二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.50 )
日時: 2010/02/14 18:26
名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)

第10話[博士の孫・グリーン]

あの時とは、レッドとホワイトが幻のポケモンがいると聞いて西の森へ向かったあの日のこと。
光るポケモンと戦っていたヒトカゲのトレーナーが、ここにいたのである。

 「なんでお前がここに……!」
 「…………」

レッドは睨みつけながらそのトレーナーを見ていた。
すると後ろから、ズシンズシン...と、大きな生き物が歩いているような音が聞こえてきた。

レッド達は辺りを見渡す。そしてトレーナーはニヤリと笑っていた。

そして森に出てきたポケモンは……。

 「うわあああ!」
 「待ってたぜガルーラ! この辺りにいると聞いて張っていたかいがあったぜ!」

トレーナーは手を上にあげ、ヒトカゲに指示を出した。
ヒトカゲは口から猛烈な炎を出し、ガルーラを攻撃した。

 「よし、勝てばコイツのデータがこれに……」
 「あっ! それは……ポケモン図鑑!?」
 「……!」

そのトレーナーが持っていた赤い箱こそ、まさしく〝ポケモン図鑑〟だった。
レッドとホワイトがそれを持っていることに、そのトレーナーは大笑いした。
レッドは悔しそうに「なにがおかしい!」とトレーナーに問うた。

 「〝おじいちゃん〟が俺以外にあと二人ポケモン図鑑を授けた……と聞いたが、まさかこんな奴らとは……アハハハハ!!」
 「お、おじいちゃん……って、ま、まさか……オーキド博士!?」

ホワイトは、マサラタウンにいた頃を思い出した。
〝オーキド博士の孫は、博士に教わって、凄いポケモントレーナーになった〟と……。
だから、レッドでさえ勝てなかったあの光るポケモンと、互角に勝負出来たことを。

 「まったく、この程度の奴らに図鑑とは……見てろ! 俺が手本を見せてやるぜ!」
 「そ、その言い方はないんじゃないの……?」

ホワイトはムッとしながら言うが、トレーナーはまるで無視。
ヒトカゲは炎を出し、トドメをさした。
……と、思われていた。

 「よーし、そろそろいいだろ。それ! 頂き!!」

トレーナーが、ガルーラにボールを投げる。
しかしガルーラはボールを手ではじく。
何度も何度もボールを投げても、ガルーラはボールをはじき返す。

 (こいつ……なんでだろ? ボールをはじく力は残っているのに、全然攻撃してこないなんて……)
 ≪……守らなきゃ……子供を……≫
 「「おい!(ねぇ!)攻撃をやめろ(やめて!)」」
 「オイオイ、こいつは俺の獲物だぜ。横取りする気か?」
 「違う! そんなんじゃない!」
 「そうだ! このポケモンのお腹には……」

レッドが気づき、ホワイトはガルーラの心の声を聞き、トレーナーを止めにはいる。
しかしさっき同様、二人を無視して攻撃を続ける。

 「ええい、もう! ニョロゾ!」
 「ああっ、何をする!?」

レッドのニョロゾが、ヒトカゲに水攻撃をし、動けなくした。

 「こいつ! おい、コラまて!」
 「大丈夫!?」
 「お腹の赤ちゃん……大丈夫か!?」

トレーナーは「え?」と、不思議な顔をする。
レッドとホワイトはガルーラに駆け込む。
するとおなかから出てきた赤ちゃんは……。

 「やっぱり弱っている……毒ポケモンにでも刺されたのか?」
 「……ん?」

ホワイトは突然重力に押し負けるほど、手を引っ張られ、ガルーラの体に触れる。

 (……これは……!)

ホワイトが見たものは……ガルーラの過去。と言っても、ついさっきの話だが……。
正体は分からないが、この森にいる毒ポケモンに刺されたと思われている映像が見えた。

 「……やっぱり……毒ポケモンに刺されているわ。レッド、毒消しあったよね?」
 「ああ。これだな。……ほら、もう大丈夫」

レッドは出してきた毒消しを、ガルーラの赤ちゃんに使った。
すると、赤ちゃんは元気になった。

 「一度でも腹に攻撃を受けたら、子供が死ぬと思って守っていたんだね」
 ≪……ありがとう≫

レッドとホワイトに「グルルル」と言う。
ホワイトは、その声を勿論聞き取っていた。

そして、ガルーラは森の奥へ行った……。

 「よ、余計なことを! あのまま攻撃していれば捕まえられたものを……」
 「ハンデのある相手に勝ったって、そんなの嬉しくないじゃんか!」
 「フン!」

トレーナーは少し悔しそうにしながら、森を歩き始めた。
すると、レッドはそのトレーナーの跡を追いかける。もちろん、ホワイトも。

 「おーい、待ってよー! 俺の名はレッド! お前の名前、教えてくれよ〜〜〜!」
 「〜〜!! チッ、うるせえ奴だ! グリーンだよ!! ついてくんな!!」
 「私はホワイトー!! 忘れないでねー!!」

レッドとホワイトは大きな声で言うと、後ろからグリーンに手を振った。

 「グリーン! お前には負けないからな!! 絶——っ対、負けないからなー!!」

森に響き渡るほど大きな声でグリーンにそう言った。
レッドとホワイトは、次の町へ向かおうと、森を抜けた。

すると、草むらから一人、3人の様子を見た人物が現れた。

 「フフフ……レッド、ホワイト、そして我が孫グリーンか……最強のポケモントレーナーへの道は険しいぞ。3人とも、頑張れよ」