二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.70 )
日時: 2010/02/14 21:32
名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)

第15話[VSタケシ]

レッドは、ピカチュウを無理矢理押しながら試合会場に行く。
ジムリーダーのタケシは、腕を組んで待ちかまえている。

 「レッドー! 頑張れー!!」

ホワイトは手で三角形を作るようにして、レッドを応援した。

そして、試合が始まる音が鳴ると、タケシは構える。
……が、ピカチュウはよそ見して、何も動かない。

 「……あれ?」
 「……お得意の先制攻撃はどうした!?」

辺りはシーンとして、ピカチュウはそっぽを向いていた。
周りの観客も「?」となり、タケシも疑問を抱く。

 「来ないのならば……こっちからいくぞ! 〝岩落とし〟!」

タケシがイワークに攻撃指示を出す。
ピカチュウは軽々と岩を華麗に交していく。

しかし、一つの岩がピカチュウに当たった。

 「ああー!」
 「相手の攻撃をもろに受けちまった。かなり怒っているぞ、反撃か!?」

観客がそういう中、ピカチュウはユラリと後ろを向いて、何かを睨みつけた。
すると敵ではなく、レッドの方へ行き、レッドを攻撃した。

 「うわあああ!」
 「!?」

そのピカチュウに攻撃を受けているレッドに、客は大笑い。
しかし、タケシは舌打ちをした。

 「今まで勝ち上がってきたのはマグレだったんだな!」
 「れ、レッド……」
 「……俺のイワークの最終技は、自らの体を竜巻と化した攻撃! そのスピードは巨大な衝撃波を作りだす‥‥…」

イワークはガラガラと音を立てる。そしてぐるぐると回り始める。
レッドはピカチュウの電撃に耐えながら、イワークを見ていた。

 「でっかいのが来るぞ! 気をつけろピカチュウ!」
 「とどめだ! 〝ロケット頭突き〟!!」

ぐるぐると回り続けていたイワークが、ピカチュウに向かって大きな音を立てながら突っ込んでいく。
それでも、ピカチュウはイワークに気づかず、レッドを攻撃しようとする。

すると、レッドはイワークからピカチュウを庇って、その場に滑り込む。

 「大丈夫か? ……フウ、お前が無事でよかったぜ。よく考えたら、お前が俺の為に戦う義理なんてひとつもねえんだもんな。……悪かったな、無理矢理巻き込んじまって」

ピカチュウは「ピ!?」と驚く。
レッドはボロボロになりながらも、ピカチュウにそう伝える。
そしてピカチュウの記憶の、あの一言がよみがえった。

 『仲良くしようぜ。な、ピカチュウ』


レッドはニッコリ笑ったが、その後ろでは……。

 「フッ、今度は外さないぜ。行け、イワーク!!」

タケシが再びイワークに攻撃指示を出す。
だが、急にピカチュウが前に出てキッと睨む。
頬の電気袋から、バチバチと電気を出す。
そして、突っ込んでくるイワークに、電撃を放つ。

その音は、バリバリとなり、バシッ! とトドメの音を出し、イワークはバラバラになる。

 「あ……あああ……」
 「何?」
 「な、何が起こったんだ?」
 「バ、バカな……」

観客はシーンとする。
タケシは力が尽きたように、膝をつく。

ピカチュウは、タッと綺麗に着地をした。
レッドは唖然としていたけど、審判がレッドの右手を上げ、勝敗がつくと、観客がワァァァと盛り上がった。

この勝負、レッドの勝ち!