二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.72 )
日時: 2010/02/14 21:49
名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)

短編[温もり]

 「さ、寒い!!」
 「カントーでも寒い時ってあるんだなー……」

レッドとホワイトは、白い息をはきながら、マサラタウンとトキワシティの境を歩いていた。

外は枯れ葉が飛んでいるくらいの風が吹いていた。
寒さになれてないホワイトは、鳥肌を立たせて、子犬のようにブルブルと震えていた。

 (……可愛い)
 「さ、寒い……レッド、やっぱり家帰ろう?」
 「ヤダ」
 「ガーン!!」

ホワイトは白目でレッドを見る。
レッドが家に帰らない理由はというと、子犬のように震えるホワイトを見たいから……だそうだ←

 「ううぅぅぅ……」
 「しょがねーなー……じゃあココア買うか」
 「うん!」

無邪気な声と笑顔でホワイトは言うと、レッドは少しドキッとした。
自分の顔が赤くなっているのに気がつくと、なるべく顔を見られないように、近くのコンビニに行った。

 「寒い!」
 「冷凍食品の所にいるからだろ。少し暖かい場所に移動したほうがいいんじゃないか?」
 「う、うん……」

再び震えだしたホワイトに、レッドは暖かい場所へ誘導した。
そして、甘いココアを2つ買って、寒がるホワイトと外に出た。

 「寒い……」
 「ココア飲めば暖かくなるって! ほら」

寒い寒いと言っているホワイトに、レッドはコンビニの袋からココアを出した。
そのココアは、触るだけでもかなりの温もりを感じた。

 「おいしい!」
 「だろ?」

レッドとホワイトはニコニコしながら少しずつココアを飲んで行った。
そしてようやく温まったので、動こうとした。
が。

 「寒い……」
 「えっ!?」

今ココアを飲み、数分しか立っていないのに、再びホワイトが震えだした。
ココアは単なる時間稼ぎだけになっていた。

すると、レッドはハッとして、ホワイトに問いかける。

 「もしかして……薄着?」
 「だ、だってこんなに寒いとは……」

レッドはハァっとため息をつく。
天気予報や気温を朝テレビで見てたのにもかかわらず、ホワイトは薄着で来ていた。

 「ったく……」
 「ふあ!?」

寒がるホワイトに不意にレッドが抱きしめた。
するとレッドは自分の行動にみるみると顔が赤くなった。

 (何やってんだ俺!!)
 「あったかーい...」

ホワイトはのほほんとした顔をして、レッドの腕にしがみつく。

 (鈍感だな……)
 「ねー帰ろうー」
 「……わ、分かった」


その日一日、レッドはホワイトの顔が見れなかったのであった。