二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: しゅごキャラ×鋼の錬金術師 *あむの旅* ( No.42 )
日時: 2009/12/29 08:56
名前: 瑠美可 ◆rbfwpZl7v6 (ID: 2zWb1M7c)

 廊下に3人分の足音が反響する。地下から上がってきたとはいえ、相変わらず肌寒い。
 あむはエドワードたちと共に、ロゼから聞いたコーネロ教主様の部屋へと向かっているところだ。
 途中レト教信者に何度か襲われたが、その度エドワードとアルフォンスが戦ってくれた。二人はかなり強いらしい。

「二人って強いんだね〜」

 ランが感心した。だがしゅごキャラはエドワードたちには見えないはずだ。
 しゅごキャラは、しゅごキャラを持つ人間——キャラもちでなければ見えないからだ。

「ところで……」

 エドワードは急に立ち止まり、あむに向き直った。金の瞳が、じっとあむを見つめる。見つめられたあむは少しドキドキしてしまう。心臓の鼓動がワンテンポ位速くなった。

(や、やだ! あたしエドワードさんに見られてる?)

「そいつ」

 白い手袋が指し示す。——ランを。

「さっきから気になってんだけど、そのチ……いやその赤いの、何だ?」
「エドワードさん、ランが見えるんですか!?」

 見えると思っていなかっただけに、あむの声はかなり裏返った。
 エドワードは、アルフォンスにランが見えるか? と尋ねる。うんと言い、鎧の頭が軋んだ。

「ほらな。……で、そのランって言うのはなんだ?」
「えっと。しゅごキャラって言うんです」
「「しゅごキャラ?」」

 二人とも聞いたことがない単語のようだ。揃いもそろって、お笑いコンビみたいに首をかしげた。それがおかしくてあむはクスリと笑ってしまう。

「しゅごキャラは『なりたい自分』なんだよ!」

 笑っているあむの代わりに、ランが解説をする。

「なりたい自分なんだ?」
「うん。それがこーして、目で見えるようになったのがあたしたち!」

 ランは手に赤いボンボンを持つ。どこから出したのかは謎だ。ボンボンにはところどころ、赤いハートのマークが描かれている。と、応援するようにそれを上下に揺らした。 

「それがしゅごキャラ……か」

 納得しているような、していないような声でエドワードが呟く。
 あむですら初めはよくわからなかったのだから、仕方がないだろう。



「さあて」

 エドワードがコホン、と咳払いをする。
 わきあいあいとしていた雰囲気が、一気に緊張していく。

「教主様とご対面と行きますか!」

 目の前には、こっちに来いとでも言うように開け放たれた扉が、口を開けていた。


〜つづく〜