二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

一話 羽を持つ者たち ( No.7 )
日時: 2009/12/28 17:53
名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
参照: 記憶と羽と十字架がぶつかりあって、今、火花が散る。  

「止めて二人とも! ミルが呼んでるんだって!」
「ミルディス? またそりゃなん」
「サイゼ姉様……子供っぽく見せるところがまたけなげで可愛らしいわ」

 サイゼの言葉に、レオニードが反応すると、その言葉を遮り、女性の声が聞こえた。声質は、二十代くらいの声質だ。
 
「レイアン。相変わらず趣味は悪いようね」
「クロネ姉様? 言い過ぎると貴女の血液に殺されるわよ?」
 
 ミルディスと呼ばれた人物は、ミルディス・レイアンと言う女性である。身長百六十八センチ、体重四十六キロのモデル体形である。年齢は七十二歳と、レオニードよりも年上だ。
髪は金髪のロングに、頭飾りが付いている。目は赤い目で、若干吊り上っている。
服装は露出が多い物を好んでいる。本人曰く、「男共がムラムラしているのを見ると興奮する」らしい。
羽の色はアカで、全ての生物の血液を操れる、らしい。出血させたり、自分の血を他の体に入れ、拒絶反応を起こして殺すなどの残酷な能力だ。

「ミルディス。お前また、人を殺したな?」
「……あら弟。また美青年になった?」
「俺の話を聞きやがれ!」

 レオニードはミルディスに、話しかけるが、ミルディスは少し黙った後に、スルーしながら言葉を発した。

「クロシーゼ、レイアンに何を言っても無駄よ。必要としないことは話さないもの?」

クロネがレオニードに言い聞かせ、横目でミルディスの方を見る。嫌味を言うかのように。それに反応したミルディスは、

「そうね。だけど、言い聞かせるのは止めて頂戴?」

と言った。
今に戦いが始まりそうな女性の戦いに、レオニードはおどおどしている。サイゼは楽しそうに見物してたが、クロネが木の棒を浮かし魔方陣を描こうとした瞬間に、

「まあまあ、今は“力を合わせないといけない時期”でしょう? クロネも落ち着いて、ミルも無視して。ね?」
「黙らない赤子は黙らせるのが一番なのよ、サイゼ」
「そう? じゃあ貴女は一生赤子のようね」
 
 サイゼは、一瞬にして物凄い殺気を出した。だが、喧嘩をしているクロネウィードとメルディスには気付いていないようだ。
サイゼは失敗したからか、「あちゃー」と頭を掻いた。これが本当に少女と言わないのが不思議なくらい、少女っぽい。
すると、レオニードが声を出した。

「喧嘩するのは止めろ。“力を合わせないと行けない時期”じゃないのか?」
「仕方ないわ、可愛い弟の頼みとあれば」
「……クロシーゼ、今だけよ」
 
と、二人もレオニードの言う事を聞いてくれたようで、レオニードは溜息を吐く。
そんなレオニードに、サイゼは「良くやったねー」と背中を叩いた。あまりにも強力だったおかげで、レオニードはその場に膝を付けてしまった。