二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケモン不思議のダンジョン 昼*夜の探検隊  ( No.46 )
日時: 2009/12/05 17:13
名前: 亜璃歌♪ ◆P2rg3ouW6M (ID: glXVlHlM)

 スリーパーはミニリュウをさらにひるませようと、睨みながら言った。冷たい瞳が不気味に光る。ミニリュウは目を瞑り、悔しそうに下を見た。

「私、弱虫だけど……。でも、おまえを倒す! だって、私たちは新米でも立派な探検隊だもの! みんなに認められたんだっ! いっけえ、<たつまき>!」

 瞑っていた目を開くと、ミニリュウはその尾を円を描(えが)くようにグルグル回しだした。だんだん尾を中心に小さな風が起こった。それが小さな竜巻となり、他の風を巻き込んでみるみる大きくなった。心なしか、竜巻は砂を吸い込んで薄く黄土色に見える。その竜巻がスリーパーに向かった。

「フフッ、そんな<たつまき>の技などどうってことない! <サイコキネシス>!」

 スリーパーは含み笑いをすると、鋭い目を青く光らせた。すると、竜巻も青く光る。スリーパーが人差し指を空へ向けると、竜巻は天高く飛んでしまった。スリーパーが竜巻の動きを操ったのだ。空に消えた竜巻は戻ってくる気配すらない。
 ミニリュウは悔しそうにスリーパーをキッと睨んで、激しく威嚇した。

「<たつまき>がダメなら、これはどうだっ。<まきつく>!」

 だっと駆け出したと思いきや、ミニリュウはスリーパーの腕に自分の体をギュッと巻きつけた。失礼だけど、蛇が腕に巻き付いているように見えなくもない。ミニリュウが可愛いから、そう見えないけれど。
 そしてミニリュウは、尾だけをスリーパーに巻きつけそのままスリーパーを持ち上げると、地面に叩き付けた。地面の尖った岩の上に背をぶつけたスリーパーは痛そうだ。

「どんなもんだい、<たたきつける>は」

「うぐっ、おのれえ……」

 憎悪に満ちた顔でスリーパーがミニリュウを見る。その瞬間、スリーパーの目が赤く不気味に光った。目の光が消えると、なぜかスリーパーは満足そうに笑みを浮かべた。そして、<ずつき>攻撃をするために頭をミニリュウに向けながら走り寄る。

 危険を感じたミニリュウはその場から逃げようとするはずだが、なぜか動かない。逃げないと危ないっ。……まさか、逃げないんじゃなくて逃げれないんじゃ。あのスリーパーの赤く光った目。あれは<かなしばり>だ!

「ミーシャ、ミーシャ! 動けないよぅ!」

 半べそをかきながらミニリュウは必死に尾を動かすが、動くのは尾だけで逃げれない。ミニリュウはただただ、私に向かって悲鳴を上げる。
 ミニリュウに叫ばれて、私ははっとした。そうだ、私はまだ何も技を出してない。ミニリュウが頑張ったんだから、私も。いったん息を吸ってから、ミニリュウに走りながら近寄るスリーパーの目の前に、私はおどり出た。

 驚いたスリーパーは足に急ブレーキをかける。砂埃が立った。

「いくよ、<でんきショック>!」

「そうはいかないぞっ」

 私が電気を放射すると、スリーパーはそのことを予想していたかのように体をひねってスルリとかわした。そして、驚いてすきが出来た私の後ろにまわりこむ。気づいた時には遅かった。全身に痺れるようなぴりぴりした激痛が走る。

「うっ!」

 スリーパーの<ずつき>をまともに受け、私はミニリュウの足元へうつ伏せに倒れた。もっとも、メリープの姿だからうつ伏せか横向きにしか倒れることはできないが。

〜つづく〜