二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.301 )
日時: 2010/04/06 13:02
名前: 里兎錦 ◆i9wQCXHO3o (ID: EE33HIRZ)
参照: みなさんご入学おめでとうございます!元藤崎パンでしwww 新PCより

「なら精精頑張ればよい。無駄だと言うことが分かるわ」

「後悔しますよ」

そう言って重原は部屋を出た。

(まずは工場の中心部を探さないと……)
辺りを見回した。従業員である班員達はすでに居なくなっている。
隈井が人払いをしたのだろうか。それとももう工場は従業時間が過ぎたのだろうか。
とにかく工場は先ほどと違い、不安なほどの静寂を保っていた。
窓から差し込む光は赤かった。

(もうすぐ日が暮れる……)

不気味な赤は重原を睨み、包み込んでいた。

階段を降り、地下へと向かった。


第78訓  〜後悔先に立たず〜

* 外

「オイコラ待て逃げンじゃねぇクソヤロー」

「ん?逃げる気などサラサラないが。それより貴様その口調やめろ耳が腐りそうだ」

「うっせーオメーこそやめやがれその口調!」

山南は刀を杖代わりに立ち上がった。
しっかりと地に足をつけ、刀を持ち直した。それでも視界が霞む。

(川ショーのヤローもこんな状況だったンだろーなァ)

脳裏に川島が浮かんだ。あの日の夜、川島が襲われたときの空想を今現在と重ね合わせてみる。

(川ショーのほうが重症だな。あんな依存症に負けてたまるかってンだ)

「考え事か?そんなことができるほどまだ元気があるのか。すこし見直した」

「オメーもまだそんな口叩けンのか。めっちゃムカついた」

山南は地面に落ちている手裏剣やクナイを4、5枚手に取って山見に投げつけた。

「効かぬッ」

手裏剣やクナイはすべて落とされてしまった。が、ソレが狙いだった。
山見が飛び道具を落としている瞬間に山南は渾身の力を振り絞ってあの大きな刀を投げつけた。
突然の大道具に驚いた山見は後退する。が、遅かった。
山南はすでに刀を手に戻し、山見に追いついていた。
もう1度クナイを投げ、今度はヒットし山見はその場に転んだ。

(ここでキメる!!)

刀を振り上げ、山見に突き刺そうとしたが、止まった。山見の刀が遮った為である。
もう1度刀を振り上げた。が、今度は山見の刀が山南の腹に突き刺さった。

「やはり俺の方が上らしい。」

「どうかな?肉を切らせて骨を絶つってヤツさ!」

「!!」



もう、何も考えなかった。

ただ殺すことにしか目がなかった。

だが一瞬迷った。今、目の前に居るのは自分の兄。自分の家族。


今殺そうとしているのは自分。自分の良心。情け。許す心。


手は重力にしたがって下に下に下ろされる。


_____イヤだ______

意識があったのはそこまでだった。気づいたら、目の前は血だらけになっていた。











自分の心にポッカリ穴が開いたような感じがした。