二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 10話更新 ( No.13 )
日時: 2009/12/11 16:26
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

11話〜囚われの少女を救い出せ〜




「ふう」

カムイが朝日を浴びながら、大きく息を吸い、吐く。

呪歌の件はあの後は大変だった。無事にゼレフ書の悪魔を倒したはいいが
倒れた先が定例会会場、そのせいで会場は粉々だ。

無事に帰ってきた後はナツとエルザの決闘だ。どうやら前もって約束をしていたらしい。
その決闘も始まるやいなや、評議院から来たカエルの姿をした使者によって中止、
エルザ犯罪人としてを連れて行ってしまった。

その裁判ですら形だけ逮捕で、エルザはその日の内にも帰れたのだが、
ナツのバカが評議院に殴りこみ、それにより二人は牢へ・・・。

とまあ、いろいろあったがやっと事が落ち着いたので今こうして
家でのんびりしている。といってもすぐにギルドに行くのだが。

—ギルド—

「相変わらず賑やかだな」

カムイがギルドに入るなりにつぶやく。
ギルドは相変わらずガヤガヤしてる。
カムイは真っ直ぐにクエストボードの所にいくと、目を通す。

「ん〜、何かないかなっと。お、これなんかいいかもな」

そういって、紙を一枚取るとそれをマスターの元に持っていった。

「じっちゃん。このクエにいってくるぜ」

紙を差し出すと、マスターはんんっと唸り紙を見た。

「わかったぞい。けど気をつけろよ。先日同じ依頼に行った他のギルドの者が
失敗しておる。向こうも警戒しているじゃろうよ」

「ああ、わかったよ。チー、行くぞ」

レビィと遊んでいたチーを呼ぶ。チーはその声に応えるように鳴くと、
カムイの肩に戻っていった。

—潤いの町・ミケス—

今回の依頼は捕まっている人の救出。
とりあえずカムイは依頼主が住んでいる家に訪ねた。

「ごめんください」

しばらくすると、小さな声で

「・・・どなたですか?」

「依頼を受けてギルドから来たものです」

すると、ギイと音を立てて扉が開いた。
中に入ると、思ったよりも豪華な家だなとカムイは思った。
そのまま客室に案内された。

「それで誰なんです、救出したい人ってのは?」

「・・・私の娘なんです」

「娘?」

その言葉を聞くと、依頼主は自分の手を強く握った。

「はい・・一月前なんですが、この辺りを仕切っていた先代の公爵が亡くなって
その息子である、フェルーが領主になったんですが、その領主がとても自分勝手で、

村にいきなりやってきたと思ったら、『村中の女子を集めてこい』とかいって
無理に集められた女子たちを品定めするような目で見ていったんです。そして
私の娘の前で彼が立ち止まりました」

『んん〜。よしお前だ』

フェルーは私の娘の前でそういいました。

『お前を私の嫁にしてやろう』

『え?』

『聞こえなかったのか。私の嫁にしてやるといったんだ。
ありがたく思うんだな』

フェルーは兵を呼ぶと私の娘を連れて行こうとしました。

『い・・いや!!』

私の娘は激しく抵抗しましたが、鍛えられた兵には適わず連れて去られてしまったんです。

「お父さん!!お母さん!!」

あの時の娘の叫び声が、ずっと耳に木霊してはなれないんです。

「お願いします。お金ならいくらでも払いますから、娘を助け出してください」

そこまで聞くと、カムイはすくっと立ち上がった。

「領主の家ってのはどこにあるんだ?」

「ここを出て、真っ直ぐ道に沿っていけばつきます。
あ・・あの、先日にも同じように・・」

「わかってるさ」

依頼主の言葉を遮りカムイが言った。

「安心して待ってるんだな。俺たちが必ず助け出してやるよ。
ついでに、そいつの顔面にも一発ぶち込みたいしな」

カムイは笑いながらいうと、家を出て行った。