二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケスペ】 足跡 【第7話UP】 ( No.88 )
日時: 2010/01/25 20:41
名前: くぅ ◆IzJizrmPNg (ID: eCrj8qey)

第8話[バトル、ポケモン、そして旅立ち]

その先にいたポケモンは……。

 「野生の……」
 「格闘ポケモン、ゴーリキー!!」
 「わぁ!!」

いきなり凶暴ででかいポケモン・ゴーリキーが建物内に入り、追いかけてくる。

レッドとホワイトはすぐ逃げたが、レッドにパンチが来ようとする。
が、フシギダネのツルで手を封じた。

 「す、スゲェ! は、博士! このフシギダネの攻撃は……」

レッドは博士の方を向いたが、博士は後ろで泡を吹いて倒れていた。
ホワイトも、既に気絶をして倒れていた。

 「うわっちゃー……どうすっかな? タネ……フシギダネ……」

レッドは自分の頭を抱えて考えた。
その間にも、ゴーリキーはフシギダネのツルを自力で気って、レッドに襲いかかる。

レッドは危うくよけたが、気付かなかったら今頃ゴーリキーの手によって、潰されていた。

 「くそっ! 何か方法は……?」

壁にフシギダネと後ずさりしながら、ゴーリキーを睨みつける。
すると後ろから何かが差し込んだ。
隙間はとても小さかったが、光が差し込んでいたのだ。

 「……そうか、もしかしたら……!」

一か八かを考え、レッドは雨戸のような物をガラッと開けると、ピカッと眩しい光が差し込む。
その光は、フシギダネの背中のタネに当たる。
するとそのタネは、光を吸収し始めた。

そして……その光線を、大きな音をたて、目の前のゴーリキーに放った。
直撃して焦げたゴーリキーは、その場にドンと倒れた。

すると、博士とホワイトは起き上がった。
博士は分かるようだが、ホワイトは状況を分かってない。

 「ソーラービーム……知っとyったのか?」
 「ううん。でも背中に植物しょってるから、太陽が好きなんじゃないかと思って……」
 「た……大したもんじゃ、ハ……ハハハハ……ウハハハハハ!!」

最初は苦笑いした博士だが、だんだんと笑いを大きくしていった。
レッドとホワイトにその状況はサッパリだった。

そして、レッドに懐いたフシギダネを、博士は譲った。
レッドは、ドロボウと思われた誤解をなんとか博士に説明した。

 「……。そうか……。なら、君達は強いとはどういうことだと思うかね?」
 「……え?」
 「技がたくさんあることじゃろうか? 力量が高いことじゃろうか? それが強いポケモントレーナーかね?」

博士の難しい質問に、二人はうーんとなる。
すると博士がこんなことを言った。

 「そうではない。大切なのは心じゃ! 君が先ほどポケモンと通わせた心……その心こそが、誰にも負けないポケモントレーナーとなるための道になるのじゃ」
 「……あの、博士! 実は——」

ホワイトが博士に〝あのこと〟について話した。
それは……急にフシギダネの心の声を聞くことが出来たこと。研究所のポケモン達の声が聞こえたこと。
今度は博士がうーんとなる。レッドも少し考える。

 「……君はポケモンを持ってなかったね? じゃあこの子を連れて行きなさい」

博士が白衣から取りだしたモンスターボール。
その中に、1匹のポケモンがいた。

 「オニスズメと言うポケモンじゃ。凶暴とよばれておるが、わしのオニスズメは研究所一人懐っこいポケモンじゃ。今後の役に立つだろう。そして……君の能力の秘密も分かるかもしれない」
 「あ、ありがとうございます!!」
 「それと……君達、名はなんと言ったかね?」
 「レッドです」
 「ホワイトって言います」

博士は再び白衣から何かを取りだす。
一見普通の赤い箱に見える。しかしそれは……。

 「これは『ポケモン図鑑』。君達がポケモンと出会うごとに、そのデータを記録していける。その図鑑に全てのデータを記録する頃にはホワイト、お前は自分の能力を理解し、ポケモンとふれあい、レッド、お前は……究極のポケモントレーナーになっとる頃じゃろう」
 (……私の未だ知れない能力が……分かる日が来る……)
 (……俺が、究極のポケモントレーナーに……)


 「やっほー、——、なんとスゲェトレーナーを見つけちまったぜ! なんと、ポケモンの心を読み取れるとからしーぜ」
 ≪へー、じゃあその子を追ってくれる?≫
 「了解!!」