二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 永久の残像 【REBORN】 ( No.10 )
- 日時: 2009/12/29 21:00
- 名前: まゆか (ID: TEX5izSi)
+第4夜【Lontano-via memoria lontano-via come per lui】+
ふと、—————————————夢を見た。
穏やかな風が、微かに雛の髪を揺らす。
目の前に広がるのは、澄み切った青空と果てしない草原。
そして——————————大好きな彼。
『?..................どうしたの?』
怪訝そうに聞いて来た彼に、夢の中の私は無言のまま、ジッと彼の瞳を見つめていた。
そんな私の様子に、彼は微かに表情を曇らせて、小さく笑みを浮かべる。
『もしかして.................心配してくれてるのかい?』
【.....................まぁな】
私は短く返事を返すと、彼から目を逸らした。だが彼は、相変わらず優しげな微笑みを浮かべたまま。
——————————————わざわざ聞かなくても、分かってるくせに。
そうは思ったが、チラリと視線を向けて彼と目が合うと、無性に恥ずかしさが込み上げて来る。
すると無意識に、彼から顔を背けてしまった。
だから私は、気が付かなかったんだろうか?
あの時の彼が————————————笑顔の裏に、哀しみを隠していた事を。
『.......................君は僕にとって、もう必要のない存在なのさ』
その記憶は—————————————
【いや..................消えないで.............————っ!】
私の、 大 切 な 居 場 所 。
「っ!?...........はぁ、はぁ...............」
ハッとして目を覚ますと、そこは見慣れぬ部屋だった。
だが すぐさま、昨晩の出来事を思い出す。
————————————そうだ、アイツの部屋で寝たんだった。
そう思った直後、不意に誰かの視線を感じ、そちらへと目を向けた。
するとそこには、ジッと自分を見つめているフランの姿が。
「........................何だ?」
「いや..............雛さん、魘されてましたよ?大丈夫ですか?」
フランはそう言うと、微かに表情を曇らせる。
それを見た雛は、小さく溜め息をつくと、「大丈夫だ。気にするな」と口を開いた。
その言葉に安堵したのか、フランは小さく頷いて、奥にある扉の向こうへと消えて行く。
きっと、支度しにでも行ったのだろう。
「............っ..............止めてくれ」
フランの後ろ姿を見届けた雛は、膝を抱えながらポツリと呟いた。
それは、聞く者の心に響くような、とても悲痛な声。
「はぁ...................何か、落ち着きませんねー」
その頃フランは、ドアの向こうに寄り掛かったまま、静かに俯いていたのだった。
続く。。。
タイトルの意味【それは、遠い遠い記憶】