二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様【夢小説】 ( No.27 )
日時: 2009/11/06 18:08
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

全国大会前の、四天宝寺中テニス部。
炎天下の中での、ハードな練習。

「暑いなぁ・・・」

・・・なんて、頑張っている選手の前では、口が裂けても言えないけど。
炎天下の中、コートの中で走り回っているみんな。
私は、選手の負担が少なくなるようにように、出来るだけ、力になりたい。

そのために、笑顔は忘れない。


 

 【四天宝寺 白石蔵ノ介】「マネージャー」前編

「葵〜コレ、部室に運んどいて」(謙也)
「葵センパイ、コレも頼みますわ」(財前)

「了解でーす」

「小春ゥ〜」(ユウジ)
「ユウくん(♥)」(小春)

「ユウジ!小春! マジメに練習してよね!」

「は〜い 冷たいなァ葵ちゃんッ」(小春)
「全国大会、一回戦負けしても知らないからッ」

「葵〜、タオル取ってェ」(金ちゃん)
「俺のもついでにッ」(千歳)

「は〜いッ」

笑いの絶えない、四天宝寺中テニス部。
ごらんの通り、ここのテニス部のマネージャーはどこのテニス部のマネージャーより、大変だと思う。

「ありがとうな、葵」(謙也)
「助かりましたわ」(財前)

「また、練習頑張るでェ!!」(金ちゃん)
「ホラ、金ちゃんもちゃんとお礼いいやッ」(白石)
「分かってるわッ」(金ちゃん)

「ありがとうなッ」

にぎやかで、いい人ばかりで、テニスをしている姿はすっごくかっこいい。
そんな人達の、“ありがとう”って言葉でまた、笑顔でいられる私。

部室に荷物は込んだり、タオルやドリンクを渡したり、アチコチ走り回る。
だけどそれは、“大変じゃない”って言えばウソになるけど、“大変”より“楽しい”が勝るんだ。

だから、自然と出る笑顔。


「・・・大丈夫か? 葵」(白石)
「え? 全ッ然平気だよ〜何言ってんのッ」
「そうか?」(白石)
「うんッ 蔵チャンこそ、だいじょーぶ?」
「ん? あぁ」(白石)

蔵チャンこと、白石蔵ノ介。
まぁ、蔵チャンって呼んでるのは、私だけなんだけど。
彼は、四天宝寺中テニス部部長。
部の誰より頑張っていて、誰より、他人に気を遣ってくれる優しい人。
だから、蔵チャンはいつも、“大丈夫か”って訊いてくれる。

「葵、気分悪くなったりしたら、ちゃんと言いや」(白石)
「え、う、うん・・・」

心配性だなぁ、蔵チャン・・・  変なの。



今日は、特別暑い。
部室とコートの間を、往復するだけでも、額に汗がにじんだ。

「葵ッ悪いけど、部室にあるテニスボールの入った箱、取ってきてくれへん?」(白石)

蔵チャンは、遠慮がちに私にそう頼んだ。

「りょうかーい! すぐ取ってく・・・る・・・」

いつも通り、笑顔で返事して、頼まれたことをちゃんとしなくちゃいけないのに・・・

視界がぐるぐる回り始めた。

いつもなら自然に出ていた笑顔も、何故だか、今は出ない。

ちゃんと、立っていられない・・・

意識が、遠のく。



ドサッ


「葵ッ?!」(白石)
「白石?!どないしたんやッ」(謙也)
「葵センパイ?」(財前)


              続く