二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様【夢小説】 ( No.33 )
日時: 2009/11/09 10:52
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 【氷帝 宍戸亮】「髪の毛」

私の髪は、長かった。
長い髪は自慢だった。
だけど・・・

「宍戸ー このページの女の子やったらどのコが好み?」(忍足)
「あぁ? 知るかよ、んなこと」(宍戸)
「知ってるよー 宍戸はショートのコだよねッ」(ジロー)
「へェ、マジで?!」(岳人)

「るっせェなァ だったらどうだってんだよ・・・」(宍戸)

「あァ!マジなんだ!当たっちゃたC」(ジロー)
「はァ?! ジローお前、適当に言ったのかよ!!」(宍戸)

「ふーん、宍戸はショートのコが好みなんかァ」(忍足)

テニス部の男子達の、こんな会話聞いちゃったから・・・
宍戸の好みは、ショートのコって聞いちゃったから・・・
3年間のケンカ友達みたいな、親友みたいな、微妙な関係を“恋人”に変えたくて。
思い切って、ショートにしてみた。

宍戸、気づいてくれるかな・・・なんて、ちょっと期待してみたり。
(↑これだけ短くなってりゃ、シカトはしないだろうけど・・・

よしッ 部室に入るぞッ
みんな、もう来てるよね・・・

「お、おはよー みんな」

朝練の前に部室でくつろいでいたレギュラー組が、一斉にこっちを向いた。

「あれ、葵、髪の毛切ったの?」(岳人)
「うんッ」

へ、変だったかな・・・

「へェ 似合うなお前」(岳人)
「ありがとう」

「ホントだー 似合うね、葵ッ」(ジロー)
「ホント、よう似合ってる」(忍足)
「可愛いですよッ 葵センパイッ」(長太郎)

「よく似合ってるじゃねェか なァ樺地」(跡部)
「ウスッ」

「そんなに言われると恥ずかしいよッ」
「イイじゃねェか 本当のことだぜ?」(跡部)

跡部は私の顔をのぞき込んで言う。
だから、そいうのが恥ずかしいんだって!
まったく・・・どこのホストだよコイツら・・・

・・・宍戸は、何も言ってくれない。

「跡部の言うとおりだC ねッ宍戸ッ」(ジロー)

ジローが宍戸に話しかけた。
なんて言うかな・・・
みんなみたいに、“似合う”とか“可愛い”って言ってくれる?
それとも・・・

「・・・別にッ なんとも思わねェよ。早く
練習しようぜ」(宍戸)

宍戸の言葉が、重く、私の心に突き刺さる。
“なんとも思わない”かァ・・・
悲しくて、ちょっと寂しい。
宍戸にとって私は、何しても“なんとも思わない”人なんだ。
ケンカ友達で親友みたいな関係って私が思っていただけなのかも。
期待なんかしちゃって・・・自分が恥ずかしい。

「なんだよ、その言い方ーッ」(ジロー)
「フンッ」(宍戸)
「葵に謝れッ」(ジロー)
「うるせッ」(宍戸)
「なんだよー」(ジロー)

「イイよ、全然気にしてないし! みんなが褒めてくれただけで十分・・・ッ」

違う。 本当は、宍戸だけに褒められたかった。
他のみんななんて、関係ないのに。

「葵・・・?」(忍足)

涙が溢れてきた。
泣いてどうするの、バカじゃん、私・・・
ダメだ。止まらない。

「ゴメンッ」

忍足を押して、部室から、飛び出した。
こんな顔、みんなに見られたくない。

「葵ッ」(跡部)

跡部が呼んだ気がしたけど、振り向かずに走った。


      続く