二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.144 )
日時: 2010/02/14 21:00
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: 桂が大っ好きなのに小説に出せない(泣) 別PCより

【あ、今日(中略)おうか篇】

〜チョコだって手渡ししたい。だってバレンタインデーだもん。〜

屯所のあちこちから歓喜の声が上がっている。

2月14日。

いつもなら何事もなくすごしてきた日が、今年は違った。
誰もが、あの新入隊員に感謝した。
以前、真選組内には甘い匂いが漂っていた。

が、隊士達のなかでただ一人、まだ歓喜の声もオーラも上がっていない男がいた。

「重原……俺のこと、嫌いなのか?」

暗い声で呟いたのは川島勝。
主人公なのに、チョコを貰えず完全に歓喜の輪から外されていた。

先ほどまで一緒にいた山南は、自分の部屋へ直行し、さっそく小包を見つけてきた。
おいしそうにチョコを頬張る山南の顔は、まさに子供だった。

(いじめか?全力でいじめてンのか?俺を?重原が?)

川島の心境は実に複雑だった。
チョコを貰いたいが、なんか、貰っても素直に喜べない気がする。
意地を張って、「いらねぇ」と貰わない気がする。
だが、全員貰っているなかで、自分だけもらえないといのは___さすがに、辛い。

(ま、みんな置いてあったっつてるし、手渡しはねぇだろ)

___そもそも。

            本人は何処ほっつき歩いてンだ?


重原の顔を朝、買い物に行った以来見ていない。
隊士達は「礼を言ってきた」と言っていたことからすると、屯所内にはいるようだが……

(俺、避けられてる?嫌われてる?)

考えるたび、傷心する。
そんな自分が情けなくてたまらない。

「考えすぎか。チョコ1つくれぇ。」

そう言って部屋の縁側に腰掛けた。
しだいに眠気を誘われ、川島は素直に眠りに着いた。



「ちょ……さいよ!…なみさん……きちゃうじゃ……いですか……!」

川島の耳に聞き覚えのある声が入る。


コトリ。



なにかが、川島の近くに置かれる。
目を開く。


『川島』とかかれたラベル。

起き上がる。

驚いて硬直したその女の腕を___
つかんだ。

女の体が跳ねる。

「あ……か、川島……そ、その……いや、ちょっとチョコをつくったから……」

女は紛れも無く重原だった。
その後ろには山南がいるらしい。物陰に隠れているが、髪が1部見えている。

「…………と渡せ。」

「え?」

川島はぐい、と先ほどの小包を重原に押し付けた。

「オラ。ちゃんと渡せ。今まで避けてきた罰だ。」

「〜〜っさ、避けてなんか無いし」

「俺から見たら十分避けてる。さっさと渡せ。」

自分でも予想外だ。
意外と俺(川島)は、強欲らしい。

「……、ハイ。ちゃんと食べてね……///」

重原は川島に小包を差し出す。
川島は小包を受け取った。

「食べるに決まってンだろ」

にぃ、と頬が上がった。

川島のこの赤い頬は、酒によっているからなのだろうか、それとも照れいるからだろうか。
いつもなら追及する重原だが、今日はあえてやめておいた___。


【あ、今日ってバレンタインだっけ?じゃあ祝おうか篇】(終)


*おまけ*

重「で、そこに隠れてる山南さん」

山「げぇっ」

川「人の話盗み聞きって……弟子として残念です。」

山「いつ弟子にしたんだ!おめーみたいな奴!」

重「盗聴したからには……」

川「ちゃんと罰を、ねぇ?」

山「いやぁぁぁぁぁっ!!」

その日うけた山南の罰は___追求するのは、止めておこう。
山「追求しないでいいから助けてェェェェ!!うあああああっ!!おめーらァ!どんだけSなんだアァァァ!!」

【あ、今日ってバレンタインだっけ?じゃあ祝おうか篇】(ホンとに終)