二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 新 モンスターハンター・バロル ( No.8 )
- 日時: 2009/11/26 16:11
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
32話
神々の決闘
ベリウスとソニックはお互いに様子見るように見つめ合っている。
いや、力を溜めていると言った方が正しいのかもしれない。
そんな緊迫した状況がしばらく続いた後、
ベリウスがこちらに向かってきた。
「お前は・・・」
スタークがそう言うがベリウスは耳を傾けず、後ろのミルナとサラに近づいた。
「お・・おい」
何を仕出かすか分からなかったので、スタークが呼びかける。
ベリウスは2人の前まで来ると、角の先が光りだした。
その光を浴びると、なぜだか心が落ち着いた。
ミルナとサラもその光を浴びて正気を取り戻した。
「スターク」
サラは、ぼーとした顔でスタークを見る。
「あれ・・ここは」
ミルナはまだ意識が混乱しているようだったが、少しすると思い出したのか
ハッと顔を上げる。そこにベリウスの顔があり、驚き後ろに引く。
「あなたは・・・」
<しばらくここから動くな。この光の中にいれば奴の力の影響を受けないですむ>
ベルウスは優しく言う。
「お・・おい。ソニックは一体どうしちまったんだ!?」
スタークがそういうと、ベリウスは顔を向ける。
その目は今のソニックとは違った意味でゾクっとした。
<我々のことは大体知っているな。我々の終わりなき戦いのことも。
ソニックは今体に憎悪の根源の源、お前たちではジスペルと呼んでいたな。
そいつにのっとられている。
憑依されていると言ってもよい。我々はすでに肉体は朽ちた。だが、こうやって
共鳴者の体を借りることで因縁を断とうとしている>
「あなたも、誰かの体を乗っ取っているんですか?」
サラが尋ねると、ベリウスは少し悲しそうな表情で
<ああ、今の世界では幻獣『キリン』と呼ばれている者のな。
それが、今回の我の平和の根源の共鳴者だった。
彼は同意した上で我に体を明け渡してくれたが、やはり申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
世界のためとはいえ彼の人生をなくしてしまったのだからな>
そこまで話すと、ベリウスは表情を変えて言った。
<話しはここまでだ。どうやらこれ以上奴は待ってくれるつもりはないらしい>
<そういうことだ!>
ソニックはそう叫ぶと右手を前に出した。そこから黒いイカヅチが放たれた。
ベリウスは翼を大きく広げた。そこから小さな光が霧散して、
黒いイカヅチを受け止め、相殺した。
<ソニックの体から出て行け!!>
<悪いが、この体はもう完全に我のものだ。ソニックとかいう奴の人格は
もうすでに、なくなってる。それにしても・・・>
ソニックはにやけながら言った。
<この体は最高だ!今までのその共鳴者よりも力が体に馴染んでくる。
貴様が借りたそのひ弱な体なぞあっという間に塵にできる>
その言葉に、ベリウスは鼻で笑い
<ふっ。我こそ同じだ。今までで、一番力が漲ってくる>
そういうと、ベリウスの翼が光りだした。
<ソル・シエルガ(飛翔の光翼)>
今度はソニックの両手に黒いオーラが集まっていく。
<ジ・ディムルガ(終焉の爪)>
黒い爪がソニックの両手から現れた。それから、僅かな沈黙。
それから2体は激闘を始めた。だが、スタークたちがそれに観戦出来たのは音だけだった。
姿は速過ぎて見ることが出来ないのだ。
辺りは、2体がつけたであろう傷がどんどん出来ていく。
どちらが優勢なのかまったくわからない。しばらくした後、激しい衝撃音と
共に、二人の姿が現れた。
<くっ。エクルド・ティエス(光耀の兵隊)>
ベリウスから自分と同じ形をした光のエネルギー体がソニックに向かっていく。
だが、ソニックは余裕の表情で
<ディミス・ウォルド(消滅の風)>
ソニックが手を振り下ろすと、黒いオーラがベリウスの技を飲み込み
そのまま、ベリウスに押し寄せた。
<力の性質に違いが出たな。貴様の力は戦いとは程遠い『誕生』。
だが、我の力は戦いに相応しい『破壊』。この差が今の結果を生み出しているとなると・・・
ふん、敵ながら同情するぞ>
そこまで言うと、ソニックはスタークたちの方に向いた。
<さて、邪魔が入ったな。さっさとあの世におくってやるぞ>
そういって、スタークたちのほうに向かおうとした時
<ランバード・ティエンシア!(雷神の槍矢)>
ベリウスが角から一筋の光を発した。それがソニックに向かって伸びていく。
<・・・無駄なことする奴だ。我がこいつらを相手しているほんの数秒でも使えば
貴様なら逃げることができたものを>
ソニックは左手を前に差し出し、それを受け止める体勢に入る。だが、それは叶わなかった。
ベリウスが出した光はソニックの手に触れると、そのまま一気に貫通した。
ソニックの左手が力なく垂れ下がる。
<まだこれほどの力を隠していたとはな>
ソニックは自分の手を痛がる様子もなくベリウスに話しかける。
<我だけの力ではない。我の共鳴者であるキリンは雷を操る者。
それを使わせてもらっただけのこと。
貴様のようにすべてを力ずくで押さえつけるようなやり方では
決して出来ん事だ>
その言葉にソニックは鼻で笑い右手をあげた。
<ならば、力ずくで押さえ込んだからこそ出来る事をやってろう>
ソニックが右手に力を込める。すると、右手に黒い球体が現れ少しずつ大きくなっていった。
<本当はもっとこの世界を壊してから使うつもりだったが。
今見せてやろう。これがかつて一度この世界を滅ぼした力。
ディエスト・メルエム(地獄への序章曲)だ>