二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.4 )
日時: 2010/02/17 15:36
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

マシロ その1



真っ赤に染まった洋館を、一瞬夕焼けと間違えた。

茂みから出た時、最も近くに視界に捉えた建物。
それは、今まで見てきたどんな建造物よりも異質だった。

はっとするが、すぐに思い直す。
悪趣味だな……
顔をしかめて館に近づく。

ここからでは外壁しか見えない。
恐らく、どこかに入り口があるだろうと、アタリを付けて右側へ回り込む。
ざわざわと、後ろの茂みが音を立てていた。


門番がいた。
寝ていた。
がくりと肩を落とす。

こんなに立派な建物なのに、あれじゃあダメだろう……
ふうと溜め息を吐き、近寄る。
ざわ、と風が白黒の四肢を揺らした。


「……!!」

「これ何? パンチのつもり?」

拳が、顔面の数センチ手前で止まっている。
正確には、額の黒い突起の。

相手の動揺を感じる。
前足を振り、払うように背後へ跳んだ。

「獣……?」

「まぁ似たようなもんね。
 ……でも、起きてたんだ」

淡々と言葉が口をついて出る。
相手は目を丸くし、その後でニヤリと笑った。

「どうやら手加減の必要は無さそうですね」

「ふん……来なよ」

帽子の星マークが、残像に消える。
アブソルは体の躍動を感じ、足に力を入れた。

こんな形の異種格闘技も、アリじゃないだろうか。

そんな事をちらりと思った。