二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ第1章 ◆君と私の旅路◆ イメソンうp ( No.46 )
日時: 2009/12/29 23:03
名前: 咲楽 ◆LW1MLyeKg. (ID: 8Sk6sKy2)
参照: ホワイト視点

6.トキワの森

「んー……」

私はブラックと喋りながらもレッドを探していた。
大きいポケモンに連れ去られていたけど、森の中にいるのかなぁって。

後出口までもうそろそろ……かな?
そうしているうちに、聞きなれた声が聞こえた。

「……の……!! よ……も!」
「おっと!! お……い……モン……きた……ポケモン……ぶつ……あっ……ない……ずだぜ」
「……?」

レッドと……誰かが話している声が聞こえた。しかし、ところどころ聞こえない部分があって、こっそり近くまで行って草むらにブラックと一緒に隠れた。

「お前はあの時の! なんでお前がここに……」

レッドと……あ! 思いだした!!
ミュウと戦ったヒトカゲのトレーナーだ!
でも、どうしてここに? という考えはレッドと同じだった。

そしてとても大きな音が聞こえ、メリメリ……と音を立ててやってきたのは……。

「うわあああ!」
「待ってたぜガルーラ!」

……ガルーラ? ガルーラってポケモン? もしかしてそれを捕まえにトキワの森まで……。

ヒトカゲに指示を出し、ヒトカゲはたくさんの炎を口から出し攻撃をする。
そしてヒトカゲのトレーナーは赤い箱のようなものを出す。
……見たことあるな、あの箱。と思ってよく見ると、あれはポケモン図鑑だった。

「ポケモン図鑑!?」

レッドは自分のポケモン図鑑と、ヒトカゲノトレーナーのポケモン図鑑を見比べて驚いた。まぁ無理もないけど……。

「……〝おじいちゃん〟がオレ以外に、二人にポケモン図鑑を授けたと聞いたが……その一人がまさかこんな奴とは……アハハハハ!!」

……おじいちゃん? って事は……まさかオーキド博士の孫……って、この人だったの!?

「まったく、この程度の奴の図鑑とは……見てろ! オレが手本を見せてやるぜ!」

ああいうのを、ナルシストって言う…………のかな。
まぁレッドも似たような感じだけど……。
そのオーキド博士の孫……ヒトカゲのトレーナーはヒトカゲに指示を出し、ヒトカゲはまた口から炎を放って、ガルーラの直撃。ガルーラの体力ももうわずかだ。
そしてヒトカゲのトレーナーはガルーラにモンスターボールを投げた。

「……ちっ、もう1発だ!」

ヒトカゲのトレーナーが何度も何度もボールを投げてもガルーラははじき返してくる。

……明らかにおかしい。体力はもうなく、立っているのも限界のはずなのに、ボールを跳ね返す力はあるなんて……おかしい。
……そしてガルーラが支えているのはお腹の……もしかして!!

「オイオイ、こいつはオレの獲物だぜ。横取りする気か?」
「そうじゃない! このポケモンのお腹には……」

レッド……もしかして私の考えと一致したって事……?
……本当、レッドは最初はバカで頼りなくてそれを口に出すのはあれかなぁとか思ったけど……。

「……すごい」
「ん?」

私は小さくレッドに向かってそう呟いた。
本当、レッドはすごい、すごいよ…………。

「お腹の赤ちゃん……大丈夫か!?」
「え?」

レッドはガルーラに近づき、お腹の様子を見る。
ヒトカゲのトレーナーはそれに気付かなかったよう。……本当に博士の孫なの?

「やっぱり弱ってる……毒ポケモンにでも刺されたのか?」

レッドは……〝どくけし〟を取り出し、弱っているガルーラの赤ちゃんに使った。
きっと……一度でも攻撃を食らったら死ぬと思って守ってたのかな。レッドもそう言ってるし。

ガルーラは再び歩き出し、森の奥に戻って行った。

「すごいよねレッドは! ね、ブラッ……」

そこにはブラックの姿は既になかった。
……飽きて帰っちゃったのかな? まぁいいや。

「……あ、ホワイト!?」

私はレッドと再会し、ヒトカゲのトレーナー、博士の孫の……〝グリーン〟とも別れ、私たちはトキワの森を出た。