二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】 ◆孤高ノ演舞ハ開演◇ 第七夜up!! ( No.24 )
日時: 2009/12/29 10:11
名前: 屡稀 ◆Jm1.jcFZPA (ID: COldU63y)
参照: ———それは取り戻せるかさえ分からない............儚き蓮華......

第八夜 異邦の世界
(一旦アレン達の任務へ移ります☆)

カタッ……

カタカタッ……


此処はイタリア南部。

とある3人を乗せた馬車が走る。



乗っていたのは……アレンとリナリーと魅音だ。


「リナリー! 魅音! あそこですね……」

アレンが丁度白色で真ん中に犬の模様が書かれたレンガ建ての門の奥にある街を指差した。

リナリーがそうね、と頷く。

「だとしたら、あの街は普通の人間は入れねぇだろうな……」

魅音が任務の資料をぺラリと捲った。

今回の任務地—イタリアのローマにある小さな街。

其処は12月25日を境に誰も入れなくなったと言う。

そして街人さえ出られなくなったのだ……



「それをコムイさんはイノセンスの奇怪、って思ったんでしょうね」

「ミランダの時みたいにノアがいないと良いわ……」

「ノアの戦いはつくづく面倒だよな〜……」

3人とも気が重くなり溜息を着く。

しかし任務も任務なので仕方が無い事だ。

カタッ!!

馬車はその街の前で止まった。

アレン達は捜索部隊の人に礼を言うと街の前に立つ。


「じ、じゃあ入りましょうか……」

「3人でいっせいに入りましょう……」

「……バラバラになったら困るしな」

3人とも1回深呼吸をする。


「「「いっせーのーで!」」」

掛け声を合わせて3人ともバッと中へと入る。

目を瞑っていたせいか何も見えない。


……スゥッ

すると直ぐにそんな音がしたかと思った時だ。



「こ、此処は街! 入れたんですね!!」

「……全員いるね? 良かった……」

見えたのはレンガ建ての家が並ぶ賑やかな街だった。

アレンはやった! とガッツポーズをする。

リナリーは横に居るアレンと魅音と確認してホッと息をした。



「…………でも、問題があるな」

魅音は深刻そうな顔をしながら、門を睨む。

アレンとリナリーはその様子に気付いてクエスチョンマークを頭に浮かべつつ魅音に近づいた。

「ど、どうしたんですか?」

「……魅音?」

魅音は二人の方を見ると門に手を伸ばした。

バチバチッ!!

「「!!?」」

ふと静電気の様な電気の流れが魅音の手に少し当たる。

幸い、エクソシストのお陰なのか怪我は無い。


「こ、これは——————?」

「ま、まさか……」

二人とも顔を青ざめさせる。

リナリーの問いに魅音はコクリと頷いた。



「この街に、3人とも閉じ込められたな……」


「え、えぇ!? 本当ですか!!?」

「大変な事になったわね……はぁ」



結局3人ともこの街に閉じ込められてしまった。


任務は難航しそうな空気を漂わせていた。

第八夜 終