二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [ポケスペ] *足跡* [立て直し頑張りまふ←] ( No.75 )
- 日時: 2010/02/14 22:00
- 名前: 夢兎 ◆I74UefpcV. (ID: IjQjsni6)
第17話[凶悪ポケモン]
誰もいない、無人で広がる草原。
その草原に、一人の少女と、そのポケモン、そして少女の前に立ちふさがる大きな凶悪ポケモン……。
その少女は、息を切らしていて、体中に血や傷跡が、そして足がじりっとしていた。
すると、凶悪ポケモンは、ある攻撃の態勢に入った。
「〝ハイドロポンプ〟よ、よけて、ヒトちゃん!!」
凶悪ポケモンは、口から猛烈な水を……〝ハイドロポンプ〟を出し、少女のヒチちゃん……ヒトデマンに直撃する。
ヒトデマンは「キィ……」と小さな鳴き声をすると、バシャッと濡れた草に落ちた。
「ヒトちゃん!」
少女は倒れたヒトデマンの元へ駆け寄る。
そして凶悪ポケモンを悔しそうな顔をして睨みつける。
「ずいぶんでっけえのを相手にしてるじゃんか」
「……!」
「助太刀するぜ、お姉ちゃん!」
そこへあら割れたのは……そう、レッド。そして、肩にオニスズメのスズを載せている、ホワイト。
少女はいきなりのことで動揺したが、「さがってなさい、危ないのよ!」と注意をするが、レッドはざっと草むらを走る。
「俺をその辺のガキと一緒にすんなよ。それから……名前は『あんた』じゃないぜ」
レッドは腰につけているモンスターボールを一つ、手にする。
ホワイトはまじまじと、レッドの行動を見ていた。
「俺はレッド。よーし、頼むぜフシギダネ!!」
レッドはそういうと、モンスターボールからフシギダネを繰り出す。
「ポケモン! あんたも、ポケモントレーナーなの?」
少女は少し驚くと、再び凶悪ポケモンは攻撃の態勢にはいる。
その体制こそが〝ハイドロポンプ〟である。
少女は「気をつけて!」と注意をするが、レッドは余裕の表情。
「ちょっと、あなたはあいつを止めないんですか!?」
「まぁまぁ、見てれば分かりますって♪」
少女の言葉に、ホワイトは軽く流した。
少女は少し不安を抱える。
そして、ハイドロポンプがフシギダネに直撃する。
が、フシギダネは気持ちよさそうにしている。
「……あれ?」
「へへ、水系の攻撃は草ポケモンにゃ効かねーぜ」
少女はポカーンとするが、レッドは更に余裕の表情を見せた。
そして、フシギダネに攻撃指令を出す。
すると、フシギダネの背中から、何かの種が出て、凶悪ポケモンの腹のあたりに刺さる。
その種は、凶悪ポケモンの体をツルで多い、体力を吸い取って行った。
凶悪ポケモンは、何もできずに苦しい状態。
「〝宿り木の種〟?」
「あったりー!」
「よし、今のうちよヒトちゃん。〝自己再生〟!!」
ヒトデマンは、少女にそう言われると、パァァァァと光に包まれ、自己再生した。
「これでヒトちゃんの傷が治ったわ」
「おお、そっちのヒトデマンもすげぇ技使うじゃん」
「さすが!」
3人で、そんな他愛のないような会話をしているうちに、ギャラドスは宿り木の種のツルを自力で取っていた。
「そんじゃ、最後はトリプル攻撃といきますか」
「了解!」
「ええ!」
「フシギダネ!」
「スズ!」
「ヒトちゃん!」
3人は、それぞれ戦闘に出ているポケモンを呼ぶ。
そして3匹は攻撃の態勢に入る。
「〝ツルのムチ〟!」
「〝風起こし〟!」
「〝バブル光線〟!」
3人の三位一体となって、凶悪ポケモンに攻撃する。
その凶悪ポケモンは大ダメージを受ける。
「仕上げはモンスターボールだ!」
レッドはモンスターボールを凶悪ポケモンに向かって投げる。
するともくもくと煙が出て、ボールには凶悪ポケモンが収まっていた。
「よっしゃあ、頂き!」
「……はあ、助かったわ。ありがとね、ええと……」
少女はその場にへなっと座り込む。
するとレッドとホワイトは、それぞれ自己紹介をする。
「しっかし、こんなところに、こんなすげえポケモンがいるなんて吃驚だぜ。野生のポケモンかなぁ……」
「……ギャラドスは水のポケモンよ。こんなところに生息している事はありえない……」
「だよねえ、なんでだろ?」
そんな疑問をレッドとホワイトが抱えていると、少女があることを話し始めた。
「そのギャラドスは野生のものじゃないわ。……私のポケモンだったのよ」
「ええ〜〜〜!?」
「ど、どういうこと!?」
「私が育てていたそのギャラドスは、1週間前に何者かに盗まれていたの。そして……帰ってきた時にはこんなにも凶暴かしていたの……」
少女は、暴れまわるこのギャラドスを追って、自分の町から来たと言う。
ホワイトは、少し悲しい瞳をしていた。
「でも、よかったわ。あんた達のおかげで暴走を食い止めることができたし……」
「いいもんか!」
「……れ、レッド?」
「自分のポケモンがおかしくなって、平気なのかよ! きっと、その盗んだ奴ってのが何かしやがったに違いねぇ!」
レッドは、いつものような勇敢な目で少女に言うと、「とっちめてやるぜ!」と言い、どこかへ向かおうとした。
ホワイトから見れば、レッドは正義のヒーローのようである。
そして、誰かを助けようとする、優しくて心が強い人……だが。
「ちょ、ちょっとどこへ行くつもり?」
「どこって……あ、あれ?」
「?」
「ところで悪い奴、どこ?」
「知ってりゃ、もう言ってるわよ!」
レッドの欠点は、進むのはいいが、止まれない……と、ホワイトは感じている。
だからか、とんでもない方向に向かってしまっている。