二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.98 )
日時: 2010/02/08 22:30
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: 桂が大っ好きなのに小説に出せない(泣) 別PCより

第35訓 〜たまには珍しくしたがってみる〜

川島の手には先ほど粉砕した竹刀とは別の竹刀が握られており、
川島自身も袴に着替えている。

「……稽古をするのはいいが……少し休ませろ。
竹刀の後片付け、大変だったんだからな。」

「いいですよ。そんぐらい。」

珍しく道場の入り口に座り込む。
そしてなにやら取り出した。

「おめーなァ、いまから稽古だってンのに飲むか?フツー。」

「俺ァ酒飲んでンのがフツーです。それに……
稽古の前だから飲むんでしょ」

川島はニヤリ、と笑ってみせる。

「……はぁー」

山南は大きなため息をつき、道場のすぐ近くの部屋へ向かった。

「何しに行くンですか」

「着替え。汗びっしょびしょなんだよ。あー、重原だっけ?化けモンだろ、ありゃぁ」

「そっすか」

「……」


___パタン。



戸を閉めた後、山南は先ほどの会話を一つずつ思い出す。

(なんか大人しいな。ほんの数十分前までははしゃいでたのに)

(まぁ、いいか)

考えるのを止めると、山南は着替えに取り掛かる。

着替えている間も道場は可笑しいぐらいに静寂を保っていた___


ガチャ


「お、ホイ、サンナンさん」

小部屋から出てくるなり、川島は竹刀を放り投げる。

「おう。……なぁ川ショー」

「かつみ、な。 なんですか」

「なんだ、なんでそんなに大人しいんだ?」

「大人しくなかったらなんですか」

「可笑しい」

「…… いや、ちゃっとね、真剣な話ですから。」

「あー、そうか。」

そう言って、一気に山南は川島との間合いを詰めた。
そして川島の横っ腹を叩く。

川島は少し咳き込むが、すぐに体勢を立て直し、山南は左肩を叩いた。

「ぐぅっ!」

山南は思わず声を上げる。
左肩を押さえ、身をかがめた。顔が歪む。
が、それもほんの数秒のことで、すぐに川島に竹刀を叩きつけようとする。

川島は山南の竹刀を綺麗にかわし___
後ろから、山南の背中の左辺りに竹刀を下ろした。

「あああああああっっ!!がはぁっ!」

痛みに耐えられず、山南は叫ぶ。
倒れこみ、咳き込んだ。



「………。左、違和感ありすぎなんですよ」

川島は小さく呟いた。
その表情は、複雑なものだった。