二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル ( No.7 )
- 日時: 2009/11/14 23:24
- 名前: アビス (ID: uel4dy6s)
7話〜雷と風〜
「さて、もう少しでギルドマスター達がいる町、クローバーか」
空を飛ぶ鎌を持った男がクローバーに向かって飛んでいた。
彼の名はエリゴール。闇ギルド、鉄の森(アイゼンヴァルト)に所属している。
闇ギルドとはフェアリーテイル、青い天馬のように地方と連盟をとっているのを『正規ギルド』
魔法界の秩序を無視し連盟に属さないギルドを『闇ギルド』という。
エリゴールは鉄の森のエース。本来は禁止されている暗殺系の依頼ばかりを
遂行してきたため、ついたあだ名が『死神』
「さあ、待っていろ。じじいども。死神の粛清だ!」
—ピシャン!—
「!!」
突然の落雷に立ち止まるエリゴール。下を見るとそこには一人の男が立っていた。
「誰だ、てめえは」
エリゴールが地面に降りて言った。
「フェアリーテイルのカムイだ」
「また妖精(ハエ)か。とことん俺たちの邪魔しやがって」
そういうと、エリゴールは左手を前に突き出した。
すると、突然カムイに突風が襲った。肌が僅かに切れる。
「い・・て。風の魔法か」
「消えろ。暴風波!!(ストームブリンガー)」
エリゴールから竜巻が発生しカムイを襲う。
「ぐは!」
「おわりだ」
間髪入れずにエリゴールが持っていた鎌で止めを刺しに振り下ろす。
鎌はカムイの体を真っ二つにする。
—バチ!バチバチチチチ—
その瞬間カムイの体から放電するかのように電気を飛び出す。
「ぐがあああ!」
エリゴールが膝を着く。その後ろにはカムイがいた
「雷写(かみうつし)」
そう言うと、チーが太刀に変形した。
「終わりだ。雷太刀!!」
今度はカムイが止めを刺すべく、エリゴールに向かう。
エリゴールはそれを風を使い、宙に逃げる。
「また、飛びやがったか」
悔しそうにカムイがいう
(雷系の魔法か。電気で自分の分身を作り、攻撃したら発動するトラップ式魔法。
魔法を変わった使い方しやがる。これが妖精の尻尾の魔導士か)
エリゴールか空中で思う。そしてまた地面に降りたとき
「少し貴様を甘く見ていたようだ。どうやら本気で殺らないとそこを通してはもらえないらしい」
エリゴールが口元を笑わせながら言った。
「この先はギルドマスターたちが定例会をやっている。そんなところにお前みたいな
魔力を持った奴が、なんの用だ」
「なに、簡単なことだ。この笛を使ってじじいどもを殺そうと思ってな」
エリゴールが三つ目のドクロを取り出す。
「何だ、その趣味の悪りー笛は?」
「くくくく。この笛の音を聞いた者をすべて死にいたらしめる。
集団呪殺魔法、呪歌(ララバイ)だ」
その言葉をきいた瞬間、カムイの表情を青ざめた。
「まさかそれを使って、定例会をしているじっちゃんたちを殺すつもりか!?」
「はーーははは!これは死神の粛清だ。我等の仕事と権利を奪った老いぼれどものな」
エリゴールが両手を広げていう。
「だから、てめーは邪魔なんだよ」
両手を上げる。すると、風がエリゴールの両手に集まってきた。
「くらえ!!すべてを切り刻む風翔魔法、翠緑迅(エメラ・バラム)」
指を前で交差させる。すると風が線路を切り裂きながら向かってきた。
—ズギャギャギャギャ!—
辺りの線路はエリゴールの魔法で崩れそうになっていた。
「ふん。俺にこの魔法を出させたんだ。若い魔導士にしてななかなかだったな。
ま、所詮おれの相手ではないな」
エリゴールはそういうと、身をひるがえしクローバーに向かおうとした。
「待てよ、どこに行くつもりなんだ」
後ろからの声にさっと振り返る。そこにはカムイがボロボロになりながらも立っていた。
「バカな、あれを食らって生きているなど・・・あれは」
カムイの周りの景色が揺らいでいるのが見えた。
「なるほど、電熱か」
そう、カムイは己の電気を高温の電熱に変えたのだ。それによって温められた空気が
上昇気流を風を上に流し、ダメージを軽減させたのである。
「だが、すでに立っているだけでやっとだな。もう一発食らわせて
今度こそあの世に送ってやる」
そういうと、また手に風を集める。だが今度はそうはならなかった
「なんだ!?風があいつの方に流れて」
風がカムイの方にどんどん流れていき、エリゴールの魔法が打ち消させた。
「バカな。電気でこれほどの熱をだすなんてありえん!!」
「今度こそ終わりだ」
カムイがエリゴールの上をとる。太刀に帯びている電気がいつにも増して
強く、激しく輝いている。
「虎降雷(ここうらい)!!」
太刀に溜まった雷が一気に地面に落ちていく。