二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.51 )
日時: 2010/02/14 18:32
名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)

第11話[ブラック]

レッドとホワイトはトキワの森を抜け、次の町〝ニビシティ〟へと向かっていた。
……が。

 「……ああああっ!!」
 「どうしたんだ、ホワイト?」
 「……バッグを、トキワの森に忘れてきちゃったかも……」

ホワイトは少し青ざめた顔をして答えた。
すぐにホワイトはトキワの森へ行こうとしたが、レッドが一度止めた。

 「ついて行こうか?」
 「ううん、平気! スズもいるし、大丈夫!!」

そう言うと、レッドは少しだけ不安そうな顔をしながら、走って戻っていくホワイトを見守った。


トキワの森————。

暗いわけではないが、決して明るい森じゃない。
いつ、どんなポケモンが出てくるかわからないけど、大体予想は出来ている。

 「うーん、どこだっけなぁ……」
 ≪そういえば、トキワの森に入る前、誰かが〝天然の迷路〟って言ってたよ?≫

ホワイトの肩に乗っているオニスズメ……スズは言う。
正直言うと、ホワイトよりスズの方が賢いのかもしれない。
「迷わないようにしなきゃ」とホワイトは呟くと、トキワの森を進んでいった。

 「——!!」
 ≪……どうしたの?≫
 「今、気配が……」

森の木々は風によって揺れている。
まるで、誰かを待っているかのように……。


 「……あれ?」

ホワイトは辺りを見渡した。
……さっきと同じ場所に戻っていた。

 「え? どういうこと? なんで、あれ?」

……迷った。そう確信したホワイトは息を飲み込んだ。
下手したら、帰れなくなるかもしれない。
そう危険を感じたが、冷静に考え、森を進んで行った。

 「ねぇ、お前、もしかして迷子?」
 「……はい?」

そんな少年の声は、上の方から聞こえてきた。
ホワイトは上を見上げる。すると声をかけた少年は、1本の木の枝に座っていた。

肩には、ポケモンのサンドが乗っている。

 「あの……えっと?」
 「……もしかして、これってお前のバッグだったりする?」

ひょいっと、少年はどこからかリュックを出してきた。
そのリュックこそ、まさしくホワイトのもの。

 「さっき落ちてたから拾ったんだけどさ、お前のだったんだな。ほら!」
 「わわっ!」
 「俺の名前はブラックっつーんだ。お前の名前は?」

ホワイトはブラックが落としたバッグを慌ててキャッチする。
そして小さな声で「ホワイトです……」と言う。

 「ホワイトかぁ……へー! ブラックとホワイト! なんか良い名前だな俺らって!」
 「そ、そうだね……ははは!!」

ブラックの発言に、ホワイトは笑う。
そしてブラックも笑って、二人で笑い合った。

 「……で、分かるの? 帰る道」
 「……えーっと……」
 「なんなら俺、ついていくか? ニビシティの方向だよな? 俺もそっちへ向かうからさ」
 「本当!? ありがとう!」

迷子で困っていたため、ホワイトはものすごい笑顔でブラックに言うと、ブラックの顔が赤くなった。

 「……どうしたの?」
 「な、なんでもねぇよ……い、行くか!」
 「う、うん」

ホワイトは「?」な顔でブラックを見た。
ブラックは赤面状態で、ホワイトの顔を見らてなかった。

 (こいつが……ポケモンの記憶が見える……ホワイト。そして俺は……ポケモンの気持ちを読み取れる……ブラック。俺とこいつの能力に……関係があったりするのだろうか……?)

ブラックは、心の中で、そう呟いた。