸)
やっぱり、そこへ宍戸がやって来て、タオルで涙を拭いてくれた。
「戻ろう」(宍戸)
宍戸に立たされて、戻ろうとしたとき・・・
「うッ・・・」(跡部)
「あ、跡部・・・!!」
「勝つのは・・・氷帝だ!!」(跡部)
「跡部・・・良かった・・・」
「葵。俺様が、必ず・・・」(跡部)
「え・・・?何・・・?」
「・・・跡部?!」(宍戸)
青学の越前くんが、ツイストサーブを打つ。
だけど、跡部は・・・跡部は・・・
「跡部よ・・・気を失ってもなお、君臨するのか・・・」
手塚が言った。