二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.53 )
日時: 2010/02/14 18:46
名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)

第12話[二人の能力]

なんとかブラックと一緒にいたホワイトは、迷わず次々と森を進んだ。

 「もうすぐ出口だね〜」
 「そうだな……ん?」

2人は歩いていると、草むらから「ピ〜...」と、小さなポケモンの鳴き声が聞こえた。

2人はすぐその草むらに駆け寄る。
するとその草むらから、1匹の黄色いポケモンが出てきた。

 「このポケモンは……ピカチュウだ!」
 「ピカチュウ……」
 ≪お兄ちゃん……どこ行ったのぉ……?≫

どうやら幼いと思われる♂のピカチュウは、お兄ちゃん、お兄ちゃんと言う。
どうやら、兄のピカチュウがどこかへ行ってしまったらしい。

 「……」
 「ホワイト……?」

ホワイトは、意識をピカチュウに向ける。
さっき分かったが、ガルーラの時も、意識をガルーラに集中させて、過去が見えた。

だから、こうすればピカチュウの過去が見れるんじゃないか、と……。


 『おなか空いたお腹空いたぁ〜!!』
 『……しょうがないじゃないか……隣町へ行くと、人間がうるさいからな……』
 『お腹空いたお腹空いたあああ!!!』
 『……っ……だったら、自分で撮ってくればいいだろ!!』
 『……え?』
 『お腹が空いたのなら、自分で取ってくる! そういうことだろ?』
 『え……おにいちゃ……? おにいちゃぁぁぁぁぁん!!!』


 「……お兄ちゃんと……そんなことがあったんだね……?」

弟のピカチュウは、涙目になりながらこくんと頷く。
するとブラックがピカチュウの額に手を当てる。

 「…………」

気持ちを集中させると、ピカチュウの額が光る。
数十秒、ずっと額に手を当てていると、ブラックはピカチュウを抱きかかえて、そのピカチュウをホワイトに渡す。

 「……ピカチュウは、今精神的に不安定になっている。俺が連れて行っても、多分ピカチュウはずっと不安なままかもしれない。だから……このピカチュウを……仲間にしてくれないか?」
 「……さっきのは、いったい……?」
 「詳しくは言えないけど……お前と似たような能力だよ」

ブラックは、フッと鼻で笑うと、とても大きなポケモンを出し、どこかへ飛び去って行った。

ブラックが森から去ると、再び木々は風でざわめき始める。
それは、ホワイトのこれからの物語を、示すかのように……。


 「ブラック……何者なんだろう……不思議」

そう呟くと、ピカチュウを抱え、森から出て行った。