二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.115 )
日時: 2011/04/17 00:58
名前: かっぺい (ID: 5NFGRhIu)

これにてカジ・妹紅サイド一旦終了!お疲れ様でした!
次回は……ちょっと回想編ですかね。

【Crash into Deep and Deep】 その9





「君は何者なんだい?」

「……ポケモンだ」

「だって色々凄いじゃんか。その『境界』ってのはちょっとよく分からないけど……
 ねえ、君らはみんなあんな事ができるの?」

「俺だけだ。能力の応用でやった事だからな」

「能力……か。炎を操る、とか」

「似ている、が、多分違う。
 俺も正直なところ、自分の力を全て理解してるわけじゃない」

「じゃあ『弾幕』に攻撃できないのも」

「ああ。何故かは分からん」

「…………」

「妹紅?」

「君はさ、私達の間では普通の事ができない。
 けど、代わりにとんでもない事ができるし、見えないものが視える」

「……買いかぶりすぎだ」

「君はいったい」

「…………」

「何者なんだい?」





「何をしてたんだ!!」

夜の屋に、耳をつんざくような悲鳴が響いた。
声の主は……上白沢 慧音のものだ。
彼女は今、寝巻のままで玄関口に立っていた。

傷と泥にまみれたカジと、ミスティアをおぶっている妹紅を見ていた。

「け、けーね」

「こんな夜まで」

「ちょっと待ってくれ、慧」

「馬鹿じゃないのか!? そんなに傷だらけになって……!」

慧音は肩を怒らせてカジ達に近寄った。
妹紅の背で、ミスティアが小さく息を吸った。

「襲われたのか」

「……うん」

「ミスティアもか」

「ああ」

カジと妹紅をすぐ前に、慧音は瞳を震わせた。
震える腕を大きく広げ、躊躇いがちに一歩を近寄った。

「……とにかく、無事ではあるんだな?」



彼女は、眼前に並ぶ身体を抱きしめた。



「よかった……!」

ぎゅうと抱きしめられたまま、カジはぼんやりと声を聞いていた。
優しい声に彼は目を閉じる。
遠く霞んだ記憶が、そっと彼の心に満ちる。



妹紅の背から、ミスティアの声。