二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: REBORN!・ ペテン師に永遠を オリキャラ募集中 ( No.32 )
- 日時: 2010/02/22 21:34
- 名前: 麗/ ◆oE081hGkJ. (ID: d7b7GCUT)
[ 参照100突破記念/短編 ]
「ぷくく、また一人ーっ」
右は血のような赤、左は白っぽい緑という珍しい色をした目を持つ少女。
少女は見たところ13歳、といったところだろうか。
まだ幼く、可愛らしい顔つきをした少女の頬や身体には自分のではない赤い血が着いている。
「あーあ、本当に暇。こんな子供に負けるなんて」
人通りの少ないその通りをぶらぶらとスキップする。
その目の色も、髪の色も、返り血も。
人が居ないため気にすることはなく、気を緩め鼻歌まで歌いながらの足取りはまだ重い。
大好きな血をたくさん浴びることができたのに、まだすっきりしない。
「んあーっ、もう本当になにもかみむかつく」
いらついたような表情を浮かべれば、キリキリと歯軋りを鳴らした。
といったように、不機嫌そうにしていれば目の前にいきなり何かが落ちてきて、それが影をつくった。
「しししっ……こんなとこで、なにしてんの?」
金髪で頭にティアラをつけた少年。
白いような緑の目を右手で隠しながら顔を上げてその少年をじ、と見る。
「んあ? 王子の顔になんかついてる?」
目は前髪で隠れている為、よく表情が分からないがきょとん、としているように思われる。
どこか見覚えのある彼に考え込むものの、すぐにハッとなった。
「ベルフェゴール……?」
「ししっ……王子の事しってんだ? 姫、名前は?」
無意識に思っていた名前を出してしまい、ハッとなったものの、相手はそんなに気にしていない。
よかった、と胸を撫で下ろした。
「私の名前は……」
「リエル!? どこにいるんですか、リエルッ!」
何処からか兄様の声がする、かすかにしか聞こえないものの少女……リエルははっきりと聞こえたようだ。
ふ、と笑みを浮かべれば少年……ベルの耳元に口をよせ、小さく呟いてから手をふり、駆け出していった。
「私の名前は……今度会ったら教えてあげる」
(べつに、今教えてくれたっていいのに。)
(姫は本当に意地悪だ。)