二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 新 モンスターハンター・バロル ( No.13 )
日時: 2009/12/06 14:38
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

33話
   力は人を選ばない。だから俺は・・・・




黒い球体は少しずつだが、着実に多きくなっていく。

<くくっ。これで半分といったところか>

ソニックは自分の作った球体を見ながらいった。
そして、ベリウスに目を向ける

<どうした。我がこれを完成させるまで待っているつもりか?
阻止しなければ、この星はきえるぞ>

ベリウスは必死に力を溜めようとするが、足が震え光も弱まっている。

<すでに立っているだけで精一杯か。先ほどの一撃で力を使い果たしたか>

いい終わる刹那、笑っていた顔を突如に変えた。

—ガキィイン!—

後ろからスタークが攻撃を仕掛けたのだ。だが、それはソニックの尻尾で弾かれる。

「くそ!」

スタークは後ろに引き下がる。ソニックは少し感心した様子で

<ほお。我らの戦いの中に入れる人間がいるとはな。
だが・・・>

尻尾がスタークを襲う。ギリギリ篭手でガードするが、衝撃で後ろに吹き飛ばされる。
篭手が粉々に砕け散る。

<悪いが貴様らの相手をするのはもうやめにしたのでな。
こいつと遊んでいろ>

すると、ソニックの背後人の姿をした黒い人形の様な物が現れた。

<ドルバード・ディムルガ(終焉の人形劇)>

ミルナとサラはその人形に攻撃を放った。
しかし、その攻撃は人形が手を前にかざすと手が盾のように変形し阻止される。

人形はサラたちに向かって飛んだ。その間にスタークが割ってはいり、攻撃を仕掛ける。
今後は人形は全身から巨大な針を出す。スタークの攻撃は虚しく
その人形の体に弾かれ、巨大な針がスタークを貫いた。

「スターク!!」

ミルナが叫ぶが、スタークはそのまま地面に倒れこむ。
スタークの体から大量の血が流れ出る。

サラはリボルバーに徹甲榴弾LV3を装填し、人形に向かって連射する。
だが、その攻撃を無視してサラに近づくと、思いっきり殴り飛ばした。
サラは壁に激突し、そのまま倒れこむ。

「サラ!!」

ミルナの呼びかけにも、ピクリともしない。

(強すぎる。私たちが手も足もでないなんて)
ミルナは目に涙を溜める。

不意に後ろからの気配に振り向くと、すでに人形が真後ろにいた。
そして、止めを刺そうと腕を振りかぶる。
ミルナは覚悟をした。目に溜まった涙が地面に落ちる。その時

<もういい。茶番は終わりだ>

ソニックが静かにそう言った。人形はしばらくすると、音も立てずに消えた。
ミルナは信じられない気持ちで、ソニックを見た。
ソニックはミルナの顔を少し見ると、ベリウスの方に顔を向けた。

<さて、それではまた俺の愛唱歌を聞かせてやる。
世界が崩れ落ちる心地よい音色を聞くがいい!

ディエスト・メルエム 発動!!>

—パンッ!!—

言葉と同時に黒い球体が弾けて消えた。これがこの技だと思っていた
ミルナは死を覚悟した。

だが、一向に何もおきない。二人の顔見ると目を見開いて固まっていた。
どうやら、不発になってしまったらしい。

<なぜだ!?なぜ出てこない、黒き雷よ。まさか失敗・・いやそんなはずは・・・>

そこめでいうと、ソニックは突然よろめいた

<な・・なんだこの寒気は>

(出て行け)

心の中に声が響いた。

<まさか、そんな事があるはずが・・・>

(俺の中から出て行け!くず野郎!!)

<グオオオォオオォォオオ!!>

突然ソニックが暴れだし、頭を抑えて地面に這い蹲る。その体から
黒いオーラがどんどん出て行った。

「な・・なんなの?」

ミルナは目の前の光景に理解が出来なくなっている。
ベリウスは驚愕した表情で

<ま・・まさか。そんなことが出来るのか。人間が・・・>

その間にもソニックの体からはオーラーが出て行っている。
しばらくすると、オーラの出は止まり、空中にはソニックから出たオーラが漂っている。

ソニックから激しい息遣いが聞こえ、それでもソニックは立ち上がった。

<こ・・こんなことはあり得ん!!人間風情が我の憑依から自力で解くなんて>

空中に漂うオーラから声が響く。

「はあ、はあ。てめえには心底腹が立つぜ。俺の大切な仲間にあんなことしやがって」

<真に驚いたが、これで形勢逆転だな>

ベリウスがおぼつく足取りでソニックの隣に向かう。

<今のお前は壊れた機械に残るエンジンそのもの、どれほど力があっても
それを使う媒体がなければ無力となる。今の私でも貴様を屠ることは出来るぞ>

黒いオーラはしばらく黙ると

<仕方あるまい。ここは引かせてもらおう。
だが忘れるなよ。貴様の力は我と同じだ。
いつかお前は自ら傷つけたくない者も傷つける。それが運命だ>

その言葉にソニックは

「力は一つの道具だ。道具は使い手によって善にも悪にもなる。
例えお前の力が『破壊』だろうと『悪』だろうと関係ねえ。だったら俺は
この世界に降り注ぐ災厄を『破壊』してこの力を『善』に変えてやるよ」

黒いオーラは無言のまま、ソニックたちから姿を消した。

ミルナには何が起こったのか分からない。
だが、それでも一つだけ分かっていることがある。

—タタタタタッ—

ソニックにむかって歩み寄る足音がしてソニックは音のほうに体を向ける。
すると、ミルナがソニックに向かって抱きついてきた。

「お・・おい!ミルナ!!」

ソニックは顔を赤くして言った。それでも、ミルナは話すどころかさらに強く抱く

「よかった。ソニック・・本当に良かった」

その言葉を聞いてソニックは口元を綻ばせ

「ああ、本当に良かったよ。ありがとうな」

そのまま、されるがままに抱きしめられていた。


「・・・ったく見せ付けやがって」

スターク遠くから小さくつぶやいた。

「あはっ。本当にね」

サラも傷ついた部分を押さえながら言った。

「サラ・・生きてたか。よかった」

スタークの珍しい言葉にサラは少し照れながら

「それはこっちの台詞。・・でもありがとう、心配してくれて」