二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.3 )
- 日時: 2010/02/03 23:53
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
*一*唐突-01
侍の国。
そういわれた『江戸』という町。
季節は暖かくも、涼しくも無いただ寒いだけの真冬の2月。
しかし、今日は珍しく春のように暖かく陽が雲の切れ間から覗いていた。
そんな日には、少し何時ものより薄めの服を着て公園でガk……子供が公園で遊んでいる。
サァサァという風の音が鳴るここらで一番広い公園で一人浮いている存在の人影。
彼女の容姿は年15・6くらい。今日の日には不釣合いな暗い紫の髪が風に揺れている。
そんな彼女は陽を避けるように日傘を差し、ただ立っていた。
***
「うっひょ〜い!!!定春ぅ!!待つアルヨ〜〜!!!」
背後から無邪気な声が聞こえる。
彼女は声のする方へ目を向けるとそこには自分に似たチャイナ服を着た女の子が巨大な犬と追いかけっこをしていた。
ボーっとその光景を見ていると、『定春』と呼ばれた巨大な犬がこっちへ向かって走ってくる。
「ちょ、神楽ちゃん!!前々!!危ないから!!」
女の子の後ろを頑張って追いつこうと必死に走っている眼鏡の地味な青年が叫んでいるのと同時くらいに、
定春は自分の目の前まで近づいてきていた。
「……ったく、江戸ってこんなに面倒で賑やかな町なのかねぇ……」
ブツブツと呟きながら彼女はひょいっと軽やかに巨大犬を避けた。
「おわぁ!?だ、大丈夫アルか!?」
さっきの女の子が目の前まで駆け寄って心配そうに聞いてくる。
「あぁ、大丈夫だ。其れよりあの犬を放って置いて良いのか??」
そう言うと女の子は思い出したように、巨大犬を追いかけて行った。
「あぁ〜……スミマセン!!大丈夫でしたか!?」
女の子を追いかけていた地味少年が今度は息を切らしながら聞いてくる。
「新八ィ、テメェは神楽追いかけろ。これ以上被害を出すな、面倒だから」
少年の後を面倒くさそうに歩いてきた銀髪の天然パーマの男が気だるそうに言うと、少年は頷き女の子を追いかけていった。
「お〜い、大丈夫ですか〜〜??怪我してても銀さんたち慰謝料払えないからね??」
「……安心しろ、何処も怪我はしていないし。俺は『ヒト』よりも体が丈夫だからな」
差してた傘から顔を覗かせながら彼女が言う。
それと同時に男の表情が凍りついた。
「……っ!お前っ……!!!」
何か言いかけた男の横を通って彼女は消えた。