二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.108 )
- 日時: 2011/02/28 23:40
- 名前: かっぺい (ID: MyshjIQO)
アイルビィバァァァァック!!
なんとか生きてました!危ねぇっ!
【Crash into Deep and Deep】 その4
『信じ難い事が起きた。
妖怪を倒すと息巻いていたあの化け物が、なんと当の妖怪と話しているのを目撃したのだ。
姑息なやり方だ。奴は退治すると言っておきながら、裏で相手と繋がっていたなど!
……明日の夜、村人たちを集めて会合を開こう。
被害者はまた増えた。あの化け物たちを殺さなければならない』
生物が世界を捉えるためには、五感と呼ばれるものが必要になる。
それらは
視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚
として表現されるが、戦闘という限定された状況において、重要なのは最初の三つである。
異常を知る嗅覚、
死角を補う聴覚、
距離を測る視覚。
鍛錬や才能による例外を除いて、生物はその三つの感覚を頼りに敵と対峙する。
裏を返せば、どれか一つでも欠けた時……例え屈強な戦士でも、拳は揺らぐ。
無意味な透明に、無震の空気に、そして光の無い漆黒に
命は速度を落とす。
そして、それを一番強く理解しているのは、他の誰でもなく妹紅であった。
この竹藪の中。月明かりさえ捉えられない暗黒に呑まれて、彼女は呆然としている。
目の前で闘うカジの背を、見えない瞳でじっと視ている。
その戦闘は一方的なものだった。
目が見えないカジは、必然的に風の音に頼らざるを得ない。
ミスティアの放つ攻撃は無臭だからだ。焦げる匂いも金属の匂いも、殺意の匂いもしない。
カジはすんでの所で攻撃をかわした。
彼は距離を詰めようと地面を蹴る。
落ち着いたはずの振動が再び発生する。
ごあと音が鳴って衝撃音がする。
カジは攻撃を受けた。
反撃はしない。
『できない』から。
彼は駆けるのを止めない。
ミスティアを傷つけず抑えるために
傷つきながらも近寄ろうとする。
「う……っ、おぉぉぉぉ!」
妹紅は声を聞いている。
がくがくと震える身体を両手で抱き、目の前で起こっている闘いを視ている。
呼吸は続く。
速度を落として、続く。