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第5章 合宿　-4-

皿洗いも終わったし
今はみんな部屋でなんかやってるかな?
もう外は暗い。


あたしは丘に上ってみた。
こんな所もあったんだ──……
景色いいなぁ……

『……あ』

誰か連れてくればよかったかも。
この辺は木いっぱいだし景色もいい。
聞こえるのは風の音だけ。

「……宮嶋?」
『あ、鬼道さん』
「どうしたんだ?」
『んー……暇だったから外に出てみた。鬼道さんはどしたの?』
「いや、ちょっと佐久間と源田がうるさくてな」

あー。佐久間と源田喧嘩してそう。




「……帝国に来てから、どうだ?」

……へ?

『え、なにが?』
「いや、……宮嶋は前雷門中にいたんだろう?ここは雷門中とは全然違うからな」
『ん……楽しいよ。イメージと全然違かったけどね』
「ふっ…そうか」

鬼道さんは小さく笑うと
何かを思い出しているように上を向いた。

「……宮嶋と神田の苗字が違うのは…親の都合でか?」
『うん。鬼道さんとは違って、離婚だけど』
「そうか。……ちょっと似てるのかもな」
『え?な、なにが?』

“似てるのかも”の意味がわかった気がしたのは
なにが?って言ってからわずか2秒後。

『あ、もしかして……妹さんのこと…かな?』
「あぁ。俺と春奈も離ればなれになったから」


会いたいけど会えない、
その気持ちはわかる気がする。
今現在、同じ学校に通ってる
あたしと唯とは違う、鬼道さんと春奈ちゃん……。
共感できるようで共感できない。


『あ、そろそろ戻ろう?9時だよ』
「そうだな」



なんか……鬼道さんと居ると落ち着く。

やっぱり鬼道さんは
大切な仲間なんだ。