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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.33 )
- 日時: 2010/02/27 18:41
- 名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)
カジ その7
何年も昔のことになる。
初めて出会った時、「そいつ」は笑顔だった。
『よお、初めましてだな』
随分前の話だ。
成長した姿を見た時、「そいつ」は困惑していた。
『えと……は、初めまして?』
かなり前。来る所まで来た、と思ったら、「そいつ」はいきなり怒り始めた。
『お前誰だ! カジをどこにやりやがった!』
喋れないのを不自由だと思った。
言葉が話せたら、思う存分「甲斐性無しが」と叫んでやれた。
言葉が通じれば、「今日限りでお暇を」と交渉できた。
言葉が伝われば、「これからもよろしく」と言えた。
一番先に波に呑まれたのは「そいつ」だった。
よく知らぬ男の肩を掴んで、海際に立っていた。
声が枯れるほど叫んだ。
少しして、声ではなく鳴き声だ、と気付いた時には、
俺も呑まれていた。
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