二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.104 )
日時: 2010/02/10 18:31
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: 桂が大っ好きなのに小説に出せない(泣) 別PCより


第36訓 〜証拠隠滅という行為は子供の悪知恵〜




山南栄助の左腕は 山南のものではない


2年前のある夜、通りすがりの切り裂き魔の手によって山南は左の鎖骨から左脇腹を切断されている。

だがそれは数少ない隊士達が知る事実で___
表向きでは山南は
『局中法度を犯したので処分を受けていた』
という事になっている。

川島は山南の左の真実を知る数少ない隊士の一人だ。
山南とかなり親しい仲にある川島は切り裂き魔の事件解決の調査と山南の左腕の調査を無期限で任されている。

___今回の稽古も、山南の左腕の調子を見るためだったのだ。


皮肉な事に、山南の左腕は以前より動きが鈍くなっているようだった。





「………左が使えなかったら俺は用なしか?」

「そんなことを見極めるための稽古なんて、俺ァしませんよ」

「だったら何のためだ?」

「近藤さんや土方さんは気づいてないようでしたが……
その腕は、義手なんかじゃないんですよね?」

いつになく真剣な川島。
赤い頬も、この時だけは色を薄めているような気がした。

「……質問を質問で返すのは無礼だが、どういうことだ、川ショー。この腕が義手じゃないってか?」

山南は左腕を上げてみせる。

「じゃあ質問を変えます。その義手は___

いや


   その 腕は 誰の 腕ですか ? 」


「……」

山南は静かに左腕を下ろした。