二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.19 )
日時: 2010/02/21 15:13
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

ゴツ その3



「……妖夢、私はお肉が食べたいっていったのよ。
 これは何かしら? 鉄でも食えって言うの?」

帰って来た家主が、鋼の巨体に指を向けた。
庭仕事を手伝っている最中、慌てたように少女が口を開く。

「ゆ、幽々子様、この方は客人で……」

「人じゃないでしょ」

「がはは! 俺ぁ食ったら腹壊すぞ!」

一瞬、幽々子の目が光った。
見据えるように巨体を見る。

まさか本当に食うつもりか
というように、少女は少しだけ体を強張らせた。


静かな場所だった。
今は夜だが、ざわざわと揺れる桜が見える。

「俺ぁゴツっていうんだ。飯食わせて貰って感謝するぜ」

「……それは飯って言わないの」

呆れた顔をして、西行寺幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)が溜め息を吐く。
隣の魂魄妖夢(こんぱく ようむ)が、物珍しそうにそれを見ていた。

「どうしたんですか?
 なんか落ち込んでますけど」

ゴツが自分の皿に目をやる。
庭仕事を手伝った代価として、妖夢はゴツの希望したモノを買って来た。

鉄くず、まさか食べるとは思わなかっただろう。

「私にも食べられない物があったなんて……」

「これを人間が食い出したら、俺は一生そいつに付いていくぜ」

にやにやしながらゴツが言った。